第2席 ピーマンの話
ピーマンって、苦いですよね?
なんであんなに苦いんだと思いますか?
元々そういう味だから?
実はそうじゃないんです。
ピーマンが苦い理由、それは「まだ熟していないから」です。
あの緑のピーマンも、もう少し収穫せずに待ってあげると、だんだん色も黄色く、そして赤くなっていきます。
すると、味も甘みが増して美味しくなり、更に栄養価も高くなっていくのです。
じゃあ、どうして緑の苦いまま食べるのかって?
それは、流通させるのにコストがかかりすぎるから。
単なるお金の問題なんです。
ピーマンのみならず、物事にはちょうど良い時期、旬、というものがあります。
普段食べているピーマンは、まだ旬の来ていない、熟していないものだから、味も苦く、栄養価も低いままです。
本来の旬を待って、ちょうど良い時期に食べれば、美味しく頂くことができるのです。
それと同じで、私たちの人生にも、物事が上手くいきやすい“旬”があります。
人から何か頼まれた時、誘いを受けた時、斬新な案を思い付いた時、そういった時には、善は急げ、先伸ばしにせずに、すぐに行動に移すのが、一番良い旬でしょう。
逆に、こどもや部下、人を育てる時には、焦ってはいけません。
失敗をした時にすぐに怒鳴りつけるのではなく、また、こいつはもうダメだと見切りをつけてしまうのではなく、ゆっくりと成長を待つ、ということも大切です。
分かってもらえるまで根気よく、何度も何度も心をかけてあげることが大切です。
その内に、旬が来て、青くて苦いピーマンも、熟して美味しいピーマンに変わります。
本当のピーマンの美味しさを知らないまま、食わず嫌いになっちゃうのは、もったいないですよね。
物事には旬があります。
時には急いだり、時には待ったり。
旬を見極めて、物事を上手く運べる人になりたいですね。