#20 歴代のお気に入り筆記用具より ①ドクターグリップ(シャープペン)
わたしは一度気に入ったシャープペンは長く使う。
高校生の時に買った薄い水色のドクターグリップは、
第一線の一軍選手ではないもののまだ現役。
なので、もう、30年以上もの付き合いになる。
たしかあの頃、結構流行ったのだと思う。
大学の受験勉強で指にペンダコができてしまっていたので、
あのグリップは指へのあたりが柔らかくて良かった。
それまで使っていた筆記具に重心を感じることはなかった。
なので、ドクターグリップを手に取った時はなかなかの衝撃だった。
これまで使っていたものと比べると明らかに低重心。
これがとても文字を書きやすかった。
重心の重さがペン先に伝わって
はっきりとした描線になる。
指先に必要以上に力を込めることがなくなった。
以降、シャープペンを選ぶときのポイントの一つに
「低重心」
が、入ることになる。
もう、細くて軽いシャープには戻れなくなってしまった。
芯を出す時の機構も違っていた。
ノック式でも出すことができるが、
加えて、軽く振るとそれでも芯が出てくる。
こんなシャープもあるのかとびっくりした。
シャープペンを振って、どんな仕組みで芯が出てくるのか。
実は今も知らない。
そして、これはたまたまかもしれないけれど、
わたしのドクターグリップはとっても調子がいい。
というか、不調になったことがない。
芯が詰まるとか、
なかなかでてこないとか、
すぐに折れるとか。
とにかく不調がほとんどなかったので
わたしに分解されることもなかった。
壊れてもいないので、買い替える必要性もなかった。
受験生だったので、予備のシャープも持っていたはずだけど、
どんなものを入れていたか
忘れてしまうくらい出番はなかった。
結局はほとんどドクターグリップを使っていたはずだ。
このドクターグリップ。
今も職場の引き出しに入っている。
ボリュームがある本体なので、
他の筆記具に紛れることなく見つけやすい。
たしか500円ぐらいで購入。
当時、高校生だったわたしにとっては
十分高級なお値段。
でも、今まで30年以上使っているのだから、
十分すぎるぐらいに元は取れたと思う。