気をつけていること
調子に乗らない。
馴れ馴れしくしない。
私が接客で気をつけていること。
営業再開してから数週間後ある男性からインスタにメッセージが来て数回やり取りをした。
「焼きサンドも復活で嬉しいです」
「幸運の特等席でキースのケルン・コンサート。至福でした」
焼きサンドオーダーであの席ってことは⁇
あのご夫婦かな?
「モダンブレンドよりクラシック派です」
あの方だ!
「片道2時間。2週連続で特等席。今日は更にいい音でした」
ええ⁉︎片道2時間⁉︎
簡単なやり取りをするうち、いつも高知市内から車を飛ばしてやって来てとんぼ返りで帰られていることを知る。土曜日夕方によく来られる方。
驚きと感動と興奮。
次に来られたらあれこれお話ししてみたい。お礼を言いたい。
でもいや待て
わざわざ遠くから来てくれているのを知って突然有難さ倍増でお礼を言ったりニコニコするのはカッコ悪い。普通で行こう普通で。
と思っていたら本日来店された。
「いつもありがとうございます」さらっと言えた。余計なことは言わない。言わなくても分かっている。よしよしそれでいい。
「道は混んでなかったですか?」
「上りが結構混んでたんで帰りが心配です」
「お気をつけて」
近づきすぎない。踏み込みすぎない。
長くやる秘訣はこれ。
相当な昔に
沢田研二さんと奥様が来店したことがあった。
父は何も余計なことを言わず普通のお客さんとして対応した。プライベートの場に店の者がズカズカ入り込んではいけない。
数ヶ月後再び来店された。今度はお仕事か大人数で。多分高校生の私は緊張しつつ田中裕子さんにミルクセーキを運んで行ったことを覚えている。
お会計の時おばちゃんマックスの母が田中さんに
「子供さんはおらんが⁇」とふつうに世間話的に話しかけてしまいちょっとずっこけたオチがあった。父のポリシーは母には伝わっていなかったのだ。
頭に浮かんだことをすぐに言葉にでき何ら気を使わない母を羨ましくも思っていた。
気を使いすぎて考え過ぎて疲れてしまうのは私の欠点なのだがそれも良し。
閉店後の店が好きで
いつもいつまでも居たい気分に駆られる。
お客さんがコーヒーを飲みお話をしケーキを食べ嬉しかったり悲しかったりの気持ちを落として行くので見えない氣がたくさん残っている。
朝とは違う濃い空気が好き。
そして休日前の充実感と開放感が好き。
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