#26 ジャッジしないということ
人と比べるな。昨日の自分と比べよ。
私はこの言葉を学級の子どもたちに口酸っぱく言っている。
人と比べると、集団の中で一番だと、良い気になって努力しなくなる。しかし、一歩その集団から足を踏み出すと、全く通用しないというのは、よくある話だ。
逆に、人と比べて自分が劣って感じると、努力が辛くなる。これだけのことをしてこの結果なのに、隣を見ればただ寝て食べている(ように見えるだけかもしれない)だけで自分よりも優秀な人がいる。
つまり、人と比べると、どちらに転んでも
努力をしなくなる。
だから、私は、昨日の自分と比べよ。と常に言っている。
しかし実際には「昨日の自分と比べる」
ことが通用しない場合がたくさんある。
今回はその話をしたい。
以前関わった子どもで、脳腫瘍の手術をした子どもがいる。手術による後遺症で、昨日できていたことが今日できなくなった。
認知症の祖母は、今までできていたことができなくなってきた。
今年61の父は15年ほど前、くも膜下出血になった。奇跡的に社会復帰できるほどまでによくなったが、それ以来父の性格は少し変わった。以前より短気になった。新しい考えを受け入れられなくなったようにも感じる。しかし、もう15年もすると、それが性格と言っても良いのだろう。
彼らより学んだのは
現状を正しく受けとめ、ベストを尽くすこと。人も環境も常に変わるもので、それに良いも悪いもジャッジすること自体が無意味なのかもしれない。
今日は終戦の日だ。
世の中の問題は消えない。
日本の少子高齢化は進む。
日本の教育レベルは確実に下がっている。
経済も右肩下がり。
この瞬間にも戦争は行われている。
問題を考えれば考えるほど、世の中が最悪に思えたり、地獄にだけ進んでいるように感じたりする時もある。
それでも、今自分にできることを精一杯することが私たちにできる唯一のことだと思う。
それが、世界のため、国のため、家族のため、自分のためになると信じて。