見出し画像

独学で服作りしている私のこと⑥台湾で作品展

作品展を重ねるうちに、人から人へと服が少しずつ広がり、ある台湾在住の日本人ライターさんが私の服を買いたいと言ってくれた。繋いでくれたのは知り合いの作家だった。

その上その知り合いの作家が台湾旅行で私の作った服を着てある雑貨屋を訪ねた際、「その服いいね!」、と言われたから台湾へ営業をかけに行ったらいいと言う。


2人の台湾に住む人から反応があっただけなのだが、

なんか面白そう!

という完全ワクワク指数のみで営業の旅にでることを決意。


以前に、Facebookでその雑貨屋のオーナーがリクエストをくれていたのだがやり取りはほとんどしていなかった。ダメ元でメッセージを送る。


洋服を持って台湾にいくから一度見てみてほしい



と。


二つ返事でおいでと言ってくれる軽やかな方だった。
こうして実に15年ぶりの一人旅を決めた。


出発前々日に発熱し、鼻水垂らしながらになってしまったのだが、なんとか飛行機へ乗る。


まずはその土地の神様にご挨拶かな、と、自分の聞きたいことや願望にに対してYes/Noを示してくれるポアポエというものがある龍山寺へ行った。


わたしを台湾に降り立たせてくれてありがとう、今回の商談がうまく行きますように
祈願した後、

台湾から帰国したら1人でインドに生地探しの旅に行こうかな、と今振り返るとなんとも無謀な考えを持っていたのだが、なんとなく迷いがあったので、ポアポエしてみることにした。


ポアロエとは、表裏のある赤い三日月型の木片を2つ投げて、表と裏が出ればYES、表表、裏裏はNOを意味する。三回投げてその結果を見る。


参拝を終え長い行列を待ち、ようやくポアポエへ。


私はインドへ行きます。


答えは3回ともNo


Noか〜〜〜〜〜〜


そうだよね



という気持ちになる。答えは自分が知っていて、ただその確認をしたような感じだ。


祈願を終えると雑貨屋へ行く時間が近くなっていたので服を取りにホテルへ戻る。

前夜に着いたのだがこのホテル、全く眠れない。。。


部屋はうるさいわけでもなく至って普通のビジネスホテルなのだが、一向に眠れない。きっと久しぶりの旅に興奮しているからだろうと思っていた。

後にこのホテルの衝撃の事実を知ることになるのだが、それはまた後で。



ドキドキしながら雑貨屋にいくと、チャーミングな笑顔の女性がフレンドリーに迎えてくれる。


自己紹介をし、アイスコーヒーを淹れてくれる。

病み上がり、というかまだ復活していない身体にアイスコーヒが沁みる。

あれは今までで一番美味しいアイスコーヒーだったかもしれない。

店内には、彼女が前の仕事で世界中を飛び回っていたときに少しづつ収集した、"海外で見つけた台湾のもの"が所せましと立ち並び目を飽きさせない。


早速服を見せ、いいねいいねと言ってもらえる。

そして、あなたはどんな想いで、どんな経緯で服を作っているの?と聞かれ、以前Noteにも書いたような、服作りが出産から始まったことや、顔が見える作り手でいたいことなどを語る。


そうそう、そうなのよ、あなたのストーリーを直に聞きたかった。

オーナーはそう言って、委託を快諾してくれた。
彼女の言葉とものづくりする人を応援している姿に初めて会った人なのにとても信頼を感じた。
そうだ、どんな人がどんな想いで作ってるかって大切だ。


彼女はその上、
また来られるなら展示会をしてよ
と言った。2月の旧正月付近が良いよと。


その時は12月だったのだが、二つ返事でわかった、また来る!

と口がまた勝手に言ってしまう。


こうして台湾で展示会をすることになり、きっかけをくれた作家とともに再び台湾を訪れることになった。
2019年の2月の事だった。


写真は台湾で展示会をした際のもの。

その時感じたことは、言葉が変わっても、場所が海外になっても、私がひとりひとりをしっかり見つめて服を売る、というスタンスは変わらないのだな、ということ。

今振り返ると、シンプルで素材の良いものは世界共通で好きな人がいるんだった、と、当たり前のことなんだけれど改めて思う。

私にとってシンプルなものを作るには勇気がいるのだけれど。
何故ならば、ごまかしがきかないから。



最後に、
あのホテル、台湾在住のライターさんが二回目に展示会で台湾に行ったときに今だから言う!と教えてくれたのだけれど、

以前殺人事件があったそうで…

全く眠れなかったのは興奮ではなくて霊障だったのかもしれないw





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?