書く習慣 1ヶ月チャレンジ 14
Day14 これまで夢中になったモノやコト
これまでに夢中になったこと……近年“無”が続くわたしだけれど、それでも振り返るといくつかはある。
その中で、小学生の頃から20歳まで幕末に夢中になったことが真っ先に浮かんだ。今日はそのことを書いていきたいと思う。
幕末に夢中になりハマって以来、幕末に活躍した人の名前や、出来事をどこかに書きたくてうずうずしだした。
だから高学年になって社会の授業で幕末に触れられ、テストで幕末のことが問われることが楽しみだった。点数はどうでもいい。ただ幕末に起きたこと、活躍した人の名前を一目に着くところに書いて、こんなことがあったんだよ、こんな人がいたんだよと知らせたかった。
ところがいざ授業となると、幕末はあっけなかった。安政の大獄、桜田門外ノ変、あっと言う間に大政奉還、はい明治!!
1時間の授業でさらっと終わってしまう。テストもほんの数問。そのことに小中高と3回、毎回勝手にショックを受けた。ショックのあまり、3回とも明治からの歴史が頭に入ってこなかった。
幕末に興味を持ち、好きになったきっかけは、武田鉄矢原作、小山ゆう画の漫画「お〜い!竜馬」のアニメを偶然見たことが始まりだった。
ある日テレビをつけたら、「坂本竜馬君」と呼ばれた、もじゃもじゃ頭の男の子がキョトンとしていて、周りの人もキョトンとしていた。
いつも泣かされて帰ってくる、おねしょが治らない、お勉強も剣術もさっぱり。そんな竜馬くんが大きくなるに連れて大活躍。活躍するけれど性格は小さい頃から優しい。人たらしとでも言うのか、どこか放っておけない可愛い人。そんなふうに描かれていて、好きにならずにはいられなかった。
アニメでは少年時代の竜馬君は高山みなみさん、16歳から晩年までの竜馬君は関俊彦さんが声を担当されている。のちの忍たま乱太郎の乱太郎君と土井先生かぁ……。
少年時代の高山竜馬君を始め、登場人物は標準語で話していたけれど、16歳からの関竜馬君と土佐の人々は土佐弁を話す。
竜馬君の2番目のお姉さん、坂本栄役の島本須美さんが高知県出身ということで、土佐弁指導をされたらしい。
全員の土佐弁はもうはっきりとは覚えていないけれど、聞きやすい、良い塩梅の土佐弁に聞こえた記憶がある。小学生の時はもちろん、20歳の時にレンタルショップで見つけて借りてきた時にも、そう思った……ように記憶している。
特に関俊彦さんの土佐弁が好きだった。土佐弁圏じゃない人にも字幕がなくても伝わるし、土佐弁圏の人が聞いてもそんなに違和感を持たないんじゃないかなぁと思う。絶妙で程よい土佐弁に感じた。
機会があればもう一度見たいなぁと思うけれど、なかなか難しいだろうな。だって20歳の時以降、レンタルショップで見かけない。おまけにレンタルしてからそんなに立っていない時に、レンタル落ちを販売しているのを見た記憶もある。
史実の坂本龍馬を全く知らない状態で、「お〜い!竜馬」の竜馬君を好きになり、勝手に竜馬君と自分を重ね、わたしもいつかこんなふうになりたいと思った。
そして幕末にハマり、漫画を読み、子ども向けの本を読み、大人向けの歴史の本も図書館で借りてきて読むようになった。
最終的には史実の龍馬さん、特に竜馬さんの和歌に惹かれるようになった(龍馬さんの和歌はなんか良い。そしてお手紙もおもしろいので、ご興味あれば検索を)
世の人は 我を何とも 言わばいへ 我がなすことは 我のみぞ知る
またあふと 思う心を しるべにて 道なき世にも いづる旅かな
世の人…に学生時代は励まされ、またあふと……に大人になってから時々ものすごく沁みるようになった。
そして思った、「お〜い!竜馬」以外でも子どもの頃は、あまりパッとした子じゃなかったように描かれがちだけど、あれ?龍馬さんってたぶんそこそこ賢いんじゃない?と。
龍馬さんは賢い……竜馬君と龍馬さんは違う。そりゃそうだよねと納得する反面、寂しくなってしまった。昨日までわたしと一緒に歩いていた竜馬君と龍馬さんが走って遠くへ行ってしまった気がした。
それでも龍馬さんから興味を持った幕末だったので、長いこと龍馬さん側から歴史を見ていたと思う。
ということは、どちらかと言えば倒幕派になるのかな?勤皇の志士側というのかな?うまく説明はできないけれど、幕府はもういらないかなと思っていた。
だから反対側の佐幕派は理解できなかった。それ以前に物騒で血生臭いから、幕末史の中で、新選組が特に嫌いだった。ずっと悪の団体、怖い奴ら、嫌い。そう思い続けてきた。
ところか高校生の時、ある日突然新選組に興味を持った。そしてうっかり、本当にうっかり、竜馬君をきっかけに龍馬さんにハマっていった時くらいの熱量で、新選組を好きになってしまった。
きっかけのひとつ目は、近藤勇のあまり修正されていない画素数低めというのか、目元がぼんやりとした写真を見たこと。どことなく親族に似ている気がして親近感を覚えた。あれー近藤さんってわたしの親戚にいる??みたいな。
それから新選組のことを調べるようになって早々、歴史番組で土方歳三特集を見つけた。それを見てますます新選組への興味が湧いた。
土方歳三は鬼の副長と言われていたけれど、五稜郭ではお母さんのように慕われていたという話を知って、鬼にも優しい面があるんだと驚いた。
あぁ新選組もいいなぁと思い、小説、歴史の本あれやこれやと読むようになって、土方さんの俳句にハマってしまった。
梅の花 一輪咲いても 梅は梅
鶯や はたきの音も ついやめん
俳句って小難しいものだと思っていたけれど、こんなに素直で良いんだと目から鱗だった。この二句が特に好き、どちらも情景や匂い、風の寒さや温かさが想像できる。この人は、鬼の根っこは、ものすごく素直で優しい気がした。
それからはどっちつかず。どう見るかでどちらも悪にも善にもなるし、どんな人にも優しい部分とドロドロした部分がある……あぁそうか歴史上の人物も、今を生きる人間も同じだなんて思うようになって、誰も批判出来なくなり、誰か特定の人の肩も持てなくなった。
みんなそれぞれ信じる道があって、守りたいものがあって、描いている未来があったんだ。そう思ったら、あの時代の人、みーんな憎めない、どの人も、どんな人も好きかもしれない。そう思うようになってしまった。
もしあの時代の京都に住んでいたら、
「うちはどっちの味方もできひんけど、片方を憎んだり、悪い奴や言うこともできひん。自分の信じた道を邁進してはるんやろうし…」
なんて呟いて、“超中立”でいそうな気がする。
しかしなぁ、あんなにハマって、ワクワクしていたのになぁ。今は無な自分が残念だ。それでも思い出してここまで書くのは、ほんのり楽しゅうございました。