宇都宮駅ぶらり
めでたく就職させていただいた息子が、初任地である栃木県宇都宮市に引っ越したので、ここのところ何度も宇都宮を訪れています。ほとんどおなじみのない土地……でもないけど。
というのも、じつは書店営業をしていた時代に北関東地区を担当していたことがあり、担当時期の１年間に５回ほど宇都宮を訪れていました。だから、まったくの未知の土地ではありません。
とはいっても、なにしろもう35年も昔の話。
しかも当時は（いまでもそうかな）大きな書店などのある中心街は、ＪＲの宇都宮駅から西側の東武宇都宮駅周辺だったので、歩きまわったのは、おもにそちら方面。今回息子が赴任したのは反対の東側にあるニュータウン。なので、西側の旧市街（とは呼びませんが）は、いまだ再訪していません。
おまけに、引っ越しの都合もあって、ほとんど車で訪れていたので、ＪＲ駅周辺にもほとんど寄らず。旧交を温めることもないなぁと思っていました。
と、たまたま今回は向こうに置いておいた車を引き取る必要があったので、往路は鉄道旅になり、ほぼ35年ぶりに宇都宮駅に降り立つことになりました。さあ、どのくらい変わっているのかな。
それ以前に、鉄道のルートがすでに未知。むかしは出張旅行の都合上、前橋からＪＲ両毛線で小山を経由して宇都宮駅、その後は新幹線で郡山へのルートだったので、東京方面から直接向かうのは初めてだったりします。
しかも当時はまだなかった、湘南新宿ライナーで。新幹線代が惜しかったわけじゃなくて、わが家からだと渋谷駅でライナーに乗ったほうが、東京駅や上野駅まで行くよりも結果的に早かったりするからです。
ただ、新幹線とちがって普通車両の座席で約２時間は、やっぱりちょっと厳しかった。宇都宮駅に着いた頃には背中と腰がちょっと強張ってきてました。やはり、楽を取るべきだったかも。次にいくときは新幹線にしようかな。
宇都宮駅に降り立ったのは、もう夕刻。むかしはほとんど見たこともなかった駅の東側の風景を見てみると……
むかしは、何もなかった駅東側、陽が落ちると真っ暗（ほどではなかったか）だったのが、なにやら電飾きらびやかな風景が。
駅東側は再開発されて、様子が一変してました。まぁこれだけ時が経ってるんだから、そりゃそうか。
ちょっと時間もあったので、なじみのあるはずの駅西側を見物。
うーん、駅西側も一変している。ペディストリアンデッキはあったような記憶はあるが、もっと小さかったんじゃないかな。駅周辺のビルも、もっと低かったような気がするぞ。
定宿にしていたホテルは健在だったけど、むかしは駅前広場の端っこにあったよなぁ。いまは周囲にビルが増えて、なんか真ん中よりになってるよ。出世したのかな。
テレビでよく見かけるこいつも、むかしはなかったよなぁ。
調べたら、これは私が訪れていた時期よりも後にできたものらしい。そうだよな、あの頃は「宇都宮は餃子の町」なんて言ってなかったもんなぁ。だから一度も餃子なんか食べたことなかったよ。
餃子の有名店などがあるのは、やはり駅の西側のようで、いまだにかの有名な宇都宮餃子にはありついていません。まあ息子がいる間に、食べに行こうっと。
駅東側は昨年話題になった新路面電車、宇都宮芳賀ライトレール（ＬＲＴ）の開業に合わせて、何もかも新しくなってようで、まだまだピカピカ新品な感じ。
そこにこんなものを発見しました。
ＬＲＴの駅のすぐ横にあるのは、初代横綱・明石志賀之介の石像です。
現在の一人横綱・照ノ富士が第73代横綱なのですが、およそ500年ほどにおよぶ、その連綿たる系譜の先頭に叙されているのが、明石志賀之介なのであります。
そうか、明石志賀之介は、下野国宇都宮の出だからな。
寛永年間だか寛文年間だかの力士とされるが、生没年などは不明。そもそも歴代横綱のうち最初の３人（初代・明石、２代目・綾川五郎次、３代目・丸山権太左衛門）は実在したのかフィクションなのかが不詳とされています。はっきり実在がわかっているのは４代目・谷風梶之助と５代目・小野川喜三郎から後なのですが、まあそんなことはいいでしょう。
近年の研究では実在したとの説もあるので、それに則した石像ってことなんでしょう。宇都宮市内の蒲生神社には明石の顕彰碑もあるそうなので、今度お参りしなければなりませんな。
ちなみにこの像、2022年の建立だそうですが、伝えられる明石の体格に基く実物大だそうです。身長２メートル21センチ、体重225キロだとか。かなりの巨漢力士だったんですかね。
なんでもＬＲＴの経済効果はすごかったようで、2030年代をめどに駅西側にも延伸する計画だとか。
ほとんど鉄道マニア要素のない私にも噂が届いていた、このＬＲＴ。話題になっていたし、実際に使ってみるとなかなか快適で便利でした。いや、大したもんですね。
これから寒くなるけど、宇都宮へはまだ何回も行くことになりそうなので、もっといろいろ見てこなければなりませんな。
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