ノートそしてアンチドート 二杯目
なぜ助けたの?あなたは誰なの?私に救いなんかいらないのに。
暗く冷たく酷く怒っているような声が室内を埋めつくす。
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中学一年生の春から夏にかけて
僕は少女のことが忘れられなかった。
名前も知らないし、どんな事情があったのかなんて僕には到底分からない。
自分勝手だと思うけど、また一目見たかった。でもあの気持ち悪い自分のエゴが、こびりついて取れないあの冷たい目線が今も僕を刺してくるような気がして。
梅雨の時期
偶然あの少女に会ったなんて展開をどこかで期待しているがあれからあの子に会うことはなくて、なかなかに辛い毎日だ。
親は父しかおらずその父も仕事で休日にも居ない。
ただ僕は孤独を感じることは無かった。
小さい頃から何かあると海に来ていた。
叫んだり泣いたりしても水の中だと誰も気にしない誰の目にも留まらないような気がして。
そんな海が大好きだった地球の7割が海だというので全てを見てみたいとすら思っていた。
雨でも、曇りでも、雪が降ってても、風が強い日でも、風邪をひいても毎日毎日ここに来てはただ水平線を見ていた
そんなことを長く続けていると、1人のおじさんと知り合うようになった。
ある日向こうから話しかけてきた
「兄ちゃん、もしかして死ぬのかい」
久々に人と話した僕は説明する
「すみません。ただ水平線を眺めてただけなんですけど」
おじさんは照れたように
「あ、そうだったのか」
「まあでも死んだら全て終わりだからな」
小声で何を言っているんだと思いながらそうですねと軽く流す。
「兄ちゃん。おじさんな不思議な子にあってな」
疑問に思って
「不思議な子ですか?」
と思わず尋ねる
「ああ、あれは18の時の夏に___」
______________________どーもです。さっきぶりです。
ところで皆さんは神様や妖や幽霊の類は信じますか?
僕は信じていません神様は僕を助けてくれないし、妖や妖怪は見たことがないし聞いたことがないから、みんな自分の耳や目なんかを頼って生きてるんです。