KERENMI 『ROOFTOPS feat.藤原聡 (Official髭男dism)』
超大物プロデューサー蔦屋好位置さんのプロジェクトが発足しました。今のJ-Popを作っているのはこの人と言っても過言ではない素晴らしいアレンジャーでもありプロデューサー。そんな彼のソロプロジェクトKERENMIでは彼が現在注目しているアーティストが集まっています。その中でも、彼のサウンドにものすごくマッチしている、藤原聡とのコラボ曲をご紹介ます。
現在のJ-Popを創る人
彼は元々CANNABISと言うバンドのキーボディストでその時にプロデューサーだったのが亀田誠二。この時からプレイヤーとしてだけではなく、亀田誠二のアレンジに対して真向に対決していたみたいです。
バンド解散後、彼は本格的に作曲活動をはじめます。転機となったのは、YUKIのJOY。この曲で頭角を現し、彼の作曲・編曲のキャリアを本格的にスタートさせることになります。
彼の特徴はとにかくポップなこと。ポップ=大衆。色々な知識、セオリー、オーケストレゼーションなど難しいことをきちんと消化しながら、結果アウトプットは非常に聞きやすい、優しい楽曲になっているのが特徴です。難しいことをわかりやすく表現するのが非常に上手いです。
静と動をフルに感じられるROOFTOPS
KERENMI 『ROOFTOPS feat.藤原聡 (Official髭男dism)』
作詞:藤原聡 作曲:KERENMI
編曲:KERENMI
リリース:2020.01.29
非常に静かなシンセとまるで遠くに聞こえる叫び声のようなリードから曲は始まります。まるで深呼吸をしながら次の動きを待つように。
そのあと藤原聡の歌が早口でまるで伴奏のコードの上を駆け抜けるように歌います。これはおそらくROOFTOPS、つまり屋上へ向かう階段を駆け上る様子を表現しているのではないでしょうか。
Bメロでは16分感の強いAメロから急に4分へとかわります。これはさっきほどスピードはないモノの、階段を確実に一段一段上がってるように聞き取れます。
その後サビ前に16分で駆け上がり、サビで一気に空が開けるようなメロディーにうつります。頭の1拍目の伴奏が抜けているのは、映画とかでよくあるビルの階段を駆け上がり屋上に出た瞬間の光に目がくらむ様子をまるで体言しているようなギミックです。一度屋上で立ち止まりそうになるのですが、きちんとサビの最後にまた歩き出す様子が音で表現されてます。
最小限の音数で広がる世界観
ROOFTOPSは一見派手めなダンスミュージックにも聞こえますが、実は使われてる音数は近代のEDMよりも大分少ないです。例えばサビだと伴奏で力強いシンセがコードを弾いていますが、歌を際立たせるためにもこれ以外のシンセはパッド程度しか鳴ってません(あと薄っすらとギター)ドラムに関しても4つ打ちをベースに、スネアを変な場所に入れたりせず常に安定したビートを刻みます。また流石と思わせるのが、最後のサビのそこで目を見合わせ笑おうの後のブレイクでな鳴るドラムの音。この曲は全体を通してThe 打ち込みのドラム音源を使っているのですが、この部分だけ生のドラムのサンプリング音源(スネアのリムショット)これがなんとも効果的で、夢から急に現実に戻される感覚に陥ります。また最後のサビの後だというのがミソです。
そもそも単純にメロディーが良い
アレンジの話ばかりだったのですが、そもそも曲がめちゃくちゃ良いです。心地良い、裏切らないメロディー。凄くシンプルなのですが、耳に残る、思わず歌いたくなってしまう。そもそもそれがベースとしてあるからアレンジをしても映えます。同じアルバムにピアノバージョンが入ってますが、これでも十分なくらいアレンジが成立してます。
まとめ:聞くべきポイント
KERENMIは蔦屋好位置さんが本当に自分がやりたいこと、伝えたいことを好き放題ではなくてちゃんと伝わる方法でやっています。
・歌詞とリンクするアレンジ
・実は少ない音数
・シンプルながらも残るメロディー
是非アルバムを通して、蔦屋ワールドを体感してみて下さい。
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