また会う街へ、アウガの教訓
青森駅前の「アウガ」という施設。
地下1階・地上9階。2001年開業。
アウガ=会うがとは、津軽弁で
「会おうか」の意味があります。
この四つの英単語の
頭文字から名付けられました。
「コンパクトシティの模範例」として
開業当初には日本全国の自治体から
視察団が訪れたアウガ!
…しかし現在は皮肉にも
「コンパクトシティの失敗例」として
取り上げられることが多いのです。
本記事では、このアウガを素材に、
都市問題や都市政策について考えてみます。
まず、そもそも
「コンパクトシティ」とは何でしょう?
都市機能や居住地域をコンパクトにした
行政効率の良いまちづくり!
これが「コンパクトシティ」政策です。
戦後日本では、経済成長にともない
都市は「郊外へ」と広がっていきました。
マイカーの普及も、それを後押しします。
逆に、駅の周辺などは人口が減っていく。
中心に、穴が空いたように見える…。
いわゆる「ドーナツ化現象」です。
一言で言えばコンパクトシティは
この「ドーナツ化現象」つまり
「行き過ぎた郊外化」
という都市問題に対して、
「中心市街地の活性化」を目指して
取られる都市政策、なのです。
…これは青森市だけではなく
全国各地に共通する都市問題。
ゆえに、多くの自治体で、
この都市政策が行われている。
(ここから引用)
(引用終わり)
ただし、このアウガの事例は、よく
「コンパクトシティの失敗例」とされる。
…経営が、破綻してしまったから。
(ここから引用)
(引用終わり)
青森市の近年の市長は、以下の通りです。
ここで、元市長の佐々木誠造氏と、
商業支援ベンチャー会社代表の
加藤博代表に取材した記事を一部、
引用してみましょう。
(ここから引用)
(引用終わり)
…このような経緯をたどったアウガを、
断片的に評価して
「失敗」とだけ断じるのは簡単です。
しかし、その裏には様々な背景がある。
都市問題や政策は簡単ではない。
しかも「後付け分析」ではなく、
「予測」をするのは、とても難しい…。
逆説的ですが、だからこそ教訓として、
過去の事例を知り、分析し、そこから
「未来を予測する目」を
身につけていくべきではないでしょうか?
最後にまとめます。
街や商業の中心地は
へと遷移していく、という説があります。
これを読み違えない。
(全ケースに当てはまるわけではないですが)
③④の段階、すなわち
「郊外化」が進んでいる段階なのに
②「駅前」が街や商業の中心地である
という前提に立って活性化を行うのは
困難なのです。ちょっと無理がある。
そう考えると、
駅前をかつてのような
「商業の中心地」としてではなく、
郊外が担ってきた「住宅地」として
再定義、とらえ直した活性化のほうが、
より効果が上がるのではないでしょうか?
(ここから引用)
(引用終わり)
街は地理や歴史によって千差万別。
千変万化の発展/衰退をたどります。
絶えず変化していく…。
となれば、他地域の「成功事例」を
安直にコピペするでもなく、
どんぶり勘定で施設を作るのでもなく、
「その地域の現在と未来に合った」
街づくりをこそ、行う必要がある。
読者の皆様の街は、いかがでしょう?
「引きつけられる魅力的な場所」ですか?
※本記事は以前に書いた記事の
リライトです↓
『いつも笑顔と喜びにあふれ、
多くの人びとが引きつけられる魅力的な場所』
引用元の記事へのリンクもあります。
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