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【出演後記】ミュージカル『天使なオトシモノ』①〜ネタバレなし〜

こんにちは、なみなみさんです。

今回は、先日7/15〜18まで出演していたミュージカル『天使なオトシモノ』について、たくさんの想いがあるので、つらつらと書いていこうと思います。

そのため、普段こちらのnoteで使っている "なみなみさん" 名義ではなく、"井上奈菜" として書かせて頂きます。


まず、私のこのミュージカルに感じた想いを書いてみました。
少し、抽象的なお話になりますが、私の目にはこう見えてたよ、というお話です。


私は、役者って、その作品、物語を構成するための一つのピースだと思っていました。

もしアニメーションだったら、まず物語があって、アニメーターさん達の描き上げた絵があって、声優さんのお芝居で声が吹き込まれて、音楽や効果音でさらに立体的に彩られ、ほかにも色々な要素がぜんぶ合わさって初めて完成するもの。

それをなんとなく、ひとつひとつ、一人一人がパズルのピースとなって、大きな絵画のような作品を作り上げているようなイメージを持っていました。

でも、今回、『天使なオトシモノ』というミュージカルに出演して、「あ、私、パズルのピースじゃないな。なんか違うな」と気づかされました。

天界の天使たちの歌唱シーン(リハにて撮影)


私は、役者は "プリズム" なんじゃないかなと、思います。

"プリズム" って、三角柱の形をしていて、透明で、光を通すと虹色の綺麗な光が出てくる、あれです。

あれ、実は三角柱だけじゃなくて、ほかの形の多面体でもプリズムって言うらしいです。
わりと、どんな形だって、いいんです。

よく磨かれた平面をもつ、透明な多面体。

透明で、それぞれいろんな形をもっていて、磨けば磨くほどに輝く。

『天使なオトシモノ』に出演する役者、ダンサー、歌手など、様々な表現者であるみんなを見ていて、私はその言葉がとてもしっくり来ました。


パズルのピースって考えも、悪くはない。
欠けたら完成しない、かけがえのないものに変わりはない。
けれど、ピース一個だけでは価値がない。
私はなんとなく、そう思っていたのかもしれません。
役者は作品を構成する一つの欠片にすぎないと。
必要以上に謙虚になりすぎて、決められた、求められる枠の中だけに収まろうとしていたんです。


でも、違った。


私も、みんなも、1人でだって輝ける、価値あるプリズムです。
1人でも、とても綺麗なんです。

それがほかの光と合わさって、時に反射しあって、複雑に重なっていき、キラキラ、キラキラとものすごい発光体になっていく。

様々な形の、色々な光をもったみんなが、一つの物を作り上げようと同じ気持ちで繋がって、大きな大きな、新たな多面体となったのが、今回のミュージカル『天使なオトシモノ』だなと、私は思っています。

パズル程度じゃおさまらないんです。

立体的な、キラキラ輝く透明な多面体。
とても大きくて、様々な色の光を放つ、美しい立体形。

そんな形になったように、私には見えました。

(エヴァンゲリオンに出て来るラミエルって使徒がイメージに近いです!わかるかなぁ…?)

本当に、奇跡みたいに素敵な座組でした。


最初から個性の強い光をもった人もいれば、1人ではまだどんな風に光っていいのか分かっていなかった人もいました。私も後者だったと思います。
途中まで、バラバラの個性や思いが、どんな形になるのか全く見えず、少しの不安もありました。

でもお互いに影響を与えあって、自分なりの輝き方を見つけて、相手の照らし方を試行錯誤して、最後までやり抜いた今、こんなに素敵な形になるなんて。。。

なんて綺麗なんだろうと、いつまでも眺めていたくなる宝石のような、とても大切な宝物みたいな作品になりました。

こんな宝物みたいな作品が出来上がったのも、まず、素晴らしい脚本を書かれた園田英樹さんの力が大きな土台となっているなと、その凄さに、恐れ慄くばかりです。

『天使なオトシモノ』には「演者達みんなが愛さずにはいられない "物語" 」と、「伝えたいと強く思える "言葉" 」がありました。
だから、一つになれたのだと思います。


そして、この形になることを思い描いて選んだであろうキャスティング力にも感服するばかりです。

今後、なにか作品に出演する度に、こんなに素敵な完成形になれるのか、上手くいくことばかりではないと思います。
けれど、こんな素敵な形を目指していきたいなと、思いました。

ミュージカル本番前、成功祈願に鳩森八幡神社というところに行って頂いてきた絵馬に、園田さんから一言、なにか書いてくださいとお願いをしました。


「天使にはなれないなんていわないで
想いはいつもとどきますよう」

私は人が好きだけど、自分のことはあまり好きじゃありませんでした。
他人の良いところはわりと重たいくらいに愛せるのに、自分の良いところなんか無いと思ってました。

でも、園田さんのこの想いを受け取って、このミュージカルに出演して、みんなと出会って、私は、私を価値のない人間だと思わず、かけがえのない1人だと思うようになれたかなと思います。

まだまだ私も、見習い天使ですが。少しずつ。

(ちなみにこちらの絵馬は持ち帰って大切に飾らせて頂いております。家宝です🕊)

I チームのみんなと総監督の園田英樹さん。最高の仲間たちです!
(制作スタッフさんも含めた皆でも撮ればよかったなぁ(;_;))


私の目線のため "役者" と書きましたが、もちろん今回のミュージカルに関わって下さったすべての皆様、企画・制作、音楽、歌詞、音響、ダンス振付、歌唱指導、衣装、映像、舞台制作、各事務所のマネージャーさん、応援して、観に来て下さった皆様、全員がかけがえのない光をもった透明なプリズムだと思っています。

皆さんと『天使なオトシモノ』という素晴らしい物語を作り上げる一員になれたこと、この先の人生の誇りに思います。
ありがとうございました✨


めちゃくちゃ長々と語ってしまいました。
ので、共演者のみんなへの想いは次の記事に書きます。
しばしお待ちを。



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沢山の方に観て頂きたいミュージカルです。
日頃のモヤモヤを笑顔に変えてくれるハッピーさも、悲しみに寄り添う優しさもあります。

宜しければ是非!

井上奈菜🌈

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