文章を書いています。

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私について

生息しているサイトのURLをまとめました。 ○カクヨム 短編小説やエッセイや詩集がいくつかあります。 ○note ゆるいエッセイを書いています。 ○BOOTH 詩集の販売をしています。 ○X(Twitter) 主な発信はXで行っています。 ○Instagram 画像を投稿しています。 【私について】 こんにちは。瞳です。 詩を中心に文章を書いています。 公募では村沫瞳名義で活動しています。 好きな食べ物はチョコレートと肉じゃが。 観葉植物を育てるのが生

    • はなのみち計画

      花の種には、とても細かいものがある。 私は植物が好きなのでよく種蒔き作業をするのだが、毎度毎度、新鮮な気持ちで種という摩訶不思議な物体に驚いている。 こんなに小さな粒々から、大きな葉や色とりどりの花が広がっていくなんて誰が想像できるだろう。 こんな小さな玉手箱(種?)を設計して毎年ばら撒いている自然のオシャレさには感服である。 特に、ハーブの種の細かさには目を見張る。 小さすぎて見張っても見えないレベルまである。 大きさを例えるなら、米粒を十分の一にしたくらいの規模

      • 陰謀論的夏のわくわく

        「何かの気配がする」 夏の間中、私の心はそのような曖昧な言葉とわくわくで響き渡っている。 夏という季節は、隠蔽の気配に満ち溢れていと思うのだ。 家を出る。するといたるところでセミが鳴いている。 どこへ行っても何をしていても、私の歩行は蝉の声で埋め尽くされてしまう。 これではセミの大合唱の裏で何かがひっそりとささやき合っていていても、気付くことができない。 外を歩いてみる。道にはいつも以上に背丈が増した植物たちが、ぎゅうぎゅう詰めになりながらのびのび生い茂っている。

        • 1UP毎日

          この間散歩をしていたら、愉快な男子中学生を見た。 その日、私は川沿いを歩いていた。 川幅は5メートルくらいで、流れは穏やか。深さはくるぶしくらいだろうか。これぞ小川、というような、大変川らしい佇まいの川だ。 小さな川ではあるが、向こう岸に渡れるように、ところどころ小橋が架かっている。 が、部活を終えて帰宅中と見られるその彼は、あえてその橋を渡らず、水面から顔を出している小さな岩々に向かっていった。 彼はその小さな足場に狙いを定めた次の瞬間、軽快なステップで不規則な岩

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        私について

          カレーの灯火

          そのアパートでは、毎晩必ずカレーの匂いがしていた。   私が小さい頃に住んでいたアパートは、白タイル張りの長方形に、各階4世帯ずつ家庭が押し込まれている、いたって普通のアパートだった。 近くに小学校がある立地だからか、同じくらいの年の子がたくさん住んでいて、当時そこに入居していたのは子育て世代ばかりだった。   私の住んでいた部屋は一番奥にあった。だから必然的に家に帰るまでいくつもの部屋の前を通ることになる。 中学生の頃、部活を終え腹ペコ状態でアパートに押し込まれた生活

          カレーの灯火

          机上の街

          私の部屋の机は、割と汚い。 机の大きさに対して、モノが多すぎるのだ。 大体右端には積読がいくつも積み積みしてあって、階層ごとに角度が少しずつズレた、前衛的な建築物のようになっている。 その奥にはスマホの充電器やエアコンのリモコンが微弱な電波を発する化学施設のようにカクカクと配置され、その右隣には白いふわふわのカバーに包まれたティッシュが雪山のように鎮座する。 ティッシュ山の左側の花瓶には大抵お花が生けてあり、まるで自然信仰な造形のタワーのようだ。 そのまた隣にはペン

          机上の街

          靴の中

          平日の昼間の電車って、ちょっと不思議な空間だと思う。 私はよく電車を利用する生活を送っているのだけれど、普段乗るのはいわゆる「通勤ラッシュ」の時間帯だ。 通勤や通学など、乗客の個人情報を深く知らなくても電車を利用する目的が一目でわかるような時間に電車をよく使う。 だからお昼間の、目的を隠した乗客(もちろん本人たちにはその気がないだろうけれど)の割合が圧倒的に多い車内は、なんだか不思議な空間に感じる。 乗客たちが抱いているこのあとの旅路を考えるのも、私の好奇心をくすぐる思

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          シークレット天窓

          最近、よく使う駅の構内に、天窓がついていることを知った。 その駅は人通りが比較的多い、乗り換えの中継地点になるような駅だった。 毎日コンコースに次々人が現れては、川みたいにひっきりなしに改札口へと流れ込んでいる。そして滝みたいにホームに向かっていく。みんなそれぞれの目的地を保有したまま思い思いに漂流していく。駅はなんだか巨大な流れるプールみたいだ。 駅に向かうたくさんの人たちが、流れるプールで泳いでいる想像をする。サラリーマンも、主婦も、みんな浮き輪でプカプカ浮いている

          シークレット天窓

          個性的プリン

          この間、実家の冷蔵庫を開けたらプリンがあった。   瓶に入っているようなものではなく、スーパーやコンビニでよく見かける、プラスチックパック三個セットのプリンだった。   三個のうち二個が既に食べられた状態で冷やされている。一つだけ残されたプリンと、ビリビリに破けた薄い透明のビニールと、プリンの底の型がついた、長方形の台紙があった。   きっと私より先に家に帰った家族の誰かが食べたのだ。   冷たくなった一つのプリンが「はやく食べて欲しいですぅ」としくしく泣いている妄想をしてし

          個性的プリン

          ティッシュというブラックボックス

          箱ティッシュって、使いやすい。   ティッシュという難儀な物体を箱から引き出すたび、そんな風に思う。   ティッシュは人間が扱うには、薄すぎると思うのだ。 広げれば向こう側が透けてしまうほどの薄さ。昔はこれをスカートの生地にしたら光の加減が綺麗だろうなぁとか考えていたが、雨の日なんかは大惨事になること間違いなしの発想である。私は思いつくとなんでもやってみたくなる「やってみたがり病」に罹っているので、当時の自分が思いとどまってくれて本当によかった。   そんな薄くて扱いづらい

          ティッシュというブラックボックス

          鳥人間

          この間、大阪の街を歩いた。 私が歩いたのはいわゆるビル街で、スーツを着た大人や、黒光りのタクシーや、キリッとした髪型の大人たちがたくさん歩いていた。 子供は全然いなくて、まるで年齢制限のある街みたいだった。 都会での歩行は、なんだか落ち着かない。それは、都市には強い「流れ」が敷いてあるからだと思う。 たくさんの車や人間が常に決まった方向に流れていて、見えないけれど、道には川みたいに流れが生まれていると思うんだ。 昔、小学校のプールの授業で、「洗濯機」という遊びをした

          鳥人間