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上弦の月と穏やかな暗がり

昨日の朝は上弦でした。

7時になっても家の中は薄暗く
我が家のねこたちは
動かずにまるく眠ったまま。

庭に面した窓を開けると
冷たい雨が降っていました。

枯れた草や乾いた土が水を含み
冷えているけど優しい匂い。

寒い寒い、開けないで
と言わんばかりに
部屋の奥へ走り去っていったねこたちが
鼻を動かしながら
そろそろと窓辺に戻ってきます。

暗い朝。
深呼吸して、静かに1日が始まりました。


さて、このnoteと同じく今月1日
私はInstagramを始めました。
アカウントはこれでふたつめ。

↑こんな感じの投稿をしています。

暗い。


作り終わって再生したあと

『く、暗い……!』

と、我ながら思うのですが…


SNSに触れていると

見逃したくない
すべてが知りたい
役に立つことを教えてほしい

そういう思いが
自分の中で
強くなる時があります。

同時に
人から注目されたい
自分をよく見せたい
多くの人に賛同されたい
という『言葉にならない声』も
あちこちで飛び交っていると感じます

(簡単に言ってしまえば
 それが『承認欲求』なのでしょう)

それはどれも強い光を放っていて
時々目が眩みそうになります。
私の中にももともとある
なけなしの『承認欲求』に光が当たり
目をそらしたくなることもあります。

光と光はぶつかり合って影を打ち消します。

心の中の疲れや
ちいさなささくれや
消えずに残る古い悲しみまで
光の中に引きずり出されて
居場所を失っているように思うのです。

たぶん私は
「穏やかな暗がり」を求めているのでしょう

虫たちが土の中で春を待つように
忙しく飛び回った鳥たちが
小さな巣で眠るように
傷ついた獣が物陰で身体を休めるように

心の奥底に沈む
「穏やかな暗がり」を
私は時々、無性に訪れたくなるのです、きっと。

…まあ
明るく華やかな世界にモノ申したくなる
ただの天邪鬼なのかもしれないけれど。


今朝は清々しく晴れました。
いま、夜空は澄み渡り
天頂近くに美しい月が出ています

ではまた、
次は満月の頃に。


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