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ダッチコーヒーひと段落

水出しコーヒーには2種類あります。
水に挽いた豆を漬けて抽出する水出しと、
水を一滴一滴ぽとぽと落として時間をかけて抽出するダッチコーヒー。
うちはずっとダッチコーヒーで、アイスコーヒーもこのダッチなので夏は忙しい。せっせとセットして抽出。また抽出。
改良に改良を重ねてかなりの量を抽出できるものの工程全てが大仕事なのです。
水で抽出するため、油分やエグみが落ちずスッキリした味わいのダッチはアイスはもちろんコーヒーゼリーにしても美味しい。

父が癌末期の頃、全力で教えてくれた抽出法。
最初はたどたどしく味もピタリと決まってなかったと思います。
でも開店以来毎日ダッチコーヒーを飲みに来てくれるお客さんがいて、
その人は静かにカウンターに腰掛けズズズッとすすっては「はぁぁーー」と言い深く味わっているのだというのが高校生の私にもわかるくらいでした。
私が抽出を始めてからも同じようにズズズーッ。はあぁーー。をしてくれて、きっと味の違いはあっただろうけど何も言わずにショートホープをふかして帰って行きました。
お店を育ててくれるお客さんでした。
もう何年も前に亡くなられたけどあの世で「まあまあやったぜ」と父に話していることでしょう。ショートホープ片手に。

繁忙期な上にこのせわしない仕事がやっとひと段落。
アイスコーヒーはオールシーズン。そして秋からはダッチのホットの注文も増えて来たので今からはぼちぼちです。今年も無事乗り切りました。


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