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バレンタインレッスンのためのアクティビティ【5・6年生向け】

小・中学校の英語の先生のための英語の先生 Teacher Melody です。
先生方、毎日お疲れ様です♡ 子どもたちの笑顔は先生方のおかげです!


いきなりですが、【英語クイズ】です!

Q1  When is Valentine's Day?

Q2  When is White Day?

Q3  When is Black Day?


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【ヒント】

 Q1は、世界共通で同じ日ですね。バレンタインは、いろいろな起源があるといわれています。私は、ローマ皇帝の迫害を受け殉教した「聖ヴァレンティヌス(バレンタイン)」に由来するという説が個人的に好きです。授業では、この説を紹介しています。

 Q2は、日本独自のイベントですね。生徒に「海外にはホワイトデーはないんだよ。」と言うと、とてもびっくりします。ただ、韓国や中国に内容を変えて広まってきているようです。

 Q3は、韓国で行われているイベントです。バレンタインデーでもホワイトデーでも、何ももらえなかった人、すなわち恋人がいない人が、黒い服を着て、チャジャンミョン( jajangmyeon ) など、黒い食べ物を食べる日です。

jajangmyeon


 ちなみに、小学校3・4年生向けのバランタインレッスンはこちらからご覧くださいませ。


では【 答え 】です。

A1 - It's February 14.
A2 - It's March 14.
A3 - It's April 14.
ちなみにイタリアでは、バレンタインの翌日2月15日が韓国のブラックデーにあたる、シングルデーだそうですよ。

3問とも正解した人? 挙手してください。

おめでとうございます!



 さて、高学年の外国語授業では、発達段階に応じて、中学年とは違う視点でバレンタインレッスンを展開しています。コロナ禍では、教科書を終わらせるので精一杯かもしれませんが、バレンタインのように海外の文化を学べる機会はなかなかありません。ALTにもしっかり活躍してもらって、児童にとって、記憶に残る授業にしたいものです。以下、何かのヒントになればと思い、私の実践をシェアさせていただきます。


1 (先生)児童の興味を引く導入をして、(児童)バレンタインに関する知識を楽しく身につけよう!【リスニング】

 先生が、バレンタインでもらったプレゼントをたくさん持って、嬉しそうに教室に入ります。もちろん、演技です。女優、俳優になりきります。

   児童は、単語や文法など細かく考えずに、 聞こえてきたキーワードで内容を推測する力があります。先生は、"These are some presents that I recieved on Valentine's day. "  など、先生のうれしい気持ちが伝わるように児童に話しかけます。学級崩壊などが起きていないクラスであれば、児童の興味が、先生のバレンタインプレゼントに一気に集中します。この、”児童の興味が一気に集まった瞬間”が、本時のゴールを提示するベストタイミングです。他の教科でもよくありがちなのが、授業が始まってすぐに「今日は鎌倉時代について学習します。教科書〇ページを開けて下さい。」という導入です。児童が「学びたい」と思った時が、一番学びの効果を高めることができます。私は、写真や実物教材などを用いて児童のモチベーションを高めてから、本時の課題を提示するようにしています。

 授業展開にもどると、次に、上記の「バレンタインはいつでしょう?クイズ」シリーズをします。日本以外のバレンタインに関する情報を少し知り、「もっと知りたいな」と児童の興味がわいてきます。「いつ頃からバレンタインってあるのかな?」「外国では何を贈りあうのかな?」など、他に知りたいことはある?と、聞いてみます。すると児童はいろいろと考えだします。はっきりと疑問が浮かんでこなかったり、ここで質問をたくさん出したりしなくてもかまいません。「みんなと同じ年ぐらいの海外の子どもが、バレンタインについて説明してくれている動画があるから、みんなで観てみようか?今みんなが疑問に思っていることを説明してくれるかもしれないよ。」と言って動画を観ます。


↑ ↓ どちらか、クラスの実態に応じて、先生のお好みで選ばれるといいと思います。また7分程度に限定して視聴する部分を指定しておくと、児童の集中力が途切れません。



 視聴後は、内容に関して確認したり、ALTの先生に補足説明をしてもらったりします。またALTの先生の母国での祝い方や、ALTの先生自身のバレンタインにまつわるご経験を紹介してもらったりするとより楽しいと思います。



2 (先生)バレンタインにぴったりなポエムを紹介して、(児童)クラスメートにメッセージを書こう!【リーディング・ライティング】


 「プレゼントと一緒にこんなメッセージももらったんだよ。みんな読んでみたい?」と言って児童の反応を見ます。児童は「ラブレターかな?」「どんなことが書いてあるんだろう?」と、興味を持ってくれると思います。でも先生は少しもったいぶって、「どうしようかな~?ちょっと恥ずかしいし。やっぱりみんなには秘密です!」と言って一旦手紙を片付けます。そうすると、「えー!見せて見せて!読みたい!」の声が児童からあがります。そこで、「しょうがないなぁ。ちょっとだけみんなにだけ特別だよ。他のクラスの先生や友だちには内緒にできる?」と聞いてみて、「できるできる!」と児童が答えたら、「実は英語で書かれているんだけどね。」と言って、手紙を読みます。ALTの先生に読んでもらって正しい発音を児童の耳に入れることも重要です。音だけでは内容が伝わりにくい場合は、イラストやジェスチャーを使います。児童の理解度に応じて、文字も同時に提示しても大丈夫だと思います。(*子どもは、「秘密・特別・内緒」というワードが好きです。でもすぐに秘密を漏らしてくれますけどね(^_-)-☆)


I Love You More Than Applesauce
By Jack Prelutsky

I love you more than applesause,
Than peaches and a plum,
Than chocolate hearts,
And cherry tarts,
And berry bubble-gum.

I love you more than lemonade,
And seven-layer cake,
Than lollipops,
And candy drops,
And thick vanilla shake.

I love you more than marzipan,
Than marmalade on toast;
For I love pies
Of any size,
But I love you the most.

By Jack Prelutsky


Roses are Red,
Violets are Blue,
Sugar is Sweet,
And so are You.

Roses are Red,
Violets are Blue,
You are Sweet,
I Love You.

上記の詩を参照に筆者作

 児童の中から「先生、めっちゃ愛されてるじゃん‼」などの発言が出てくれば、内容を理解できている証拠です。「海外では、家族や友だちどうしにもプレゼントとカードを贈りあう習慣があります。もうすぐクラス替え、(6年生は卒業式)があるから、この機会にみんなもクラスの友だちに、感謝の気持ちも込めて、メッセージを書いてみようか?」などと投げかけます。英語を書く「目的・場面・状況」を明確に提示してライティング活動を始めます。新出単語や新出文法の例文などを、ひたすら書き写すことがライティング活動ではありません。

メッセージカード

 上記2つのポエムを応用して、クラスメートにメッセージを書きます。
1つ目の詩では、"I love you more than" をなぞれるようにしたワークシートを配ります。そして、そのあとを続けて書くようにさせます。2つ目の詩では、”You are ~ のあとに、相手にぴったりな形容詞を入れます。ポジティブな形容詞のリストを配布しておくといいでしょう。もちろん、それまでにいくつかの形容詞は学習しています。それらを使う機会を設定することにもなります。早く書き終わったら、何人にでも書いてもいいし、イラストを描き加えてもかまわないと付け加えておきます。


3 書いたメッセージをクラスメートに渡して、スモールトークをする 【スピーキング】

 2で書いたメッセージをクラス内で渡しあいます。その時に、書いている内容を気持ちを込めて相手に伝えます。そのあと、短くてもいいので、Thank you.  You're welcome. などの会話をします。

Thank you. - You're welcome.


★ 実践してみての感想 ★

 私は忘れはしません、トラブルメーカーA児の嬉しそうな顔を。教師の前ではいい顔をしますが、陰で悪口を言ったりして、クラス内の人間関係をぐちゃぐちゃにかき乱す児童がいました。様々なアプローチをしてA児の良さをうまく引き伸ばそうとしましたが、残念ながら悪のリーダーとしての地位は崩れることなく学年末を迎えようとしていました。その児童が、このバレンタインレッスンで、クラスメートからメッセージをもらったとき、本当に幸せそうな顔をしました。そしてメッセージをくれた児童と抱き合って、お互い "Thank you." と伝え合っていました。このレッスンをして本当に良かったなと思えた瞬間でした。

 たいして行きたいと思っていなくても " I want to go to Italy." をリピート練習させられるという、外国語授業の現実があります。もちろん、単元の最後には気持ちを込めて表現活動をするようになりますが。この日のバレンタインレッスンでの "Thank you." は、世界で一番心のこもったお礼の一言だったと確信しています。


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1人でも多くの先生方子どもたちに、英語の楽しさ、人生の素晴らしさが届きますように!最後までお読みいただきありがとうございました!

Thank you so much for reading! I hope to see you again soon! Bye for now!


【英語の先生のためのひとことEnglish】

Loving is not just looking at each other,
it’s looking in the same direction
                    -サン・テグジュペリ



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