新・すべてのラーメンは限定ラーメンである
開店時、ひそかに限定麺について三つの目標を立てていました。
その一、限定は特別な時にしか出さない。
その二、他の店が出していないもの、思いつきそうにないものしか出さない。
その三、限定が売り切れたからとがっかりされる店、何も食べずに帰ってしまわれるような店にはならない。
その一は早々に断念しましたが、その二は今のところ限定に限らず全てのメニューでできていると思います。
その三がまだ達成できてないし、やってみると想像以上にものすごく高いハードルに感じます。
限定売り切れでがっかりされたりお帰りになることがあるのは、限定品と定番商品との内容や希少性の差がありすぎる、と感じられているからだと思います。
ただ当店のラーメンは全てひつじのラーメンであり、当店以外の99パーセントのラーメン屋では限定品でしか出せないような内容と希少性をもっています。
またひつじそばは一旦羊と鶏で別々に白湯を取ってからラムひき肉で澄ませるスープ、一般的なチャーシューとは比較にならないほど手数のかかるテリーヌなど、仮に羊ではなく鶏と豚だったとしても極めて珍しい作りの、限定と言っても差し支えないラーメンになっています。
となると伝え方、売り方の問題かと考えられます。
定番商品は売り切れないし何時でも食べられる、というイメージが強いのかもしれませんが、定番商品でも売り切れることはありえますし、リニューアルなどで以前と同じものが食べられなくなることもあります。
なので販売期間の違いだけであって定番も実質的には限定だと言えなくはないでしょう。
またコロナによる休業、閉店はもちろん事故や病気などで急に作れなくこともあります。
ひつじそばなど当店のラーメンもレシピを完全に把握しているのは僕だけですし、明日事故などでいなくなってしまうと誰も作れなくなります。
その意味でも「すべてのラーメンは限定ラーメン」です。
そもそも今現在週イチ限定の間借り営業です。それならすべてのメニューが限定と言えます。
「限定 ひつじそば」
「限定 ラムコンフィ」
「限定 ペコリーノごはん」
「限定 半ライス」
商品名の前に「限定」の二文字を付けるだけで名実ともにすべてのメニューが限定となります。
「限定 ひつじそば」
実際に声に出して読んでみると、今までの「ひつじそば」よりもさらに限定らしさが出てプレミア感が漂ってきた気がなんとなくしてきました。
やはり限定品を限定らしく感じさせているのは内容でも希少性でもなく「限定」の二文字である、というのが実感できました。
ここで一つの結論を出します。
「すべてのラーメンは限定ラーメンである」というポリシーに基づき、明日の営業はすべての商品名の前に「限定」の二文字を入れることにします。
限定商品をご用意してご来店お待ちしております。
限定ひつじそば 人と羊 店主
敬具
店主の勉強代になります。何かしらのカタチで還元できると思いますので魔が差したらサポートおねがいします。