前の投稿にて
「プロセスエコノミー」について
紹介した↓
一言で言えば
「完成品でなく『制作過程』を売る!」
という手法である。
この考えを、歴史に援用できないか?
「プロセスヒストリー」と仮に名付けよう。
エコノミーが「経済」なら、
ヒストリーは「歴史」。
どちらも、この複雑な社会を
認識する視点、観点だ。
まず、同じことを考えている人が
いないかと、ググる。
「プロセスヒストリー」で検索クリック。
…そのものは、すぐには出ない。
次に、定義付けを試みる。
「完成された歴史を眺めるのでなく
『制作過程の歴史』を使う」
こんな感じだろうか?
「完成された歴史」/「制作過程の歴史」
を対比して、より明確にしよう。
完成された歴史とは、
いわば「教科書の歴史」。
隙が無い。確定したかのような歴史。
学生はこれを「覚え」
記述に沿って誤っていないかを
「テストで確認」。
使うより、覚え、眺めるもの。
リザルトヒストリー。
結果としての歴史だ。
これに対して「制作過程の歴史」は
いわば「作りかけの歴史」。
解釈はいくらでもできる。
学生(若い人に限らない)は
これを教材にして「考え」、
自分なりに「使う」。
プロセスヒストリー。
過程、使うための歴史だ。
…ここまで考えて、
なぜ「リザルトヒストリー」が
(日本の)学校教育では主流となり、
「プロセスヒストリー」が
扱いづらいかを考えてみた。
…これは明確。
「評価」がしにくく、時間がかかるから。
リザルトヒストリーは〇×だ。
記述に即して、正しいか誤っているか。
江戸幕府をひらいたのは源頼朝?→×。
明確。
これに対してプロセスヒストリーは
正しいか誤っているか、ではない。
事実より解釈、考察だから。
江戸幕府は源頼朝の鎌倉幕府を
参考にして作られたのではないか…?
→そういう観点もある。
「実用性」から言えば、
後者のほうが高い。しかし
「〇×のつけやすさ」から言えば
前者に圧倒的に分がある。
オープンエンドとなりがちな
プロセスヒストリーは
「進学受験」を前提とした
今の日本の義務教育には
なじみにくいのだ
(ゆえに、受験を前提としない
一貫校等でないとガチではやりにくい。
もちろん大学受験まで視野を広げれば
難関校の二次試験などは
後者の問い方のほうが多いが
私立だと難問クイズっぽいのも多い)
あと、プロセスヒストリーの欠点も
考えてみよう。
それは、「使えればいい」という
観点が強くなりすぎて
「ウケの良いものだけ取捨選択」
「事実がどうあれ、
都合の良い部分だけ取り上げて
都合の悪い部分はなしに…」
となりがちなことだ。
事実、国や地域によっては、
「輝かしい歴史」ばかり列挙する
ところもある。
ただし、いわゆる「失敗」こそが
未来には役立つ、という観点もあろう。
このような現状・欠点も踏まえつつ、
「プロセスヒストリー」
うまく使えないかと思う。
それは「実用地歴」を提案する私、
ヒストジオになじむ考えだからである。