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【2024年末】プレイ済みノベルゲーム作品
プレイした作品を、
プレイ順に改めて振り返る(ネタバレ無し)。
2024年末(10月~12月)編。
作品の紹介が1、感想は9でお送りします。
(作品のパケ画像から公式HPに飛べます。)
①飢えた子羊
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2024年に発売された中国産のノベルゲーム。
その舞台は明朝末期。
(1600年代の中国)
災害が頻発し、飢餓で人々は死にゆく。
そんな地獄のような乱世を生きる
盗賊の主人公と少女たちの旅が描かれています。
海外産のノベルゲームは初めてプレイしたのですが、こんなにも完成度が高いのか‥‥‥と衝撃を受けました。
非常に重いシナリオ、その世界観。
彩る音楽とグラフィック。
どれもが高品質でした。
これぞノベルゲームといった感じに、選択肢が非常に上手く使われていたのがすごく好印象。
メインヒロインの子も非常に魅力的で、少しづつわかって来る真相にドキドキが止まらず、選択肢によって変わるその結末に強く心を動かされました。
②(国シリーズ)
みすずの国、キリンの国、雪子の国という完結済みの3作をプレイ。
(これらの過去を描いた『ハルカの国』は完結してからプレイ予定)
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現実の中に天狗と呼ばれる存在がいて、天狗・天狗になった人間・人間のドラマを描いた作品。
私がこのシリーズで特に高く評価しているのが、
・文化的な知識が豊富なKazukiさんによる解像度の高い描写
一番印象的なのは”モノ”の描写。ありふれた自然。美しい景色。
・テンポが良く引き込まれる会話と魅せる展開
中盤から面白くなり、
没頭して読んでしまいました。
みすずの国は国シリーズへの導入。
キリンの国でこの世界の全体像が見えてきました。
(どちらもフリーゲーム)
雪子の国は以上2作品の未来の話。
完成度もかなり高くなっており、心動かされる場面が多くありました。
しかし、3作はそれぞれ話がつながっているせいか、次の伏線にしていたり説明が無い部分も多く見られ、読後感は△でなんかスッキリできないのが私としては残念なところ。
国シリーズについて詳しくは↓
味のある絵はシナリオと同じくKazukiさんが自ら描いたもので、音楽はフリーBGMを利用されています。
そんなに数をやっているわけではありませんが、同人ノベルゲームとしては非常にレベルの高い作品といえるでしょう。
ことシナリオに関しては商業ノベルゲームを上回る質の高さ。
個人的には絵を外注してすべてオリジナルの音楽にしたらもっと良くなるだろうになとは思いました。システム面もあまりに不便すぎる。凄く惜しい。
‥‥‥なので。
Kazukiさんの商業作品『たねつみの歌』への期待が高まる。
(2024年12月にAniplexexeより発売。プレイしたので後述)
③CAFE SOURIRE
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CUFFSの最新(最終?)作。国シリーズと同時進行でプレイしました。
安瀬聖さんの音楽(本作においては特にOP曲とED曲が神)と☆画野郎さんの可愛い絵が最高でした。
舞台は主人公の父が経営しているカフェ「SOURIRE(スーリル)」。
CUFFSは家族関係のテーマを作品に入れてきますが、本作も変わらず。
昔の幼馴染と一緒に暮らすことになったり、再婚により今の幼馴染たちと同居することになったりと、”関係性の変化”による心情の移り変わりを描いていました。
ヒロインたちは非常に可愛く、サブキャラも魅力的で読んでて飽きなかった。
キャラゲーとシナリオゲーの中間って感じの作品。
(CUFFS作品はどれもそういうイメージがありますね)
④おにいちゃんだぁいすき! ~LOVE? or LIKE?~
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CUFFS第4作。
シナリオのテーマにCUFFSらしさがないこともないが‥‥‥。
私はある程度高く評価されている作品のみをこれまでプレイしてきたので、今回はじめて理解しました。
”地雷作品”というやつを。
中身については”批評空間中央値55”から察してもらえればと思います。
怖いもの見たさであっても50点台はさすがにやるべきではないですね。
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(キャラの絵はたぶんカントク先生かな)
非常に好みなので攻略したいんですが???
この作品で唯一褒められるところは音楽です。
なんてったって安瀬聖さんですから。
聴いていて心地よいBGM。
心に染みてくるのでこれだけで泣いてしまいそうになりました(笑)
完全に私の好みの話になりますが、BGMに限っては『CAFE SOURIRE』よりも良曲が多かった。
OP曲は安瀬聖×Ducaの隠れた神曲「向日葵」。
知らない人かなり多いんじゃないかなぁ。
↓2:55あたりからちょこっとだけ試聴できます。
⑤アメサラサ ~雨と、不思議な君に、恋をする~
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CUFFS第4作。
感情の浮き沈みにより雨を降らせてしまう雨男体質な主人公。その不思議な体質のせいでいろいろと苦労している彼が成長・恋愛する話。
この作品で大好きなのが素敵なタイトルとタイトル画面。
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なんだろう。
グッとくるものがあります。
こういうの好きなんですよね。
そして名OP曲「アマオト」
私がDucaさんにはまるきっかけになった曲なんです。実は。
歌手(Duca/mao)×作曲家(黒須 克彦)が「夢をかなえてドラえもん」タッグとしても非常に有名。ED曲も同様です。
雨の時期に一番聴きたい曲。
シナリオについてはまあ、うん。
・・・・・・・・・・・・・・・・
霖(メインの子)ルートだけは良かったです。
それ以外はおまけみたいなもので、良いシーンがないわけではないものの、かなり足を引っ張っていました。
プレイするのは霖ルートだけでいいだろってくらい(笑)
他に良かった点
・CG作画が綺麗で可愛く描かれていているものが多い
・安瀬聖さんの美しいBGM
あるクラシック曲が作中で流れていて印象的でした。
この作品をプレイすれば、
きっと”雨”が好きになる。
⑥ワンコとリリー
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CUFFS第二作。
トノイケダイスケ×安瀬聖タッグの短編作品。
幼馴染のお姉さん透子とのデート
もとい、
”ワンコ”と”リリー”という2匹の犬を引き連れて散歩するお話。
お散歩癒しゲーとでも言いましょうか。
ただ『さくらむすび』と世界が繋がっているようで、本作もいろんな狂気(見えない力)が裏に潜んでいるように思えてならない。
この世界の愛玩動物(ペット)は人間の容姿で犬耳と尻尾がついています。
ふと私はある作品を思い出しました。
杉しっぽさんの「まめはペットで、美少女で。」
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つい表紙買いし、めちゃくちゃはまった思い出深い少女漫画。
ヒロインは犬っぽい女の子なのですが、もう可愛くて可愛くてしょうがないんですよ。
また読みたいな。今でもたくさん萌えられそう。
‥‥‥はい。
完全に個人的な話で脱線しました。戻ります。
何が言いたいのかというと、この漫画ではあくまでも犬っぽい”女の子”、一方でワンコとリリーは女の子みたいな”犬”であるというのがいろいろヤバくて‥‥‥笑
ネタバレになるので詳細は伏せますが‥‥‥。
この設定に対して倫理的に抵抗感は無かったと言えば噓になります。
けれども!
そんなことは正直どうでもいい。
ワンコが体を摺り寄せ、胸に顔をうずめてくんくん甘えてくる様子が映像のように見える、異常なほどに解像度が高い文章は最高でした♪
さすがはトノイケダイスケさん。
その良さがわかる人であれば本作は必読。
安瀬聖さんの音楽の力も大きく、
癒しと感動を得られました!
(本作はオールクリア必須です)
⑦たねつみの歌
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2024年新作の大大大大大本命。
ずっと楽しみにしていました。
国シリーズを手掛けているKazukiさんによるシナリオ、音楽は原田萌喜さん、絵はpopman3580さんとマニアニさん。
あの『ATRI』や『ヒラヒラヒヒル』で有名なANIPLEX.EXEさんから出るノベルゲームということで、期待しかありませんでした。
まずOP曲(ムービー)が神。
2024年新作の中で一番好きです。
娘と母と、それから私(みすず)。
神々の住む4つの国を巡る冒険。
”家族”の形、在り方についてすごく考えさせられました。
シナリオの高評価ポイントは概ね先述通り(Kazukiさんの国シリーズ同様)。
Kazukiさんのシナリオ・文章に初めて触れる人は、かなり目新しさを感じるだろうなと思います。
国シリーズ以上に理解しやすくウケの良い作品に仕上がっており(そのぶん失ったものも少なくないように感じたが)、心を何度も揺さぶった。
相変わらず見せるべきところをしっかり魅せるのが上手い。面白いところはすごく面白い。
Kazukiさんの描くケモノには私は特に弱いようで、わんわん泣かされました(笑)
ただ、全体的になんかしっくりこないものがあるんですよね。
後半は展開の強引さや無理やり感がありました。
さらにKazukiさんの文章と豪華すぎる演出は相性が悪い。
読むテンポが悪くなっていたため、さすがにやりすぎなんじゃないかなぁとも思いました。
⑧『Garden』
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CUFFS第5作
2024年のプレイ納め。
↓神OP曲(に神ED曲の作品でした)
心に深い傷を負い、人と関わるのを避けていた主人公。
そんな彼が転校先で出会ったのは、
人の心を読めるという美しい少女。
そして。
そこにあったのは、
優しくて暖かなアイの庭――。
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それはきっと、
神ゲーと呼ばれるほどの高いポテンシャルと大きな期待があったからでしょう。
クリエイター陣を見る限り、約束された名作。
‥‥‥しかし残念ながら、宣伝とは違い
・複数ライター制に変更
(メインのトノイケダイスケさんはほぼ共通のみ)
・ルートによってキャラ崩壊が起こっている
・整合性が取れていない部分が多い
・明らかに未回収な伏線の数々
・シナリオ上重要であるはずのヒロインに個別ルートがない
‥‥‥など多くの問題があって荒れに荒れ、地雷作品扱いに。
当時、全体的な完成度が著しく低かったのは紛れもない事実でしょう。
というか今もなお未完成です。
でも現在それを理由にやらないのはもったいなさすぎる作品。
というのも、
”最新パッチ適用後”のトノイケさんが担当している共通+新たに追加された個別ルート(愛ルートと絵里香ルート)の出来が素晴らしかったから。
さくらむすび好き、トノイケさんの文章好きとしては大絶賛するほかなかった。
(☆画野郎さんの絵と安瀬聖さんの音楽の良さについてはわざわざ改めて言うまでもない)
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本作の批評空間での中央値が72、平均値が61(標準偏差29)と非常に低くなっていますが、トノイケさん担当分が80~100点レベル、それ以外が40~70点レベルのため、作品の総合評価としては70点台前半に落ち着いているという印象です。トノイケさんがすべてシナリオを担当してたら間違いなく神ゲーになっていた。
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特に。
未攻略ヒロイン姫宮瑠璃の親友であり、
もう一人のキーともいえる星野絵里香。
この子の存在だけで本作のマイナス部分なんてどうでもよくなりました。
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最新のパッチで追加された新・絵里香ルートの濃厚さよ。
物語の一番最初から手直しされ、元々あった絵里香ルートの問題点をある程度改善し、大量に加筆修正されたこのルートはトノイケさん純度100%。
まるでトノイケさんが魂を削り、命を燃やして描いたような、狂気的な萌え具合でした。
感情移入しまくり。多幸感に浸りながらずっと泣いてました。
このときのためにこの作品をプレイしたんだと思えるくらいに良かった。
ありがとう。
心から、ありがとう。
愛しい絵里香。
新・絵里香ルートは2024年にプレイした作品の中で最も好きな個別ルートに。
最後の最後に素晴らしい出逢いをしました。私が絵里香ラブすぎるだけのような気がしないこともない
甘ったるく優しい癒しの雰囲気や、
いちゃらぶ描写(笑)に関してはさくらむすび同様に最高峰。
トノイケさん作品(特にさくらむすび)のファンであれば、絶対に後悔しないのでプレイしてほしい。
(『Garden』は遺作のようなもの。本作を最後にトノイケさんは表に出てこなくなってしまったようで、今頃ファンになった者としても辛いものがあります。期待はせず、いつか復帰されることを祈っています。)
おわりに
過去の記事で短編には限界があるよねとか、もう今年は新しい作品をプレイしないとか言っておきながら‥‥‥
‥‥‥見事に前言撤回!(笑)
飢えた子羊がどうしても面白そうでノベルゲームやりたい欲を抑えきれなくなりました。やって正解だった。
そのおかげでノベルゲームへのモチベは過去最大となり、そこで短編をたくさんやってみることにしました。
短編ならではの良さっていうものを発見できたので、これからも発掘していきたいな。
そして。
批評空間の点数の信用性の高さを思い知ることに。
点数が低くなるだけの理由(おそらく主にシナリオかシステム面かな)がちゃんとあるようで。
2025年に20周年を迎えるブランド”CUFFS”の全作品制覇のため中央値50~60点台のものもプレイしましたが、今後はこの低さだったらさすがにやらないかな(笑)
好きそうな場合を除いてやらない方が良い気がする。うん。
安パイは70点以上だと思う。
2024年のまとめと振り返り
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2024年プレイ作品の振り返りはこの1枚で済ませます(笑)
2025年はKeyの完全新作フルプライス作品『anemoi』などの発売が予定されているのでとても楽しみです!!
最後に。
ちょうど一年前(2023年の12月)にnoteを始めました。
それまで文章を書くという経験がほとんどありませんでしたが、ノベルゲームへの熱量と、記事を読んでくださる皆さまのおかげで一年間なんとか続けてこれました。
本当にありがとうございます!!!!
これからもどうぞよろしくお願いします!!
それでは皆様、良いお年を!