コダイのブカツ⑦ 福岡市埋蔵文化財センターについて
福岡市埋蔵文化財センター(以下埋文)に行った。今回はゲストを呼んでみようか、ということで、古代作家のキナッコさんを呼んで。それももう2カ月以上経つのだけれど…。
今回のブカツは、埋文で福岡市の素晴らしい遺物を観察しイベントや考古グッズの製作に活かそうという狙いがあった。
そのため、作家であり同じテンションでブカツを楽しんでくださるだろうキナッコさんがゲストに選ばれたのである。
なんと、こちらの埋文では事前にお願いすればバックヤードが見学でき、いろんな遺物を観察することが可能なのだ。
埋文には何度か来たことがあるが、そんなにオープンな場所だとは知らなかった。
発掘調査報告書からそれぞれが気になる遺物をピックアップして見学の予約をし、意気揚々と埋文に向かった。
到着後、早速今回の見学の担当の方に展示室を案内していただく。
第一展示室は埋蔵文化財とは何なのか、発掘された遺物が収蔵されるまでの流れがわかりやすく説明されており、埋文がどういう施設なのかが理解しやすい展示だった。
そしてバックヤードツアーへ。
もうなんだ、ずーっとずーっと積んである。それになんか…いる。なんかっていうか甕棺が。
担当さんの説明を聞きつつ見学しながら、気になった遺物についてはその場で説明をしていただく、という感じでいろんなものを見てまわった。
その中でも記憶に残っているのは、福岡市博物館の常設展にある石室レプリカでお馴染みの鋤崎古墳の埴棺。
ハケ目がしっかり入っている…!
それと、担当さんに抱っこされているぴょこだ。だってもうさあ…赤ちゃんじゃん。
ほら、この子こんなに成長したんですよ!みたいな体でお尻まで見せられちゃってねえ…。普通はそんな場面はまあないんだろうけれど。
バックヤードツアーと一緒に各処理室(写真は木器処理室)も見せていただき、改めてデリケートな遺物の保存には手間とお金がかかるんだなと実感した。
そしていよいよ、気になる遺物とご対面!
わたしがリクエストしたものは、今宿大塚古墳から出土したものたち。
まずは、みんな大好きなぴょこ。
多孔タイプだ!しかし綺麗な穴だなあ。うっとり…。
1400年の時を越えて熱い握手を交わすぴょことわたし。
胸アツ………!!
〈追記〉
っが!!!この時、わたしは自分の恐ろしい行動に気付いておりませんでした。
本来、このような遺物の扱い方は望ましくないのです…!
注意する点は
・腕時計、指輪などははずす(繊細な遺物が固いものに触れないようにする、雑菌が付かないようにするため)
・遺物は手で支えながら持つ(落下防止のため)
この時、念願のぴょことの対面で舞い上がってしまっており、クッションの上で遺物を扱かうということしか頭になく…。たまたま何もなかったので「次から気を付けようね!」で済みましたが、ちょっとしたことで大惨事を招きかねない、迂闊な行動でした。ぴょこと、ぴょこを守ってくださっている皆様に本当に申し訳ないことをいたしました。
文化財って素晴らしいな~と思っていろいろ発信している者として、とても恥ずかしいことをしてしまいましたが、反省のためにも記事は消去せず、注意書きを加筆することで「わたしのような行動をしないように」ということが多くの方に伝わればと思います。
続いては、武人埴輪。
胸から腰のあたりになるのかな?ちょっと惜しいシャネルみたいなスタンプが押されている。
こちらのスタンプは竹を縦に切ったものを利用したのだそう。なるほど、だからシャネルになりきれなかったのか…。
円筒埴輪片もごろごろ見つかっている。
この写真を撮りながら「突帯だ!突帯!」とがちゃんさんと声を上げ突帯をただ並べていたような記憶がある。突帯は時に人を狂わせるのだ。適当に言ったけど。
観察に夢中になってある間、円筒埴輪リュックは今宿大塚古墳の円筒埴輪と談笑中であった。
「今からお昼に行くけどどうする~?美味しい場所知ってるよ~!」と今宿大塚古墳の円筒埴輪をランチに誘っている。
わたしがそのやりとりを見ていると「あ?終わった?」みたいな感じになった。
「もう行ける?」みたいな空気を出している。
他には革袋形提瓶や
ヘラ記号が入った須恵器
丸隈山古墳の水鳥形埴輪(通称があこ)など、いろいろ見せていただいた。
今回のバックヤードツアーの様子は福岡市の文化財さんのFacebookページに載せていただいており、ツアーの詳細や問い合わせ先も記載されている。気になった方は是非、埋文へGO!
市民の貴重な共有財産である文化財を、マナーを守ってこの先もずっと大切にしていこう!と再認識できたとても有意義なブカツだった。