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覚悟3


覚悟を決め私の部屋にチロが越してきて3週間。
お互い少しづつ慣れて
紙おむつにも慣れて
換えて欲しい時にはそっと寄って来る時もある。

母が入居した施設で脳梗塞を起こし緊急入院したのが5年前の春。
娘は専門学校へ進学。息子は高校3年になる。そして店は忙しい。
という目まぐるしい時期だったため転院したのちも思うように病院へ行くことができなかった。それが唯一の後悔。
その時の後悔が母の遺したチロの世話をすることで償っている気がしている。
親子ゆえ優しい言葉がかけられなかった事もある。もっともっとできることはなかったのかと、
もし今の状態だったらもっと寄り添ってあげられたのにと思いながら。

20歳人で言うなら100歳のチロ

夜中にゴソゴソ歩き回ったり
水の容器に足突っ込んでひっくり返したり
食べ散らかしてしまったり
ウオンウオンと夜鳴きしてしまったりするけど
今は大事な家族だよ。

夜中に息が荒くなることがある。
夏には秋まで
冬には春までと
励ましながら生きてきた。
もう少し
もっともっと一緒にいようチロ。

草が好き

夜中11時。さあ寝るぞの時間に部屋中うろうろカサカサうろうろカサカサ。ふと気付いて外に連れ出し暗い駐車場を2周り。
散歩の気分だったのか歩き方を忘れかけたスキップで嬉しそうに小走りした。部屋に戻りおやつを食べて水飲んだらすんなり寝床に入って落ち着いた。
よしよし。気持ちが通じてきたぞ。

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