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褒めて伸ばすか、叱って伸ばすか
人を育てる立場にある人にとっては、非常に悩ましいテーマだと思います。
私も、かつては非常に悩みました。
厳しくすれば疲弊して続かないし、優しくすればなかなか成長しないし・・
どっちがいいんじゃい!と。
今は、自分としての結論は出ています。
褒めるか叱るか、という問題ではない
私の考えでは、重要なのは褒めるとか叱るとか表面的な行動の問題ではなく、重要なのは「信頼関係」です。
前提として、「褒めて伸ばす」という方針だとしても、「何をしても褒め続ける」なんてことは無いわけです。
例えば、もし従業員が好ましくない行動をしたら(注:失敗をしたら、ではない)、しっかり指摘をする必要があるわけです。
指摘をせずになあなあにしてしまうと、「それで良いんだ」という勘違いが生まれ、規律の無い組織になってしまいます。
なので、指摘はする必要はあります。
ただ、その際に、普段から信頼関係ができている上司から指摘されるのと、信頼していない上司から指摘されるのでは、受け取る立場からすると大きく違います。
前者はしっかり反省するでしょうし、後者はスルーされるか、憎しみ、反発という感情を生むでしょう。
したがって、褒める、叱るの以前に、日々の仕事の中で「信頼関係」を構築しておく必要があります。
信頼関係さえできていれば、あとは適切なタイミングで、褒める・叱るをするだけの話です。そんなに難しいことではありません。
信頼関係とは?
では、信頼関係とはどうやって構築すれば良いか?ということですが。
もちろんこれには色々な要素が絡みますが、最も重要なことの一つは
「一貫性を保つ」
ことだと思います。
つまり、上司の日々の言動に一貫性があるか?ということです。
一貫性のある上司は信頼され、無い上司は信頼されません。
信頼されない上司の例
例として、こんな経営者がいました。
その経営者は、ビジョンの一つして「自走するチームとして、やりがいをもって仕事をし、従業員が幸せで楽しい職場にする」を掲げていました。
しかし、その経営者の言動はビジョンとは合致しないことが多かったのです。
・自分の意見をゴリ押しする
・あらゆることをホウレンソウさせ、管理・管理・管理
・お気に入りとそうでない従業員への態度があからさまに違う
・機嫌が良ければ褒め、悪ければひたすら指摘
などなど。
言行不一致と言いますか、言っていることとやっていることに一貫性が無いのです。
結果、従業員のほとんどは、この経営者のことを信頼しておらず、表面上は従っていても、内心はウンザリ、陰では愚痴ばかり、という状況でした。
ちなみにこの経営者は、普段、間違ったことを言うわけではありません。指示は的確だし、正論です。
ただ、たとえ正論だったとしても信頼していない人間の言うことは全く受け入れられない、ということです。
もし、この経営者が、従業員に対し
「私の価値観で重要なのは、仕事で結果を出すこと。そのためには、私の指示にスピーディに従ってほしい。ホウレンソウをしっかり行い、成果に至るまでしっかり管理する組織にしたい」
と伝えており、それに賛同する従業員で組織を作っていれば、非常に合理的で結果を出せる会社になっていたでしょう。
掲げるビジョンと実際の言行の不一致により信頼を失い、それにより褒めようが叱ろうが人がついてこない、という組織になってしまったのです。
じゃあ、どうするか?
改善のためのアクションとして手っ取り早いのは、信頼できる従業員に、自分の言行に一貫性があるか忌憚ない意見を言ってもらうことです。
自分では、自分を客観的に見ることはできないでしょうから。
問題は、そもそもそのような信頼できる従業員がいるか?ということですが・・
もし思い浮かばなければ、信頼関係を作るに足りると思われる従業員をピックアップし、まずは自分の弱みを見せるところから始めましょう。
「私はこういうところに問題があると思い、改善したいと思っている。しかし、自分では自分のことを客観的に見ることができない。なので、是非意見をもらえないだろか?」
という具合です。
まあ、それでもすぐに信頼関係は作れないでしょうから、それこそ普段の言動に注意して、時間をかけていくしかないでしょう。
まとめ
・人を育てるのに必要なのは褒める、叱るという表面的な行動の問題ではない
・前提として信頼関係の構築が必要
・一貫性の無い人間は信頼されない
・まずは自分から弱みを見せて、信頼関係を作っていこう