第17席 冷たさの話
人に優しくすることは、それだけなら案外簡単です。
自分が思う優しさを、そのまま相手に与えるだけで良いのですから。
しかし、その優しさが本当に相手の為になるのか、ちゃんと考えてから優しくするには、冷静さという意味での「冷たさ」が必要です。
深層心理学の考え方によれば、優しさと冷たさというのは実は表裏一体のものなんです。
誰からも「優しい」と思われている人は、実は心の奥に「冷たさ」を抱え込んでいるものです。
逆に、「冷たい」と思われている人の冷たさは、他者への配慮などの「優しさ」に裏打ちされていることがほとんどです。
本当に優しい人になるためには、心の奥にある冷たさを上手に抱えることが大切です。
だから冷たさを隠したり、恥じたりする必要はなく、その冷たさこそが優しさへの第一歩だと受け入れて、きちんと向き合えば、もっと優しい人になれるのではないでしょうか?