プロフェッショナルから直接学ぶ機会
もうすぐセメスター1が終わります。私は毎年学部1年生の共通科目(Built Environment)を担当しているのですが、この科目はこの分野のプロフェッショナリズム、キャリア、倫理を学ぶものです。そして、ハイライトはキャンベラ地域で第一線で活躍するゲストをお迎えして、プロの仕事・日常について直接学ぶことができるイベントです。このイベントは、毎年セメスター1の第12週に行うのですが、コロナ禍が続く今年もなんとか無事終了しました。
このイベントのために、第11週に講義やチュートリアルのクラスで学生たちに準備をしてもらいます。ゲストのリストを見せて、誰にどんな質問をしたいか、どんな風に挨拶するか、かなり詳細に打ち合わせ及びロールプレイングをします。学部1年生ですから、まだキャリアネットワーキングの経験がそれほどないですので、緊張もしますし、急に頭が真っ白になることもあります。少しでも練習することで、自信がつき、本来やらなければいけない事に集中できます。このようなイベントでは、コミュニケーションスキルが非常に重要になるわけですが、今の学生はオンライン上ではうまくできても、対人では苦手という人が多いです(私の世代は、どちらかというと、オンラインの方が苦手という人が多いのですが・・・)。相手を見て、臨機応変に言葉を選び、会話を続けるというスキルは、すぐには身に付きません。特に学部一年生には難しいと思います。オンライン講義ではこのスキルを身に着けるには限界がありますので、やはり普段の対面授業でしっかりやっておきたい事の一つです。
学問も大事ですが、このような、いわゆるpeople skillも大学で学ぶ事の一つだと思っています。そしてプレゼンテーションスキルも非常に大切です。これに関しては、先日グループ課題でプレゼンを課したのですが、やはり得意な学生とそうでない学生とでは大きな差がありました。このスキルを身に着けるには、とにかく失敗を怖がらずに、どんどん数をこなしていくことが大事です。大学ではこういったスキルも磨いてもらいたいと思います。