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ホウレンソウの嘘

ビジネスマンはホウレンソウが大事、というのは、よくご存じかと思います。

ただ、この「ホウレンソウ」、一般的には「部下から上司に対して行う義務」としてとらえられがちですが、本来はそういう意味ではありません。

ホウレンソウの本来の意味

もともとこのホウレンソウという言葉は、山種証券株式会社の社長だった山崎富治氏が提唱したもので、「部下から報告・連絡・相談をしやすいような社風の会社が強くなる」という意味です。

「部下の努力義務」ではなく、風通しの良い社風を作りなさい、という、経営者や上司に対する提言なのです。

にもかかわらず、「うちの従業員はホウレンソウもろくにできない!」と憤っている経営者が多いのが事実です。

本来は真逆の意味なのですが、上司に都合の良いようにすり替わってしまっているんですね。

なぜ、ホウレンソウが無いのか?

では、なぜ部下からの自発的なホウレンソウが無いのでしょうか?

理由は簡単で、「ホウレンソウするメリットがなく、なんならデメリットのほうが多いから」です。

ホウレンソウをしても、

・ろくに話を聞いてくれない

・なぜそういう状況になっているのか理由を詰められる

・叱責される

・リカバリの方法が、負担になる

なんて対応をされると、そのうちホウレンソウどころか、話もしたくなくなります。

例えば、取引先と何か問題が起きてしまったときに相談しにいったとして、

「なんでそういうことになってんの?理由は?その対応がまずかったでしょ?今日中に〇〇という対応をして、報告して」

なんてことが繰り返されていると、もう相談するのも嫌になりますよね。

変わるべきは、上司から

もちろん、「仕事なんだから部下がホウレンソウするのは当然だ。甘えてるんじゃない」という意見もごもっともです。

ただ、ホウレンソウに限らず、上司部下の間のコミュニケーションギャップは、基本的に上司に問題があると考えるべきです。

例えば、先の例でいうと、

「なるほど、そんな問題が起きてるんだね。よく報告してくれた。じゃあ、どうやって解決すれば良いか、一緒に考えよう」

という対応をしてくれれば、部下は安心してホウレンソウできるでしょう。

原因が部下にあるんだから部下がしっかりしろ、では、問題は解決しません。変わるべきは、まず上からです。上の人間が、自分の問題としてとらえ、コミュニケーションを見直すことがスタートです。

じゃあ、どうするか?

では、どうやって上の人間は変われば良いか?ですが。

表面的なスキルとしては、「傾聴」です。

話の聴き方、つまり話を聞くときの態度、表情などを改めることです(傾聴については、検索してもらえれば詳しく載っているでしょう)。

そして、問題を責めるのではなく、解決方法を一緒に探っていくという姿勢を示すことです。

なにせ、部下にとって安心してホウレンソウできる環境、というものが何より重要です。

・・ただし、勘違いしないでいただきたいのは、ホウレンソウを受ける時だけ、表面的な姿勢や物言いを変えれば良いという問題ではない、ということです。

いくら表面上はニコニコしていて、丁寧な話し方だったとしても、その上司への信頼が無ければ、ホウレンソウしたいとは思えないでしょう。

つまり、本質的には、上司との信頼関係の問題、ということです。

そして、上司への信頼というのは、普段の言動によって作られるものです。

※信頼については、以下の記事で触れていますので、読んでみてください。

褒めて伸ばすか、叱って伸ばすか

普段から信頼される上司であることこそが、自発的なホウレンソウを促進するための方法であると思います。

まとめ

・ホウレンソウの本来の意味は、「報告連絡相談しやすい社風にしよう」ということ

・ホウレンソウされないのは、上司の対応に問題がある

・表面的には傾聴のスキル、本質的には日ごろの信頼関係の構築がホウレンソウしやすい組織を作る

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