「140字・20秒の恋歌:㊺きみの半分」
『この世の男の中で、一番きみが好き』
きみはいつもそう言う。でもその視線は僕を通り抜けて、見えない鳥居をくぐってしまう。
きみの半分は鳥居の向こう側。あの男が、連れて行ったきり。
僕はきみを抱きしめながら思う。
あそこにいるきみも。
いつか僕が取り戻すよ。
もう。
決めたんだ。
『この世の男の中で、一番きみが好き』
きみはいつもそう言う。でもその視線は僕を通り抜けて、見えない鳥居をくぐってしまう。
きみの半分は鳥居の向こう側。あの男が、連れて行ったきり。
僕はきみを抱きしめながら思う。
あそこにいるきみも。
いつか僕が取り戻すよ。
もう。
決めたんだ。