大村仁望

おおむらひとみ/脚本家/演出家/俳優/youtubeチャンネルにて毎週木曜日18:30よりショートドラマなど配信中。

大村仁望

おおむらひとみ/脚本家/演出家/俳優/youtubeチャンネルにて毎週木曜日18:30よりショートドラマなど配信中。

マガジン

  • 短編小説

    短編小説を綴ります。

  • あとがきシリーズ

    上演台本のあとがきをまとめてます。

  • HitoYasuMi 上演台本

    女三人芝居ユニットHitoYasuMiの上演台本をまとめております。上演時間2時間弱の作品です。よろしければお読みくださいませ。

  • zoomドラマ

  • 元カノカフェ

    元カノカフェの脚本です。

最近の記事

短編小説「魚になった女」

遠く、遠く、後ろの方で。海猫の小さく鳴く声がした。 足元には龍の髭が、砂の上へ弧を描いて揺れていた。 私は白い足でそっと地面を蹴って、海の中へ落ちて行った。  気づいた時から彼女は魚だった。体は鱗にびっしりと覆われ、小さなヒレと、柔らかに動く尾ヒレで波間を泳いでいた。エラで静かに呼吸をしながら、海の深く深い底までも泳いだ。色というものはわからなかった。深い青と、緑と、月明かりがわかる程度だった。明りを頼りに、自分よりも小さな魚を食べ、大きな魚が来たら身を隠し、ゆらゆらと

¥500
    • 【短編小説】夫が帰って来ない夜に。

      時刻は22時。 夫は帰って来ない。 今日のお昼に私は保険会社に電話をしたばかりだ。「死亡保険の名義人が奥様になってますが、被保険者である旦那様の名義に変えられた方がお得ですよ」と、保険の窓口の人に言われたのだ。 難しいことはわからないけど、名義人を変えないと夫に何かあった時、もらえる額が200万くらい少なくなると言うことだった。 それで直接保険会社に電話をかけた。だが「こういう時期ですし…業務時間短縮の為、担当の者からの折り返しが本日中だと確約できず…週明けでもよ

      • 「恋も知らないで」あとがき

        「漂流」を経て、次に何を書こうかとなったとき。 最も自分が得意なものはなんだろうと振り返りました。 挑戦はした!次は、得意を伸ばしてみよう!ということです。 そして「ラブコメ」というのが浮かびました。 暴走して、転んで、すれ違って・・・そんな男女の恋愛がやりたいと思い「恋も知らないで」は生まれました。 振り返ってみます! 昭夫の誕生 (phot byイワタナオ) 登場シーンからヤバイ男です。好きな人の職場に不法侵入したまま居眠り…というころから物語はスタートしま

        ¥150
        • 「恋も知らないで」上演台本

          HitoYasuMi Vol.9「恋も知らないで」   作/大村仁望 〈登場人物〉 南昭夫(25)……コンビニで働くフリーター。 笹塚恵(27)……便利屋オフィスチェルシーの副代表。 相原百合香(30)……便利屋オフィスチェルシーの従業員。恋多き女。 剛田久美子(29)……便利屋オフィスチェルシーの授業員。漫画好き。 神山篤二(31)……便利屋オフィスチェルシーに出入りするチンピラ風の男。 妹尾みはる(23)……便利屋オフィスチェルシーの従業員。キャラものが好き。 桃園吉大

          ¥1,000

        マガジン

        • 短編小説
          1本
        • あとがきシリーズ
          4本
        • HitoYasuMi 上演台本
          4本
        • zoomドラマ
          1本
        • 元カノカフェ
          2本

        記事

          「漂流」あとがき

          「漂流あとがき」 ほっこりな作風が定着したと。 そんなHitoYasuMiが全く違う作品に挑戦しようとしたのが、この「漂流」という作品でした。 ホームだった下北沢から離れ、八幡山ワーサルシアターという一歩大きな劇場に踏み込んだ作品です。 気合の入ったこのチラシは、実際の無人島で撮影するという気合の入れっぷり。 この時の私たちは、夢に溢れていました。(今もだけどネ) 挑戦したいことがたくさんあって、とにかくなんでもやってみような状態だったんです。 ですが…「漂流」

          ¥150

          「漂流」あとがき

          ¥150

          「漂流」上演台本

          HitoYasuMi vol.8「漂流」 作/大村仁望 〈登場人物〉 真由美(27)…誠一の妻。ソーシャルワーカーの仕事をしている。 誠一 (29)…真由美の夫。真由美と新婚旅行でグアムに来ていた。 龍司 (40)…島の住民。リーダー格。 燕玲 (33)…島の住民。通称「レイコ」。 波瑠 (30)…島の住民。通称「教祖」。 満  (25)…洞窟に住む聾唖の青年。 史郎 (35)…波瑠の夫。船の操縦ができる。    〈開場中〉 さざ波の音が聞こえている。 ○開演 段々と

          ¥1,000

          「漂流」上演台本

          ¥1,000

          「おいしい鍋と愛の話」あとがき

          記念すべき、HitoYasuMiの劇場公演デビューの作品です。 お正月明けてすぐ、たった三日間の公演でしたが、頼りになるスタッフ、豪華な日替わりゲストさんとともに上演しました。ゲストは劇団ネコ脱出より高倉良文さん、ブラボーカンパニーより佐藤正和さん、インパルス堤下敦さん。本当に豪華…。 あの時は必死でした。 思えば、ここからたくさんのことが広がりました! 初めての劇場公演で反省ももちろんたくさんありましたが、色んなことに挑戦した公演。 ここから次の劇場公演を決めたり、

          ¥150

          「おいしい鍋と愛の話」あとがき

          ¥150

          「おいしい鍋と愛の話」上演台本

          「おいしい鍋と愛の話」     作/大村仁望 〈登場人物〉 三好伊智子(みよし いちこ)30歳……三好家の長女。看護師の仕事をしている。   三好芙実(ふみ)27歳…三好家の次女。保健室の先生。 三好紗苗(さなえ)25歳…三好家の三女。末っ子。フリーター 岡崎雄吾(おかざき ゆうご)45歳…三姉妹の住むマンションの近くのコンビニで店長として働いている。  〈開場中〉 舞台は1DKの一室。奥に出入り口が一つあり、その向こうにキッチン、バストイレ、玄関がある。 伊智子、

          ¥1,000

          「おいしい鍋と愛の話」上演台本

          ¥1,000

          「甘くないラテと恋の話」あとがき

          「甘くないラテと恋の話」あとがき もう4年の前の作品なんですね。 それまでずっとカフェ公演を続けていたHitoYasuMiが、初めて劇場公演デビューを決めた時に前哨戦として書いた作品です。 HitoYasuMiがユニット活動を始めた頃は、正直細々と創作活動ができればと思ってたので、劇場公演なんて考えてなかったのが正直なところ。ところが…この作品の続編「おいしい鍋と愛の話」が大好評。それから年に一回のペースではありますが、劇場公演を打つユニットになりました。 そんな思い

          ¥150

          「甘くないラテと恋の話」あとがき

          ¥150

          「甘くないラテと恋の話」上演台本

          2016年上演 HitoYasuMi Vol5.「甘くないラテと恋の話」 作/大村仁望 ・登場人物 伊智子(いちこ)29歳…三好家の長女。看護師の仕事をしている   芙実(ふみ)27歳…三好家の次女。保健室の先生。 紗苗(さなえ)25歳…三好家の三女。末っ子。フリーター    長谷川(29)…伊智子の大学の同級生。初恋の人。   丸尾(27)…芙実の同棲相手。居酒屋でバイトしている。    ◯開演前     カフェ。     芙実、アイスラテを飲みながら携帯を触っ

          ¥1,000

          「甘くないラテと恋の話」上演台本

          ¥1,000
          再生

          【Zoomドラマ】『エキソドス2988』予告編!

          Zoomというonlineのツールを利用してそれぞれの自宅で撮影した近未来コメディのショートドラマ『エキソドス2988』。 有難い事にご好評を頂き、続編配信が決定致しました! 今回はその予告動画です。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 第1話はこちら https://youtu.be/ywODo643lPE 『エキソドス2988』 脚本・演出:栗原孝順 キャスト 山中:飯坂泰子 川田:大村仁望 斎藤:川村美喜 制作:HitoYasuMi

          【Zoomドラマ】『エキソドス2988』予告編!

          再生
          再生

          【Zoomドラマ】『エキソドス2988』Zoomで近未来ドラマをつくってみました。

          毎週配信しているショートドラマ「元カノカフェ」は全話3月上旬までに撮影が終了していますが、 今回は特別!「元カノカフェ」をひとやすみして、 Zoomというonlineのツールを利用してそれぞれの自宅で撮影。近未来コメディのショートドラマをつくってみました!! 是非ご覧ください! - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 『エキソドス2988』 脚本・演出:栗原孝順 キャスト 山中:飯坂泰子 川田:大村仁望 斎藤:川村美喜 制作:HitoYasuMi

          【Zoomドラマ】『エキソドス2988』Zoomで近未来ドラマをつくってみました。

          再生

          「元カノカフェ」〜第1話〜「いつものコーヒー」

                    ・登場人物 松原アイコ 代田サヤカ 北沢シノブ ◯街    松原、「元カノカフェ」求人のチラシを持ち佇んでいる。 松原 「…」 ◯「元カノカフェ」店内 松原 「こんにちはー…」    コーヒーを淹れていた代田が顔を上げる 代田 「いらっしゃ…来たんだ。久しぶり」 松原 「いえ初めてですけど」 代田 「そっか…忘れちゃったか」 松原 「え、どこかでお会いしてますか?」 代田 「あんなに愛し合ったのにネ」 松原 「…あの…

          「元カノカフェ」〜第1話〜「いつものコーヒー」

          「元カノカフェ」〜第2話〜「癒しのハーブティー」

          ・登場人物 松原アイコ              代田サヤカ             北沢シノブ             ◯オープニング N  「都内某所。元カノに扮した女性スタッフが、元カノとして接客をしてくれる、そんなカフェがあるらしい。ここは『元カノカフェ』。元カノへの淡い想いを疑似再会という形で体験できる、新しいエンタメカフェだ」    テーブルを拭いていた代田、顔をあげる。 代田「いらっしゃ…来たんだ。久しぶり」    ◯「元カノカフェ」店内 北

          「元カノカフェ」〜第2話〜「癒しのハーブティー」

          大村仁望と申します。

          初めましての方も、いつもお世話になってる方も、こんにちは。 大村仁望(おおむらひとみ)です。 この度noteなるものを開設。という事で改めての自己紹介をしたいと思います。 女優を目指して18歳で上京。 数々の事務所や劇団でお世話になりながら2014年に女三人芝居ユニットHitoYasuMiを結成。 女優業の他、作、演出などもさせて頂くようになりました。 最近は脚本を書く機会が増えてきましたので、たくさんの方に私の作品を知っていただきたいと思い、noteを作成するに至

          大村仁望と申します。