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説得の効果を決める2つの要素とは?〜”精緻化見込みモデル”〜【Ep24】
こんにちは、ひとかどさんです。
今回、MAPの【③他人に気づく】に関連して紹介するアイディア、
それは”精緻化見込みモデル”です。
これは、「説得のされ方」を説明する理論で、
「他者を理解する手段」の一つとして知っておいて損はないかと思います。
それではいってみましょう。
”精緻化見込みモデル”とは?
1990年代後半、心理学者のリチャードとジョンは、
人の言語的説得について考え、
”精緻化見込みモデル(Elaboration & Likelihood Model)”
という理論を提唱しました。
この理論によれば、人は言語的に説得されるとき、
大きく分けて2つのルートのどちらかを通ると説明されます。
その2つのルートとは、
「中心ルート」「周辺ルート」というものです。
どちらのルートを通るかは、
2つの要素によって決定されます。
それが何かというと「動機」と「処理アプローチ」です。
「動機」とは、相手の話やメッセージを「聴く姿勢」です。
要は、そもそも相手の話を聞きたいと思っているかどうか、
またその時間を確保できているか、
あるいはその話に興味があるかということです。
「処理アプローチ」とは、
相手の話やメッセージをどのように処理するかです。
相手の話を表面的に理解するのか、
それとも、自分なりに相手の言ったことを吟味してみるかということです。
ルート1:周辺ルート
まずは「周辺ルート」です。
「動機」が低く、「処理アプローチ」が浅い場合、
このような説得のされ方になります。
これは、相手が何か他のことをしていて、
自分の話を聞く時間(余裕)がなかったり、
そもそもその話に興味がなかったりして、
「動機」が低い状態になっていて…
それに加えて、
相手が自分のメッセージを表面的にしか捉えていない、
「処理アプローチ」が浅いという状態です。
このようなルートで説得された場合、説得の効果は一時的です。
したがって、別の日に同じことを話しても、
意見が変わる可能性があるし、
誰か他の人に同じテーマで別の説得を受けると、
意見が変わりやすいと言えます。
ルート2:中心ルート
一方で、「中心ルート」は説得の結果が違います。
これは、周辺ルートの逆で、
「動機」が高く、「処理アプローチ」が深い場合です。
つまり、相手の話を聞く時間も関心もあって、
言い換えれば、積極的に聴く姿勢があるという点で「動機」が高く…
加えて、相手の発したメッセージを、
自分なりに様々な角度・視点から検討して考え、情報を処理していく、
「処理アプローチ」が深い状態です。
したがって、このルートを通った場合は、説得の効果は持続的です。
この場合、その後に反対の意見を聞いても、
自分なりのポジションがあり、
自分の意見は容易に変わることはないと考えられます。
我が家の場合
ひとかどさん家でも、よくこんなことが起きます。
マルチタスクが得意なOttoは、
たまにわたしの話を何かしながら聞いていたりします。
まさに「動機」が低い(=「聴く姿勢」が整っていない)状態ですね。
そんな時に何か話しても、その時は「え?うん、いいね!」みたいな感じですが、
後ほど別のことを話してもあっさり意見が変わったりします。
一方で、Ottoがゆったりしている時、
つまり「聴く姿勢」が整っている時に話すと、
Ottoなりにわたしの話を深く処理し(ネットで調べたりして)、
その結果一度形成されたOttoの意見は中々変わりにくかったりするのです。
※どちらのルートだから良い悪いではなく、相手の「説得のされ方」には2種類あるということが伝わったら嬉しいなあと思っています。
![](https://assets.st-note.com/img/1674596404768-H3yEMqFKqT.jpg?width=1200)
まとめ
説得のされ方は、「動機」と「処理アプローチ」という2つの要素から2パターンに分類される
1つは「周辺ルート」で、説得の持続性は低い(意見が変わりやすい)
もう一つは「中心ルート」で、説得の持続性が高い(意見が変わりにくい)
おわりに
今回紹介した理論はいかがでしたでしょうか?
我が家では普段の生活で日常的に起きていたりしますが、
思うに、職場でもこういうことが起きているのではないでしょうか?
(例えば、仕事で上司や同僚を説得する時など)
説得する時には、相手がどっちのルートを通っているか、
少し意識してみてはどうでしょう?