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クモヒトデは「蛇尾」と書く。今年の干支「ヘビ」を5匹もたずさえたラッキー動物☆

明けましておめでとうございます!
ご挨拶が遅くなりましたが、今年も皆様どうぞよろしくお願いいたします。

今年のお正月はSNSからも少し離れ、とてものんびりと過ごさせてもらいました。のんびりしすぎて、師匠からの年賀状で

「今年は蛇尾の年ですね」

と言われるまで

蛇尾= クモヒトデ

ということをすっかり忘れていました。私としたことが!

そう!今年はクモヒトデ年なのです!

クモヒトデの年賀状。腕が1本ヘビになってます♡


クモヒトデはもちろん蜘蛛海星と書いても良いのですが、当て字で 蛇尾 とも書きます。
(よく考えたら海星ひとでも当て字ですね!)

理由は絵を見てもらえれば分かる通り、5本の長く伸びた腕が ヘビの尻尾 のように見えるからです。

ちなみにクモヒトデはヒトデの仲間ではありません
棘皮動物門というグループの中にウミユリ綱、ナマコ綱、ウニ綱、ヒトデ綱、そしてクモヒトデ綱というグループが含まれます。

ヒトデとクモヒトデはそれぞれ異なる特徴を持った別のグループに分類される生き物なのです。

そして、クモヒトデ綱の学名であるOphiuroideaも“蛇の尾”を意味します。

棘皮動物門のなかまたち

ヒトデとクモヒトデの大きな違いはまさに蛇の尾のような細長い腕

ヒトデは中心と腕がもう融合していて星形になるのに対して、クモヒトデは中心の丸い盤と腕がはっきり区別できて、腕の細さがほぼ一定です。

ヒトデとクモヒトデの違い


ぜひ、蛇尾年の2025年にクモヒトデのことをお見知りおきください!

とは言っても、そんな簡単に会えるような生き物じゃないんでしょ?と思っているそこの貴方。

そんなことはありません!

クモヒトデは世界に約2000種、日本にも約300種ほどがいます。

生息域は浅い海から深海まで。熱い海でも冷たい海でも海底洞窟でも、とにかく海水さえあればどこにでもいる生き物です。(淡水や陸にはいない)

てっとり早くクモヒトデに会える場所はやっぱり
潮がよく引いた日に転石をひっくり返すと蛇のような腕を動かして逃げようとするクモヒトデに遭遇できるかもしれません。

磯で見つかるクモヒトデたち

また、おそらくクモヒトデの中で有名なのはこの方ではないでしょうか。

手蔓藻蔓てづるもづる

テヅルモヅルのなかま(標本)

ほんとうに絡まって仕方なさそうなこの分岐しまくりの腕はインパクトがありますよね。

しかし漁師さんには嫌われ者です。綱に引っ掛かってしまうとなかなかとれなくて手がかかるので「さまざまな議論が絡み合って結論が出ない様」を表すてづるもづるという言葉がこの生き物に使われたようです。

そしてテヅルモヅル科の学名はGorgonocephalidaeといい、あの髪の毛がヘビになっている怪物、ゴルゴンの頭が由来です。やっぱりヘビ!そしてそう言われるとテヅルモヅルがゴルゴンにしか見えなくなってきた・・・。

テヅルモヅルのなかまはやや深い水深に生息しているので、自分で見つけるのはなかなか難しいかもしれません。

でもたまーに水族館の水槽の片隅にいます!

恐ろしい名前が付いていますが、植物の蔓と見紛うクルクルの腕がゆっくりと動く様子はとても神秘的で美しい。

ぜひ今年のラッキー動物、クモヒトデやテヅルモヅルに会いに行ってみてくださいね!

マリンピア日本海にいたテヅルモヅルのなかま


それはいいとして、

クモでもなく
ヒトデでもなく
ヘビでもない

クモヒトデ(蛇尾)とはなんとややこしいことなのでしょう。
まぁちょっと手のかかる子ほど可愛いということで、どうぞよろしくお願いいたします。

今年もほねなし普及活動がんばります!


▶︎クモヒトデについてもっと知りたくなったらこの本を読むべし!

▶︎いろんな種類のクモヒトデを見たいならこの本を読むべし!

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ひとでちゃん/ サイエンスコミュニケーター
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