そもそも、派遣って何?
いまさらですが・・・『派遣』って何?
人材派遣とはそもそもどんなものなのか、言葉は聞いたことがっあってなんとなくイメージもある方が多いのではないでしょうか。
派遣会社から人が来て、仕事をしてくれる
こんなイメージではないでしょうか。
このイメージで合っています。
しかし、派遣には様々法律があります。
活用できている企業と、活用できていない企業について
私なりの見解ではございますが書かせていただきたいと思います。
その第一弾として、派遣の歴史をお伝えします。
そもそも派遣の歴史ですが
もともとは、日本では江戸時代ごと『人貸し』として現在の派遣のようなサービスが存在していたらしいです。
ほとんどは、建築現場などを中心に人を貸し出していたそうです。
1986年に労働者派遣法が施行
1947年にアメリカで世界初の人材派遣会社マンパワーが設立
当時は、弁護士事務所なっで病欠スタッフの代わりに業務支援として代行業のような形が人材を派遣していたそうです。
そのご、1966年に
日本法人をマンパワー・ジャパンを設立、当時は労働者派遣法もない状態で業務委託の形でマンパワージャパンが業務を開始
その後、1973年に
テンプスタッフ株式会社が設立(現:パーソナルテンプスタッフ)
当時は、事務処理などを業務委託や業務請負でサービスを開始
そして、1976年、1985年に
テンポラリーセンター(現:パソナ)、アディアジャパン(現:アデコ)
などが、業務委託や業務請負の形でサービスを開始
このように、現在の労働者派遣法が施行される前に多くの人材派遣の類似サービスが開始していました。
こうした、人材提供のビジネスが盛んになったことをきっかけになり。
ついに、1986年日本で初めての『労働者派遣法が施行』されました。
これは、労働者保護の観点から施行されることになったのです。
1986年の労働者派遣法とは・・・
施行された当初は、専門性の高い13業務(施行直後に16業務に変更)
が派遣可能な業務として対象でした。
はじめの13業種
①ソフトウェア開発 ②取引文書作成 ③調査・受付・案内 ④駐車場管理
⑤建築物清掃 ⑥秘書 ⑦事務用機器操作 ⑧デモンストレーション
⑨財務処理 ⑩ファイリング ⑪建築設備運転・点検・整備 ⑫添乗
⑬通訳・翻訳・速記
そして3ヶ月後に追加された3業種
⑭機械設計 ⑮放送番組など演出 ⑰放送機器など操作
1996年に16業種から26業種に拡大
上記の16業種から26業種委拡大されました。
1号 情報処理システム開発
2号 機械設計
3号 放送機器操作
4号 放送番組などの制作
5号 機器操作
6号 通訳・翻訳・速記
7号 秘書
8号 ファイリング
9号 調査
10号 財務
11号 貿易
12号 デモンストレーション
13号 添乗
14号 建築物清掃
15号 建築設備運転など
16号 受付・案内・駐車場管理
17号 研究開発
18号 事業実施体制の企画・立案
19号 書籍などの制作・編集
20号 広告デザイン
21号 インテリアコーディネーター
22号 アナウンサー
23号 OAインストラクション
24号 テレマーケティングの営業
25号 セールスエンジニアの営業、金融商品の営業
26号 放送番組などにおける大道具・小道具
1999年に派遣できる業務が原則自由化
この派遣法の改正によって建設、港湾運送、警備、医療、製造業務を除く
26業務以外の業務が派遣できるようになりました。
原則的に自由に派遣ができるようになったのです。
そして、原則自由化となった業務に関しては、1年の派遣受入期間の制限が設けられ、専門(政令)26業務については3年の期間制限が設けられました。
2000年に紹介予定派遣が解禁
今では、多くの企業が取り入れている紹介予定派遣が解禁されました。
※紹介予定派遣については後半にご説明いたします。
2004年に派遣受入期間の制限が緩和
専門26業務に関して、派遣受入期間の制限が撤廃され、
自由化となった業務に関しても最長3年に延長されました。
さらに製造業務への派遣の解禁、2000年に解禁となった紹介予定派遣の定義を明文化され、紹介予定派遣における事前面接の解禁など、大幅に規制が緩和されました。
2006年に医療関係業務の一部で派遣解禁
医師の不足や看護師の不足などにともない、医療関係業務の一部で派遣解禁されました。
2007年に製造業務の派遣受入期間の制限が緩和
製造業務の派遣受入期間がこれまで1年だったのに対して、3年に延長されました。
▼ここから労働者派遣法が施行され緩和から規制強化に
2008年の問題を皮切りに、人材派遣が社会問題とされ新聞やニュースで取り上げられるようになりました。
2008年の問題とは【リーマンショック】です。
これは、数々の日本企業に大打撃を与え、製造業を中心に派遣切りや雇い止めなどがおこり、派遣会社にも違法行為をする会社が相次いで発覚。
さらに、若年層の貧困化やワーキングプアの存在などが急激に浮上してきます。
その結果、リーマンショック以降の社会問題の一因に人材派遣があるのではないかという世論が高まり、議論が国会でも開始されて高まっていくことになります。
ここから、非常に派遣は良くないと言うイメージが強くもたれるようになります。
2012年に法律の名称が変更され目的も明記
法律の名称が「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」から、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に変わり、法律の目的も「派遣労働者の保護のための法律」であることが明記されました。
2012年改正のポイント
派遣会社の派遣料金が明示され、マージン率や教育訓練に関する取り組み状況などが義務づけられる
派遣会社から必ず待遇に関する事項の説明を受ける
派遣会社は派遣労働者の賃金を決定する際に、派遣先で同種の業務に従事する労働者の賃金水準に配慮しなければならない
派遣労働者が希望すれば有期雇用から期間の定めのない雇用への転換が派遣会社の努力義務になる
日雇い派遣の原則禁止
離職後1年以内に、派遣労働者として元の派遣先に派遣されることを禁止
2015年に労働者派遣の位置づけが明確化
これまであいまいだった労働者派遣の位置づけが、「派遣労働という働き方およびその利用は、臨時的・一時的なものであることを原則とする」という考え方のもとに常用的に派遣することを防止する目的で改正が行われました。
このときの改正で一番のポイントが通称3年ルールです。
2015年改正のポイント
特定労働者派遣事業が廃止されて一般労働者派遣事業に一本化される。
一部例外を除いて全ての業種で派遣される期間制限が原則3年に定められる。また派遣先が3年を超えて受け入れようとする場合は、派遣先事業所の過半数労働組合等から意見を聞く必要がある。
同一の派遣労働者を、派遣先における同一の組織単位に派遣できる期間は、原則3年となる。
同一の組織単位に継続して3年間派遣される見込みがある労働者には、派遣終了後の雇用継続のために、派遣会社から以下の3つの措置が講じられる。
派遣先への直接雇用への依頼
新たな派遣先の提供
派遣元での無期雇用
その他安定した雇用の継続を図るための措置
すべての派遣労働者は、キャリアアップを図るために、派遣会社から段階的かつ体系的な教育訓練・キャリアコンサルティングを受けることができる。
派遣先が違法な派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合、派遣先は派遣労働者が派遣会社と結んでいる雇用契約と同等の条件で直接雇用契約の申し込みをしたものとみなされる労働契約申し込みみなし制度が開始される。
2018年問題・・・
2015年の労働者派遣法の改正で、全ての派遣労働者の個人単位での派遣期間が3年間と定められたこと(「3年ルール」)によって起きた問題が2018年問題と呼ばれています。3年ルールにより、今まで派遣期間に制限のなかった専門26業務に従事していた派遣労働者が一斉に雇止めになる可能性が出てきたのです。
結果として個人単位の派遣期間制限を回避するために派遣労働者を入れ替える動きが出てきたとともに、派遣元の無期雇用化の動きが広がりました。
2020年に「同一労働同一賃金」の施行
2020年に非合理な待遇差を解消させるため「同一労働同一賃金」が開始
同一労働同一賃金は派遣法だけでなく労働基準法にも関わっています。
派遣の歴史のまとめ
人材派遣が労働者派遣法の施行により正式始まったのが1986年
施行後から2007年まで緩和され2008年のリーマンショック以降は規制強化を続けている労働者派遣法、
いまだに規制強化は続き必死で規制強化に対応し続ける多くの派遣会社。
そして、いまだにマイナスなイメージ強い派遣業界ですが、私は派遣という仕組みを理解し活用することでいろいろな企業のチャンスに繋がると考えています。
人材派遣会社は派遣法から労働基準法などクリアしながら人材派遣業を続けています。いわば労働のプロフェッショナルです。そうした人材派遣会社の営業担当とつながりを持っておくことにより、悩んだときに相談でききる社外パートナーとしても良いのではないでしょうか。
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