「紹介漫画」と「紹介小説」の比較より
武内 伸雄 さんのツイートから派生して
様々に考えてみたので、紹介します。
武内さんが先日、以下のツイートをされたんです。
(ここから引用)
(引用終わり)
私はこのツイートを拝見し、
以前に私が 恩庄 香織 さんのオファーから
ツール紹介の小説(設定原案)を書いて
提供したことを思い出しました。
短編小説『ゆりいか池の精』という作品です。
その経験をリプにてお知らせしますと、
武内さんから以下のご返信をいただけた。
(ここから引用)
(引用終わり)
突然の事例紹介、リプにもかかわらず、
紹介した作品をお読みいただき、
しかも小説と漫画の本質の比較から
『ご提案』までいただくことができて
嬉しかったです!
武内さん、ありがとうございました。
さて、ここからはこのやり取りを元に、
「サービス紹介」に関する
「漫画」「小説」を比較してみます。
まず共通の前提として、何かを紹介する、
つまりは「広告」の意味合いが強いため、
紹介するサービスを「否定」することが
しにくいことが挙げられます。
「サービスの利点」を取捨選択、トリミング、
「これを使えばこんないいことがあります!」を
読者にわかってもらうのが主目的になりがち。
…当然ながら
「ビフォー/アフター」になりがちですよね。
これがパターン。様式美。
『ゆりいか池の精』も、基本、このパターンです。
ここで私は『孤独のグルメ』を思い浮かべました。
「原作漫画版」は実在の店がモデルなのですが、
匿名改変してあるため、主人公ゴローさんは
店に対して「是々非々」で向かいます。
時には店長と「対決」することもある…。
けっこう好き勝手に描かれている。
決して肯定一辺倒ではないんですよ。
これに対して「ドラマ版」では、
「実在の店をそのままロケに使う」ため、
基本、店を否定することはしません。
(店長に関節技をかけたこともありましたが)
つまりは、ビフォーアフターの構図、
様式美、なのです。
ドラマ版には、原作版には無かった
「実在の店を紹介(広告)する」という要素が
含まれているから…。
よりわかりやすい例で言えば
「進〇ゼミ」の広告漫画。
皆様も、目にしたことがあるのでは?
さて、ここからは漫画と小説の比較です。
漫画は、取捨選択とトリミングと誇張の
表現技法でもあります。視覚情報。
内容をビビットに伝えやすい。
それに対して小説は文字情報。ゆえに、
読者は「読解」をしなければいけない。
ハードルが上がる…。
私は、そう思っていたのです。
ただ、武内さんのご指摘に、ハッとしました。
>想像の膨らみ方も
>漫画や映像などの視覚情報とは
>全く異質なモノになりそう
小説なら、漫画にはない
「想像の余地」を生み出せるのでは…?
漫画が取捨選択で「捨てた」部分も拾える…?
また、子どもと言っても千差万別。
漫画表現・視覚情報よりも
「小説表現・文字情報のほうが
馴染みやすい人」がいるかもしれない。
それは大人においても。
つまり「絞り込み」もできる…?
そう考えるとターゲットを精査すれば
「紹介小説」の世界にもフロンティアが
広がっているのでは?と考えた次第です。
(もちろん、面白いものが書けるよう
精進しなければなりませんが…)
最後に、まとめます。
本記事では武内さんのツイート・ご返信から
「紹介漫画」「紹介小説」について
深掘り考察をしてみました。
以前に私が、会社(団体)ページで連載した
『ミシェルとランプ』という長編小説も
「ツールの紹介」目的からスタートしました。
「広告宣伝」要素と「話の面白さ」要素とを
両立させるため、苦心しました。
>面白いってことはそれだけ
>人の行動を誘発するチカラを
>持っているはず
私も、同感です。
このテーマ、また考えてみたい、と思います。
…読者の皆様は、どう思われましたか?