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「役者を辞めて、将来について」


やっほー。

龍村仁美です。
久しぶりに、エッセイ書いてるなう。

10月に入って、大学が始まりました。
「なんでもないただの大学生」ワタシ。

私は新聞学科、という主にマスメディアとかジャーナリズムを学ぶ学科に所属してるので、毎日メディアについてのお勉強をしています。

どうでもいいけど、うちの学科の必修科目は名前のネタ切れ感が凄いです。


 9/30をもって、お芝居を一旦辞めました。ていっても、またしたくなった時に心の余裕があれば、多分またやると思うんですが。

「なんでやめるの?」って聞かれても、やめる時にXに出した文章の通りなんですが、ちゃんと言いますね。

シンプルにキャパオーバーなのと、そこまで自分がお芝居をするっていうことに重要性を見出せなくなったからです。

私は、お芝居に関して特に秀でた才能があるわけじゃありません。

小学生の頃から舞台に立つ機会があっただけで、それが好きで、得意なことだと思っていたけど、誰かが見た時に特出して何かが残るような芝居をできる役者ではなかったです。

10年くらいお芝居みたいなことやってて、そういう「才能」がある役者を何人も見ていたので、お芝居すること、がすこし苦痛になった時にここに残る意味がないなと感じてしまいました。

あともう一つはシンプルに、演劇界の環境です。
いまの小劇場の演劇は、「生きることができる」環境、ではないです。
平気でハラスメントがあるし、ギャラのこととか、集客とか、みんな自分の生活とか尊厳とかを犠牲にして、それでもお芝居が好きだから続けてる。
そんな感じです。
続けることは素晴らしいことです。誰にもできることじゃない。
だけど、ごく身近な中で、知り合いが役者として尊厳を守られていない状況を耳にする度、私の心は死んでいきました。
本当は、そういうの、変えられたらいいんだけど。

私はそこまで強くはないし、力もないので、ただ怒りが湧いてくるだけで。

個人的なストレスの原因も溜まってしまったタイミングで、こんなんなら離れよう、そして自分が正しいと思う創作をしよう、と思いました。

(性加害、セクハラ・パワハラ、人権無視、チケットノルマ、ギャラ未払い、とかマジきもいです)


ただ、私もお芝居は好きだし、演劇に救われたことも、出会えて良かったこともたくさんあるので、いつか自分が影響力をもって発信できるようになった時に、そういう状況を本当に変えたい人と、一緒に創作をしたいです。

救いなのは、私は上に書いたようなことの当事者になることはほとんどなかったことです。(18歳の時5000円のチケット、ノルマ35枚とか、軽いハラスメントをみたことありました、マジ最悪なので二度と出ないし二度と見ないですがその劇団たち)

私がお芝居をできた環境はほとんどが楽しかったし、実りがありました。
特に共演者の役者はほとんどが尊敬できる人ばかりで、私はその人たちがちゃんと正当な価値をもってお芝居できる環境であって欲しいと思ってます。

私はハラスメントとか性加害とかの勉強を大学でもしたので、その人たちがそういうことの当事者になった時、守れる人になりたいです。


あとは、ずっと夢だった映画監督になりたいってことです。

知ってる人もいるかもしれないですが、私は父が映画監督だったので、映画に触れることのできる環境で育ちました。

それが、私の唯一のアイデンティティといってもいいくらいです。

私から映画をとったら、生きる希望がなくなり、惰性的にただ存在する生物になってしまう気がします。

私が幼い頃から、唯一才能があると自負できるのは、言葉を紡ぐ力です。

自分の言葉を紡いで、それを映像化することで、いま一人で泣いている誰かを救うことができるなら。私が存在していい理由になる気がします。

自分の言葉が届くということを、私は信じたいです。

それが私の喜びであり、生きる希望、なのですね。


あと、少し前に大学の授業で、私が尊敬する是枝裕和監督とお話しする機会がありました。

ゼミの先生が私の作品を是枝監督に送っていたようで、監督から、私の作品を見た、と言われ、感想をいただく機会がありました。
それは個人的なことなので、私の中だけの指針としてお守りのように取っておくのですが、、

是枝監督は、私のようなただの学生にも目をまっすぐ見て、話を聞いてくださる方です。

そこに、映画界の希望、を感じました。

この人がいる世界なら、少しづつでも、変わっていくかもしれない、と思ったのです。

だからこそ、自分は映画を作るという行為にフォーカスをしようと。
目標を持って努力できるな、と感じたのです。



本当に、この世界には、絶望することが、多すぎます。

嘘をつく人、人を傷つけるひと、イジメ、貧困、戦争。

どうしたって、この世界は優しい人を傷つけることばかり。

私だって、完璧でも聖人でもないので、きっと誰かを傷つけています。

ていうか、今この世界で生きているだけで、誰かの涙に加担している。

そんな中でも、生きていていいですか。

私は、表現をやめなくていいですか。

誰かと、あなたと、私を、救うために、生きるので。

生まれてきたことを許してくれますか。


そんな、気持ちです。

あと一年は、映画を少しだけ作りながら。大学生として学ぶことを頑張って。

落ち着いた頃に、大学院か海外か、映画に携われる場所で働くか。

いまはいろんなことの準備期間です。

そうやって、生きていきます。


絶対負けないし、自分のことも、他人のことも、蔑ろにしないで。

クッソ生きてやるって気持ちで。

ここから!

生まれ変わりながら、頑張ります。


期待しててください。

ありがとう。

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