『ざっとうの詩~絆』と『雑踏警備の手引き』
兵庫県警は『ざっとうの詩~絆』という楽曲を、
ホームページ上で無料公開しています。
(ここから引用)
(引用終わり)
過去には戻れない。
事故で失われた命は、元には戻らない。
ならば、未来への「教訓」として活かす。
そのような強い意志が、感じられます。
ホームページ上で、実際にこの
楽曲を視聴することができるのです↓
私も、聴いてみました。
そんなことが感じられる、
心に染み入るものでした。
とても、印象に残る、楽曲でした。
本記事は「雑踏警備と雑踏事故」について。
兵庫県警は、この「ざっとうの詩」とともに、
『雑踏警備の手引き』という冊子を
ホームページ上で公開しています。
平成十四年度(2002年)に、
作成されたものです。
このような章立てで、
雑踏とは何か、群衆とは何か、
いかに警備を計画し実施するか、
過去にどんな事件があったのかなどが
事細かに記されています↓
これが、すごい!
警察の方が実際に警備をするために
作られたものとは思うのですが、
一般の方が読んでも、
そうなんだ…!という
目から鱗の内容が書かれています。
例えば「初詣」や「満員の駅」の中で
「とても多くの群衆の中で
歩いた」経験のある方なら、
「もし、ここで後ろから押されたら
どうなるだろう…」という恐怖感を
味わったことがありますよね。
私も、あります。
「…逃げればいいじゃないですか」と
思われる人もいるかもしれませんが、
身動きが取れないほどの
ぎゅうぎゅう詰めの人混みの中って、
本当に苦しい。本当に動けない。
逃げられないんです。
また、神社のお賽銭箱に向かったり、
電車に乗ろうとしたり、という
目的があるわけですから、
頑張ってそこに向かっているのに
途中でそこから外れるというのも
心理的に難しい…。
この『雑踏警備の手引き』には、
「群集心理」が事細かに書かれています。
例えば、以下のような特徴がある、と。
また、以下のような行動特性がある、とも。
効果的な警備・誘導をするためには、
このような人間の心理と行動特性を踏まえて、
いかに計画を立て実施すべきか、
そのようなことが書かれているのです。
一読の価値が、あります。
「ざっとうの詩~絆」の紹介文でも
ありましたように、
いくら警察・警備の方「だけ」が奮闘しても、
事故は防ぎきれません。
『来場者、主催者、警備会社そして警察』
この四者の「絆」こそが
悲しい事故を防ぐ、のではないでしょうか。
「ああ、警察のDJポリス、頑張っているな」
「お仕事、お疲れ様です」
ではなくて、
来場者や主催者の立場となりうる自分が、
雑踏とは何か、群衆とは何か、
どんな危険が起こり得るのか、
事前に危機を察知して
回避行動を取るためには
どうすればいいのか?
そういったものを「事前に」
知っておくべきではないでしょうか?
楽しいイベントで、雑踏事故は起こりがち。
誰しもが、笑顔で行って、笑顔で帰って来る、
そのつもりで出かけた、と思います。
帰ってこない、とはまさか思わずに…。
「雑踏事故」で検索しますと、
たくさんの事故や事件が出てきます。
例を、少しだけ挙げますと、
本人が、またその家族が、
辛く悲しい顔になってしまうことを、
未来では、できるだけ防がなければいけない。
「教訓」にして、刻んでおかなければならない。
そのために、この兵庫県警が作った
「手引き」と「詩」は
とても役に立つ、と思うのです。
役に立てなければいけない、とも思うのです。
最後に、まとめます。
リアルな人混みの中で、
「雑踏事故」「群衆事故」は起きます。
しかし、情報爆発とも言われる
SNSが異様に発達したこの現代においては、
オンライン上でも「群集心理」に基づく
「雑踏事故」が起きやすいものですよね。
このような心理が反映された「炎上事故」を
(noteやリンクトインではあまり
ないかもしれませんが)
皆様もSNS上などでご覧になったことが
あるのではないでしょうか?
あれはまさしく
「群集心理」そのもの、ですよね。
かくいう私も、知らず知らずのうちに
そういう心理になってしまうこともある…。
改めて自戒しよう、そう思いました。
「ああ、SNSの運営、頑張っているな」
「通報対応のお仕事、お疲れ様です」
という「運営任せ」「警備任せ」ではなく、
コミュニティなのですから、
来場者たるユーザー自身も、
自重し、協力し、尊重し、連携する…。
そんな意識が必要かな、と感じました。
…そうは言っても、
SNSの活用上で、カッとなりそうな時、
事故が起きがちな心理になりそうな時、
どうすれば良いのか、ですって?
ぜひ『ざっとうの詩~絆』を
一度、聴いてみてはいかがでしょうか?