ヘイ、ミスター!
関東のローカルTV局で「水曜どうでしょう?プレミア」の放送が始まり、地元のtvkでは相変わらず「水曜どうでしょう?クラシック」の放送も続いているので、なんかどうでしょうざんまいの日々を過ごしています。何回観ても面白いからね。
その「水曜どうでしょう?」で、かつてミスターどうでしょうこと鈴井貴之が、世界三大ミスターに扮したことがありました。ミスター・ジャイアンツこと長嶋茂雄、Mr.マリック、そしてミスター・ス★ック(口が裂けても言えない)
この企画「2周年記念!秘蔵VTR 一挙公開」が放送された1998年当時のミスターのベスト3がこの3人だったのでしょう(まさか)
ということで(どういうこと?)、今回は世界に数多く存在する「ミスター」をタイトルに冠したミスター映画のベスト3をご紹介しよう。
いつも拝見しているオールシネマさんによればミスター映画は、メインタイトルだけでなくサブタイトルに冠したものまで含めれば、これまでに300本近く存在します。もちろんこの全部を観てはいないので、私が観たなかでのベスト3ということでご勘弁を。
そして、この私のことですから、皆さんがご存知の有名映画などは含まれておりません。ていうか、敢えてドマイナーな映画ばかりなのでご笑覧ください。こんな映画、知ってますか?
1975年の「MR.ダイヤモンド」(DIAMONDS) 私はずっと「ジョーズ」で人気者になったロバート・ショウが、その人気を背景に主演を張った映画かと思ってましたが、製作年は「ジョーズ」と同じ。日本公開が遅くて1978年になってからだったせいで、そんな錯覚をしていたようです。
難攻不落の大金庫に挑むというドロボー映画。なかなか軽妙な出来だった記憶がありますが、今となっては定かでない。
日本ではロードショー公開はされず、2本立ての2番館での上映でした。ま、その程度の映画なんだけど。私は当時、浅草ロックの映画街にあったSTチェーンの浅草ロキシーという映画館で見たのですが、それが浅草で映画を観た初めての経験だったので、むしろそのほうが強烈な印象になっていて映画そのものの記憶は薄れているようです。
大学映研に入りたてで、名画座行脚を始めたばかりだった私には、映画館が立ち並び、しかも他所では見たこともないような珍しい映画を2本立て3本立てで上映していた浅草映画街は、まさに天国のようでした。いまはもうない浅草映画街とのファーストコンタクトの映画として「MR.ダイヤモンド」は私の記憶に深く刻まれているのです。
いや同時上映だった「黄金のランデブー」のほうがずっと面白かったんですがね。
ちなみにこの「MR.ダイヤモンド」はイスラエル映画。イスラエルのヤスモノ映画王メナヘム・ゴーランの製作・監督・脚本映画でした。このゴーラン親分とも、その後ずいぶんつきあったものです。
主演のロバート・ショウと伍しているのは「黒いジャガー」の探偵シャフト役で人気者だったリチャード・ラウンドツリーですが、当時まだ「黒いジャガー」を未見だった私の印象には残っていません。たぶん今観たら、もっと違う印象を持つでしょうね。
「MR.ダイヤモンド」を知っている人はたぶん少ないと思うのですが、もっと少なそうなのが、こちら。
これはどこで観たんだったかな。たぶん新宿の紀伊國屋の裏んとこにあった新宿ローヤルじゃなかったかな。
「Mr.ビリオン」(MR. BILLION)は1976年の作品で、日本公開は翌年の1977年。新宿ローヤルは番外館だったので、私が見たのはたぶんもっとずっと後だったんでしょう。
主演はテレンス・ヒル。私はこの映画を観たころにはもう「笑う大捜査線」(1979年日本公開)で彼のファンになっていて、なおかつ彼が主演した大傑作(だと私だけが思っている)「 レッドオメガ追撃作戦」(1983年日本公開)をまだ観ていなかったので、その間の4年ほどの時期のどこかで観たんでしょう。記憶があいまいなのは、この時期に新宿ローヤルではそれこそ毎週のように浴びるほどたくさんの映画を観たからで、ホントにこの映画館にはお世話になりました。
タイトルのとおり、10億ドルの遺産を相続したテレンス・ヒル演じる青年が、遺産を受け取るためには定められた期日までにアメリカを横断しなければいけないという、およそ独創性のないシナリオながら、そんなことは気にしないという飄々とした軽さでまとめてしまった軽~いコメディ。といってもこれまた映画そのものの中身はよく覚えてません。
記憶にハッキリとあるのは、冒頭のメインタイトル。原題の「MR. BILLION」が悪趣味までの金ピカギラギラのド派手なロゴでドーンと出るだけなんですが、なぜか脳裏に刻みこまれています。あまりにも映画のムードにぴったりだったので、その印象が他をすべて覆い隠したんでしょうか。
私はずっとこの「Mr.ビリオン」はイタリア製アメリカ映画、マカロニ・インチキ・アメリカ映画だと思ってたんですが、じつは20世紀フォックスが作ったリアル・アメリカ映画なんですね。日本でもフォックスさんが配給しましたから。
こちらはちゃんとした(?)ハリウッド映画「ミスター・タンク」(TANK) 1984年の作品で、同じ年に日本で公開されています。たしか新宿のロードショー館で観たけど、さてミラノ座だったかピカデリーだったか。
主演が私のヒイキ俳優のひとりであるジェームズ・ガーナーだから観にいったんだったかな。TV「ロックフォードの事件メモ」が好きだったからね。そのガーナーのひさしぶりの劇場用映画だったんで観にいったってことだったかな。
田舎の保安官に不法逮捕された息子を救出するために、退役した初老の元軍曹が戦車で乗りこみ大暴れという、コメディっぽいアクションだったと思います。全体に軽い仕上がりだったような。
軽快なテーマ曲が快調。この手の映画では、音楽は重要な要素ですからね。音楽を担当したのはラロ・シフリン。もちろん「スパイ大作戦(ミッション・インポッシブル)」や「燃えよドラゴン」の名手で、私の好きな映画音楽家のひとりです。なので、メインタイトルでラロ・シフリンの名前が出たとたんにテンションが上がったのを覚えています。
ただマーチ調の曲だった印象は残っているのですが、肝心の曲がどんなメロディだったかが記憶にありません。というのも、この映画のサントラ盤はもちろん、現在にいたるまでCDなどで入手することができないからです。ぜひとも欲しい1曲なんですがね。
息子を救出する父親という設定は、自分も父親になっている現在ならば、もっと強い感銘を受けるかもしれないので、再見したい気もしますが……
というふうに3本紹介してきましたが、いずれも記憶があいまいだったり、細部を忘れているのにはわけがあります。
この3本、どれも現在のところDVDでもブルーレイでも、国内盤が出ていないからです。かつてVHSソフトは出ていたものの、さて持っていたかなぁ。
うーん、輸入盤で買うべきであろうか(笑)
もちろん、他にも山ほどのミスター映画がこの世には存在するのですが、まあそれはまた別の機会にでも。