漫画の一形態、
「ウェブトゥーン」についての
紹介記事を書きます。
というより、私が
ウェブトゥーンについて
あまりよく把握していなかったので、
調べた結果を書いてみた記事です。
ウェブトゥーン、Webtoon…。
語感からすれば、
ウェブ=インターネット?
トゥーン=カートゥーン=漫画?
という感じですよね。
ええ、その通りです。
「ネットで読む漫画」。
えっ、じゃあ、漫画家さんが
ネットに投稿している漫画は
すべてウェブトゥーンなの?
…それが、そうでもないようなのです。
参考記事によりますと、
大きく分けて
次の3つの特徴がある、とのこと。
①ウェブ公開が前提
②原則、フルカラー
③縦スクロールで読む
1つ1つ、確認していきます。
①ウェブ公開が前提
私たちの今までの感覚でいけば、
「漫画」とは
「漫画喫茶のずらりと並んだ本棚」
で思い浮かべられるように、
「紙」に印刷された
「雑誌」「単行本」で
読むものですよね。
当然、漫画家さんも
その完成のゴールを想定して、
コマ割りをして、
印刷されたときにはどのように
見えるか、を計算して
描いていっています。
しかし、ウェブトゥーンでは
そうではないんです。
前提が「ウェブ公開」なんです。
紙や印刷にとらわれない。
紙面のスペースに収めないから
自由な表現ができうる。
動画や音楽だって組み込める。
そういう、仕様です。
②原則、フルカラー
漫画は、「白黒」が多いです。
もちろんアニメでは違いますが、
雑誌、単行本でフルカラーだと
それこそコストが莫大になります。
印刷前提だと、そうですよね。
ですがウェブトゥーンは
ウェブ公開が原則です。
ですので、原則、フルカラーです。
もちろん作り手の労力的には
白黒とはまた違った
大変さがありますが、
その分、表現の幅が格段に広がる。
白黒テレビとカラーテレビなら
どちらが目に訴えかけてくるか、
そう思い浮かべて頂ければ
わかりやすいかな、と思います。
③縦スクロールで読む
スマホなどで読むことが前提のため
いわゆる「縦スク」です。
1画面、1コマ。
すいすいと読めます。
また、すいすいと読めるように
構成されていきます。
今までの漫画が
1ページに複数コマであるのとは
全く概念が違います。
以上の3つが大きな特徴です。
…どう思います?
「こんなん漫画やないで」
「漫画の初心者向けやろ」
「手塚治虫先生に謝れや」
そう、思いますか?
いや、私も色んな記事を
読んでみたんですけど、
これからはこの
ウェブトゥーンこそが、
漫画表現の主流になって
いくのではないかな、と
びりびり感じました。
それは、
紙からスマホへ、という
単純な話では、ない。
要は、
日本でいまふつうに読まれている
漫画表現というものが、
実は世界的に見ると
「かなり難しい」
ということなのです。
「え、漫画、ですよね?
漫画を読むのに
難しいとかあるんですか?」
…そう思われた方は、
かなりの漫画読みの方です。
漫画リテラシーといいますか、
漫画の「お約束」を
呼吸するがごとく知っている人です。
複雑なコマ割り…。
独特なフキダシ…。
時間経過の読み取らせ方…。
たくさんある漫画的な記号…。
これ、けっこう難しいんですよ。
そういうものにあふれている
「漫画」をすらすら読める人は、
世界的に見ると、実は
そんなに多くないんです。
あ、あと、実は日本でも
中高生では、紙の雑誌や単行本より
スマホで漫画を読む割合が
増えてきています。
ですので昔ながらの「漫画作法」を
知っている人の割合は
減ってきているのが現状。
…難しいということは
「広がらない」ということです。
そう、ウェブトゥーンの表現ならば、
世界に向けて、また
新世代に向けて広がりやすいんです。
(生物の進化に取り残された
ガラパゴス諸島にちなんで)
「ガラケー」=ガラパゴスケータイ
という言葉がありますが、
いつの間にか
日本の漫画は発展し過ぎてしまって
「ガラ漫」=ガラパゴス漫画
になっていたのです!
実は、ウェブトゥーンの表現は
お隣の韓国が発祥です。
しかし、この世界標準の
表現方法は、今ではどっと日本や
世界各国になだれ込んでおり、
多くの漫画家さんが
ウェブトゥーンに挑戦されています。
ベストセラーの漫画家、
東村アキコさんの『偽装不倫』、
全世界8億ビュー突破、
アメリカ発の
『ロア・オリンポス』なども
ウェブトゥーン形式で
表現されています。
「LINEマンガ」などもこの形式ですね。
今や、ウェブトゥーンなくして
漫画なし、という状況。
…しかしそのことは、
高度の漫画読みが揃った日本では
(特に昔ながらの漫画表現に
浸かってきた中年以上世代には)
意外にもまだあまり
くっきりとは知られていない、
という状況なのです。
そろそろ、まとめましょう。
雑誌で連載されて、
人気が出たら紙媒体の単行本になる…。
昔はそれがスタンダードでしたが
今やそれだけが漫画の道ではありません。
インターネット、WEB、SNSの発達で
漫画は日進月歩の発達を遂げています。
ウェブトゥーンはその一形態。
スマホになじみやすく
読むための「漫画作法」がいらないため
世界的にも新世代にも広がりやすい。
いつの間にか高度過ぎる発達を経て
「ガラ漫」化してしまった
日本にいるからこそ、
中年以上世代だからこそ、
このようなウェブトゥーンの現状は
しっかりと知っておくべきかな、
と、私は感じています。
【本記事を書く際に参考にした記事について】
◆以下に参考記事の
リンクを貼っておきますので、
ぜひ合わせてお読みください!
①ウェブトゥーンについての
概要を知るなら、
ムービーアンテナさんの
こちらの記事がよくまとまっています↓
②編集者の水野隆さんが書かれた
『2021年の漫画界予測』という
note記事では、
ウェブトゥーンが大々的に
取り上げられています↓
③ストレートエッジの
三木一馬さんは『LINEノベル』の
失敗の反省を生かして、
ウェブトゥーン展開へと向かっています↓
④約10年前の2012年の段階で、
韓国のパク・スインさんは
ウェブトゥーンに関する
学術論文を書かれています↓
⑤東村アキコさんのインタビュー記事、
ハフポストさんの
『紙からスマホへ。
東村アキコさんが「縦読みマンガ」の
無料連載を始めた理由』はこちら↓
合わせてぜひお読みください!
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