潮目が変わる
小さいことでは
店内ガラッとしている時CDを変えるとお客さんが入ってきたり、逆に何時間も座っているお客さんがいる時CDを変えると途端に帰ったり。
空気が変わるというか。
今日は11時の開店前にオーディオのアンプを切り替えた。
そろそろと思いながら数週間。以前は父が取り付けたセレクターでカチカチっと簡単に替えれていたので曜日によって替えたりもしていたが去年クラファンでメンテナンスした時セレクターは故障しやすいからと直結での切り替えになった。
後部の壁に穴を開けてメカ音痴の私が替えられるようにしてくれている。マッキントッシュのMC352からMC1000へ。慎重にネジを緩めて4本の線を抜き+−間違わないように慎重に差し込み締める。たったこれだけで汗だくだくになる作業だがマニアはこの作業さえ至福の喜びであろう。静かにスイッチを入れ温めてからボリュームを回す。無事音が出たことで今日の仕事が全て終わったような安堵感。そんな1日の始まりだった。
9月から営業も落ち着いていて物足りなさを感じていた。お盆前後の8月にはたくさんのお客さんの中、オーディオ好きの方も多くあれこれ話したりしたもんだがここしばらくみえていない。が今日は地図片手のマニアの方やサラリーマン風のマニアの方が立て続けに来た後3ヶ月ほどご無沙汰だった隣町のマニア2人組がふらりとやって来た。
朝の心を込めた作業によって潮目が変わった。父が空から喜んでいるのかもしれない。呼ぶ。とも言う。そんな不思議な1日。
たまたま来たジャズピアニストのSさんが「このCDカッコいいね。誰の⁇」と言った。
ブラッド・メルドー。滅多にかけないCDだ。
サラリーマン風の方がメインのJBLではなくサイドのソナスファーベルを見て「初期のもので良いものですよ。大事にして下さいね」と言ってくれた。そう。全てが父の選りすぐりだ。
いつかは爆音で鳴らしてみたい。
出店の数を控えて今思うのはやはりここで過ごしてもらう時間がいい時間になるよう自分も店もメニューももっと磨いていかねば、と今日思った。明日には忘れるかもしれないけど今日は強く思った。
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