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妊娠中に潰瘍性大腸炎が再燃

 「この世にこんなにきついことがあるんだな」
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、これまでの人生でトップ3に入る辛い時期でした。

 つわりのピークが過ぎ、3日に1日くらいは嘔吐もなく過ごせるようになってきた頃、急にお腹がゴロゴロし始めました。
(つわりについては前回の記事をご覧ください)

 しだいに粘液便が出始め、嫌な予感が…。残念ながら予感は的中。数日後には腹痛、血便、水様便が始まり、潰瘍性大腸炎が再燃してしまいました。この時にすぐ病院に行けたらよかったのですが、まだつわりで乗り物酔いをしやすかったことや、トイレから離れられなかったこともあり、家でひたすら耐えていました。

 吐き気と便意が同時に起こった時は、トイレに駆け込んで「どっちから済ませたら良いの?」とパニック。「トイレに袋を置いておいたら、便座に座りながら吐ける!」と思いついた時は、世紀の大発見をしたかのような気持ちになりました。

 症状が少し落ち着いた頃、病院に行きました。電車のなかで大惨事を起こさないか心配でしたが、途中トイレにも寄りながら、無事に到着しました。そこでまずお医者さんに言われたのが「我慢せずにすぐに受診してください。家から出られなかったら、電話でもよいので」ということでした。家から出られない=診察は無理と諦めていましたが、次回からはまず電話してみようと思いました。また、「妊娠中や産後に再燃する人は多いですよ」とも言われました。

 胎児に何か影響があったら嫌なので、なるべく薬は使いたくないと伝えました。しかし「母体の安定が第一です。子どものためにも、まずは自分の体調を整えていきましょう」と言われました。そうは言っても、もし薬の副作用が胎児にいってしまったら…という気持ちもありましたが、もう自分一人の体ではないと思い直し、投薬治療を始めました。 
 
 初めて使用したレクタブルという薬が幸い体質に合い、数日で症状が軽減し始めました。副作用もほとんど感じず、泡を肛門から挿入するタイプだったので、すぐに排出してしまうこともありませんでした。それでも心配は尽きませんでしたが「潰瘍性大腸炎の患者さんも妊娠出産されている方はたくさんいますよ」というお医者さんの言葉や、待合室で出会った1歳児のお母さんの「私も妊娠中に再燃しましたが、無事に生まれました。大丈夫ですよ。」という言葉に勇気づけられました。また、病院でもらったこのパンフレットも参考にさせてもらいました。

 その後は悪化することなく出産でき、産後5ヶ月が経ちました。妊娠中は食事がとれなかったり激しい下痢が続いていたので、流産や早産、生育不良などが起こらないかとても心配で、再燃してしまったことを責めたりもしました。しかし今回もいろんな人に助けてもらい、今は母子ともに元気で過ごせています。本当にありがとうございます。

 寒暖差が大きい季節になりましたので、みなさんも体調には十分気をつけてお過ごしください。


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