日刊ほぼ暴力#319
シンプルに前へ踏み込み、拳で腹を突き上げる。安アルコールと胃液が混ざったものを口から撒き散らして四匹目のクソ野郎が引っくり返る。横から飛んできた五匹目の拳をかわし、肘を掴んで投げ飛ばす。斜め後ろから六匹目が襲いかかってくるのは分かっている。腰を捻りながら肘打ちを叩き込む。顎を破壊した手応えがあって、折れた血まみれの歯が何本か飛んだ。ヨロヨロとそいつは後ずさり、地面にのびていた二匹目の脚に躓いてぶっ倒れるとそのまま起き上がらなくなった。俺はまだ立っている最後の一人……五匹目だったか? まあどうでもいい……に向き直った。そいつはクソ野郎のくせに据わった目をして血を吐き捨て、拳を構え直した。気に入らない。その時俺のポケットでスマホが振動し始めた。着信音はしないので目の前のそいつは気付いていない。腿にビリビリ響くしつこい振動だけで着信の内容は明らかだった。鬱陶しい。俺はポケットに手を突っ込んだ。武器を警戒したのか突っ掛かってこようとしていた相手がやや怯む。その顔面に向かって俺はスマホをスイングし叩きつけた。
(445文字)(続かない)
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