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気になるアイツは、アメフラシ!

 春に磯に行くと、必ずといってもいいほど出会えるのがアメフラシのなかまです。地球レーベルの磯の生き物観察会でもいつも大人気!

 大きくてぶよぶよとした体、ウサギのような触角など、見たこともない不思議な姿に「なんだこれは!?」とみんなおどろくようです。
今回はそんなアメフラシのひみつを見てみましょう!

アメフラシ
ウサギの耳のような触覚
触覚の下には小さな点のような眼がある

ひみつ①アメフラシは貝のなかま

 アメフラシはまるで海のナメクジ!しかし、実は体の中に小さくてうすい貝殻を持っています。子供の頃は立派な貝殻ですが、貝殻の成長よりも体の成長のほうがうんと早く、しまいには体の中に埋もれてしまいます。

アメフラシのからだ

 貝のなかまのことを軟体動物といいます。そのまま軟らかい体をもつ動物。アメフラシはまさしく軟体動物です!海で出会うことができたら、ぜひさわってそのやわらかさを感じてみてくださいね。

軟体動物のなかまには、貝殻を持たないものもいます

ひみつ②雨をふらせるからアメフラシ

 アメフラシは貝殻の中にかくれることができません。そのかわり、敵から身を守るための特別な必殺技を持っています。それが紫色の汁を出すこと!敵からおそわれると、相手の嫌がるにおいのする汁を出します。この汁が海の中でモクモクと広がり、雨雲のように見えることから雨ふらしと呼ばれるようになったと言われています(他にもいろいろな説があります)。煙幕としての役割も果たしているようです。

中央にいるアメフラシが出した汁で、海水が紫色に染まっています。

 観察会ではうっかりアメフラシを踏みつけてしまったり、うっかり高いところから落としてしまったりして、紫汁を出されてしまう事件がよくおこります。みんな気をつけてね。

水槽にぼちゃっとアメフラシを落としてしまい、紫汁事件発生!

ひみつ③アメフラシの卵は海そうめん

 アメフラシは3月ごろから磯に姿を現しはじめ、特に5月・6月にはたくさん観察することができます。しかし、6月を過ぎるとぱったりといなくなってしまいます。なぜなら卵を産んで死んでしまうから。春にお相手を見つけて卵を産むために磯に集まってくるのです。

 そのため同じ時期にはアメフラシの卵も見つけることができます。その形はまさにソウメン!誰かがここで食べたものを落としてしまったのかな?と思うほどそっくりで、そのままウミゾウメンと呼ばれています。ウミゾウメンは卵塊といって、カエルの卵のように細長い袋のなかに小さな卵がたくさんつまっています。見つけたらぜひじっくり観察してみてくださいね。

本当に麺のようなアメフラシの卵。黄色~オレンジ色のものが多いが、ときにはピンク色のものも!!!


おわりに

実際にアメフラシを見てみたくなりましたか?海でアメフラシを見つけたら、ぜひ教えてくださいね。

この記事は地球レーベルが発行する自然情報誌「地球らいぶ」6月号に掲載された記事を加筆・修正したものです。

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