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①通勤電車と②消防車の優劣をつけられますか?
…いや、どちらも大事、ですよね。
それぞれのスタンス、立ち位置が違うだけで、
社会にとっては、両方、必要です。

本記事ではこの対照的な二つの乗り物・仕事を
対比させる形で「適材適所」について考えます。

①通勤電車

たくさんの人が、日々、利用します。
必要なのは「時間通りに正確に運用」すること。
少しでも時間が遅れれば、
たくさんの人に影響が出ますよね。
決まったレールの上を、いかに正確に走るか。
定型業務の極み、のようなものです。

普通に、時間通り運用して「当たり前」。
満員電車ともなれば、
人を押し込める駅員さんまで登場して、
過酷な状況になることもある。
そんな中でもいかに「安全」に、かつ、
「時間通り」に運用できるか!
それが通勤電車の腕の見せ所です。

これを会社(組織)の仕事に当てはめますと、
後方支援、経理や庶務、労務など、
きっちりと計算や書類手続きなどをする仕事、

に似ているかもしれません。
繁忙期でも給料振り込み業務は必須。
ミスなくきっちり仕事をして当たり前。
もし振り込み先などを誤ってしまいますと
大変なことになってしまいますから…。

②消防車

いかにスピーディーに事件を解決するか。
火事は、待ってはくれません。
その現場は、一期一会で非定型の極み。
ケースバイケースで判断を繰り返して、
一分一秒でも早く適切に
「火消し」をすることが求められます。
時にはハシゴ、時にはホース、
ありとあらゆるツールを駆使する。

「緊急車両」として、
通常の交通ルールを破ることすら、
社会から認められていますよね。
ルールを厳守していたら、
ますます被害が広がってしまいますから…。

これを会社(組織)の仕事にあてはめますと、
クレームや不祥事の対応の広報、爆弾処理班、
そういったお仕事になるでしょうか?
広い意味では、会社の倒産という大火事を防ぐ
営業活動もこれに当たるかもしれません。

普段は昼行燈でラクに見えても、
緊急時にはガツンと迅速に動いて
夜討ち朝駆けで事件を解決していく。
「〇〇、寝ろ」と言われるような
不眠不休の状況も起こり得ます。
「備えよ、常に」が合言葉です。

さて、対照的な二つの乗り物、仕事を
挙げてみました。

読者の皆様のお仕事は、
どちらに近いでしょうか?
また、どちらの仕事のほうが
性に合っているでしょうか?

…ふつうは、個人レベルでも
「どちらもやっている」ことが多いでしょう。
組織レベルともなれば、部署を分けて
「分業」していることが多いかと思います。

もし『人事』でしたら、
定型/非定型、どちらの業務もありますよね。
労務的な経理・手続き型のお仕事は①通勤電車、
採用やハラスメント対応的なお仕事は②消防車、
どちらも考えられます。

『営業』においても、
定型/非定型、どちらの業務も考えられます。
ルート営業、定価商品の見積りなら①通勤電車、
飛び込み、商談、オーダーメイド商品の見積り、
あるいはクレーム対応なら②消防車、
「営業アシスタント」に定型業務を任して、
営業担当は非定型業務に専念する、
という分業体制もあったりします。

「決まった仕事だけやってる奴らは楽だよな」
「緊急対応の部署って、普段は遊んでるよね」

このように、お互いの業務を批判するのは、
通勤電車が消防車を批判したり、
消防車が通勤電車を批判したりするのと
同じ
ではないでしょうか?
つまり、無意味です。
全体から見れば、どちらも必要なのですから。

では、まとめましょう。

適材適所、といったことを考えた時、
お互いがお互いを相互補完できれば、理想。
定型、通勤電車の仕事で忙殺されている時に、
非定型、救急車的な仕事が入ってくると、
「キーッ!」となりがちですよね。
一人だけで全部やるのは、きついものです。

これが『経営者』ともなれば、
会社の日業常務を統括しつつも、
資金繰りに火事が起こらないようにする。
「経理」+「営業」=「経営」、
常に「通勤電車兼消防車」ですから、
人を雇う、分業する、外注する、という形で
うまく適材適所を図りたいですよね。

もし①通勤電車的な経営者であれば、
②消防車的な人を相棒に持ちたいところ。
②消防車的な突破力のある経営者なら、
①通勤電車的な堅実人材が相棒にほしい。

この観点から見ても、
いくら自分には向いていないからといって、
お互いを批判するのがいかに無意味か、
わかるのではないでしょうか。


個人の特性には、凸凹がある。
組織や人材配置にも、凸凹がある。
他者のそれを見極め、自分の凸凹を見極めて、
うまく自分をプロデュ―スして、
あてはめて持ち味を活かしていくことが大事。

逆説的になりますが、そのためにはあえて
「自分に合っていないであろう業務」を
「体験」してみる
のもいいのでは?

「ああ、やはり、自分には合わないな」と
発見できるだけでも、しめたものです。
やらずに考えるのと、やってみるのは大違い。
脳内だけで「あんな業務はまっぴらごめん」と
考え出しますと、妄想ばかりが膨らんで、
「食わず嫌い大王」が爆誕してしまいますので…。

最近は「職場体験」「インターン」などで
色んな仕事を試食、つまみ食いすることができる。
とてもいいことだ、と思います
(私の新卒の頃はそんな機会が少なかったので…)。

以上、新卒就活シーズン本番を迎えた方や、
新卒一年目で五月病をこじらせて
「こんなん俺の仕事じゃねえ!」と
ちょっとアンニュイな気分の方、
およびそういう方に向き合う人事や
ベテランの方も多いのかな…、
と思って書いてみました。

さて、読者の皆様は、①通勤電車/②消防車、
どちらの仕事をすることが多いですか?
どちらの仕事が好きですか?
皆様の会社では、どちらの人材が多いですか?

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