なぜと考えるための仮面をまず
仕事や企業に対して「なぜ」と考えることが重要!
絶対服従・思考停止的な仕事をしては
よろしくない、とよく言われます。
『「なぜ」を考えるのは「末端」の仕事ではない。
偉い人が考えてくれるから、疑問を持つな。
上意下達。考えるな、働け』
…そういう時代ではない、ですよね。
一人ひとりが「なぜ」を考え、
組織的にも「なぜ」を考え、
仕事の見直し、事業の再考察、
「そもそもこの仕事は社会に必要なのか」
考えていかねばならない…!
そう、言われます。
ただ、ですね。
トップ、社長、起業してフリーランス、
または経営に参画している幹部(候補生)、
あなたがそういう立場にあるのならともかく、
末端、平社員、吹けば飛ぶような存在、
そんな立場にありながら
「なぜ」と考えることが果たしてできるのか?
可能なのか、有用なのか、必要なのか?
本記事では、そういうことを
あえて考えてみたいと思います。
どうしてもネタが
古くなってしまって恐縮なのですが、
『ガンダム』の初代で、確か
こういうセリフがありましたね。
これは、末端である
名もなき整備兵のセリフ。
シャア・アズナブルという超有名な
撃墜王(エース)のキャラが、
完成度80%の機体(ジオング)を
見て、質問したことに対する答え。
もう少し詳しめに書きますと、
シャアは、完全にできてはいない機体を見て、
「脚がついてないな」
とその整備兵にそのまま質問をします。
シャアは、その機体に乗って戦う身。
万全の態勢で戦いの現場に臨みたい。
それに対して、答える整備兵。
「あんなのは飾りです。
偉い人にはそれがわからんのですよ」
と半ば批判的、自嘲気味に言う…↓
まず言葉通りに受け止めるのであれば、
整備兵は「脚は飾りだ」と思っている
→「あってもなくてもいいもの」だ
→しかし偉い人はそうは思わない
→「見た目が完成すること」が大事
→だから偉い人は現場に
あってもなくてもいいものもつけろと
強権的に命じている
→整備兵はそのことを苦々しく思っている
→8割でもいいじゃないか
→だがシャアにそのことを指摘された
→なので、足は飾りだ、不要なものだ、
偉い人の見栄のせいにして、
現場に立つシャアを安心させている
こんな感じでしょうか?
付け加えると、その機体に乗って戦うシャアは
この回答に対して「気に入らんな」と
一刀両断しています。
それに対する整備兵、当意即妙に
「気休めかもしれませんが、
大佐ならうまくやれますよ」と答えます。
これにはシャアも「どうも」と
苦笑して答えるしかなかった…という場面です。
そう、シャアも、別に80%の整備を
心からとがめているわけではない。
なぜなら、彼もまた末端、現場にいるから。
整備兵がいう「飾り」もまた
理解はできるのです。同時に、
現場にいない偉い人がその「飾り」を
重視していることも理解でき、
整備兵がそれを暗に批判していることも
よくわかっている。
引用と解釈が少し長くなりました。
話を冒頭のテーマに戻しますと
この三つの立場によって、
仕事に対して「なぜ」と考える負担と意義が
変わってくるのではないか、という話です。
「偉い人」=社長、経営者
にとっては、「なぜ」と考えることは簡単。
なぜなら、組織を代表し、組織を動かすから。
この事業が社会にどう影響を及ぼすのか?
それを「自由に」考えられます。
サラリーマン社長なら会社のお金は
厳密には自分のお金ではありませんが、
それでも組織の資金を動かせる存在。
責任も、人事権もあります。
一方で「整備兵」=平社員、バイトは
与えられた仕事をまず、確実に
実施していく必要があります。
そうでないとクビを切られる。
代替が効くスペア的な存在なのですから。
ただ、現場の判断として、
100%の目標が達成できなければ
80%で「妥協」する。
そういうことも許されているかもしれない。
「シャア」は、その二つの立場とは異なります。
「偉い人」「整備兵」どちらもわかる。
整備兵から見れば
替えが効かないアドリブ的な存在
(トップから見ればスペアですが)。
もし彼らが仕事について
「なぜ」を考えなければいけない
となった場合、どう思うか?
そう思うのではないか?
あえて、立場を組織の役職に変えて
書いてみましょうか。
違いが浮き彫りになりますね。
そう、組織を指導する
責任も権限もない「下の者」にとっては、
「なぜ」と考えろと上から目線で言われても
自分が果たすべき業務、ノルマと
同時進行で「こなす」必要があるために
「あんなのは飾りです」と
思うのではないでしょうか?
あくまで「自発的に」考えるのでない限り、
どんなに大事な問いであっても、
ただの「こなすべき業務の一環」に堕して
アリバイ作りの、無責任な
それこそ「飾り」の答えしか出てこない。
大企業ばかりではないですね。
フリーランス、一人親方の人にとっても、
社長、個人事業主ならば、つい
この「偉い人」の立場・視点になりがち。
安直に、上から目線で、
「整備兵」たちに向かって、
◆『なぜ』と考えることが大事です
と、無意識の上から目線で言ってはいませんか?
組織の末端にいる人の視点を忘れていませんか?
もう自分はその立場を「卒業」した、
経営者目線です、と言いたいのですか?
「そういうあんたはどうなの!?」
と言われそうなので、私の立場を言いますと、
『中年世代の複業クリエイター』です。
組織の末端にいつつ、
かつ自分の活動「実用地歴提案会ヒストジオ」
としては代表の立場にいる、
「シャア」のような立ち位置です
(もちろん赤い彗星レベルの名声はありません)
だからこそ、両方の言い分が想像できる。
最後にまとめます。
もし、ここまで読んで
「私、組織の末端にいる『整備兵』なんですが
それでも先行き不安なので
『なぜ』を『業務ではなく自発的に』
考えてみたいです」
という方がいらっしゃれば、
仮面をつけてみればいい、と思います。
シャア気取りで。
つまり「複業」をしてみればいいんです。
自分だけの活動を密かに始めてみればいい。
そうすれば、その活動内においては、
あなたが指導者、経営者になる。
「偉い人」の視点を簡単にゲットできる。
すぐ『整備兵』の立場を捨てて、
不退転の起業独立!としなくてもいいです。
まずは『偉い人』の視点を得てみる。
そこから、でもいいんじゃないでしょうか。
とシャアに言われないよう↓
複合的な視点を複業でまず手に入れては?
本記事は、そういう視点の紹介でした。
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