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【ネタバレ無しレビュー】『さくらむすび』のススメ~神BGMの古き良き名作ノベルゲーム~

本記事は『さくらむすび』に興味を持ってもらうことを目的とした紹介記事(ネタバレ無し/読了目安5分)です。

それではどうぞ!!


『さくらむすび』とは

2005年8月5日に発売されたノベルゲーム(18禁)。
アダルトゲームブランド「CUFFS」の処女作。

シナリオは『水月』のシナリオライター
トノイケダイスケ」さん

原画は同じく『水月』担当の原画家
☆画野朗」さん

音楽はCUFFS系列ブランド(例えば「CUBE」)の作品を中心にBGMや歌曲を数多く担当している作曲家
安瀬聖(ANZE HIJIRI、ANZIE)」さん

まずは、さくらむすびのOPムービーを見てみてください。

流れている曲は「さくら Demo Version」
ピアノ一台で奏でる、穏やかでありながらも感傷的な気分にさせられる名曲です。

「さくら」はみんなのギャルゲ/エロゲ音楽R TOP300のBGM部門で「夜の向日葵」「夏影 -summer lights-」に次いで3位(全体では197位)であり、人気の高さがうかがえます。





ストーリーとキャラについて紹介した後、
感想(ネタバレ無しレビュー)や特にどんな人にオススメか、プレイ時の注意点などを順に説明していきます!!!
ぜひもう一度最初からOP動画を再生し、曲を聴きながらこの先をお読みください(笑)




ストーリー紹介


僕には、両親がいない。
そのことに気づいたのは、物心ついてしばらく経ってからのことだった。
僕の側には桜がいて紅葉がいて、養ってくれる大人たちもいて。
それで、何もおかしいことなんてない。
そう思っていた。

だから両親が事故で他界しているのだ、ということを理解した際も、特に衝撃を受けたという記憶がない。
どうしたって、僕にとっての両親は、ここまで僕を育ててくれた二人でしかありえなかったから。

けれども…
どうして僕と桜が別々の家に引き取られたのか。
そのことだけは、とても疑問に思っていた。

子供を一人養うということがどれだけ困難であるか。
当時は、それを想像することすらできなくて…
幼い日の僕たちにとって、それはただ理不尽な話でしかありえなかった。

どうして兄妹が離れて暮らさなければいけないのか。
この世界には神様だとか魔法だとか、何かしら目に見えない大きな力があって。
それが僕たちから両親を奪い、そして今度は妹までをも奪おうとしているんじゃないか?

そんな幼い考えに囚われていた、あの頃。

僕は確かに子供で…
自分一人ではなんにもできなくて…

ただ、桜の実の兄であること。
それが、幼い僕の精一杯だった。

だから――
早く大人になって、僕が桜を守るんだ、と…
僕だけはずっと桜の側にいてあげるんだ、と…

あれから、ずいぶんな時が流れ
数ヶ月後には卒業し、真剣に将来を見据えなければならないこの時になっても

しかし僕は、未だ子供のまま――

いつかの幼い誓いを、果たすことができずにいる

『さくらむすび』公式HPより抜粋



メインヒロイン紹介


桐山 桜(きりやま さくら)

ほんわか。ふわふわ。かわいい。

主人公である圭吾の妹。
圭吾とは別の家庭(秋野家)で育てられた。
年齢に相応しくない心身の幼さで、唯一の肉親である圭吾への依存度が非常に高い。
極度のお兄ちゃんっ子でスキンシップが激しい。
単なるペット的な可愛さと、ある意味獣的な厄介さもとい純真さを兼ね備えていて(?)……


秋野 紅葉(あきの もみじ)

笑顔が可愛い。眩しい。
最高のヒロインです。

圭吾の従姉妹かつ幼馴染で、実の姉妹のように育てられた桜にとってのお姉ちゃん。
圭吾と桜のことを大切な家族だと思っている。
明るく開放的な性格で、いつもニコニコ。
圭吾への無防備さは桜にも負けないほどで、誰が見ても恋人のそれ。
なんかいつも所かまわずいちゃついてるようにしか見えない。しかも最初から。
末永く爆発しろ!


瀬良 可憐(せら かれん)

可愛い美人さん!!!好きです!!
生まれて初めてロングヘアも良いなと思いました。

桜の同級生であり、圭吾の友人『瀬良邦彦』の妹。
才色兼備を絵に描いたような優等生。
しっかり者だが茶目っ気もあり、
そのギャップがまた……👍
そんな彼女のことを嫌いな人はおらず。
圭吾を「先輩」と呼んで慕っている。




感想(ネタバレ無しレビュー)

『さくらむすび』を一言で表すなら、
”神BGMの中編雰囲気ゲー”かなと。
プレイ時間は約15時間。
魅力的に描かれたキャラ、
心へ同時に傷と癒やしを与えるシナリオ(及びテキスト)、
神BGMで雰囲気が抜群に良いノベルゲーム作品です。


批評空間での評価コメントからいくつか抜粋↓
「傷口を優しく撫でられるような痛みと充足感」(@ajuiceandpieさん)
「ぬるま湯のような心地良さの中に時折感じる薄気味悪さ」(xero00さん)
「とても暖かい雰囲気の、良い作品でした。雰囲気に泣けます」(gokuriさん)
「紅葉がひたすら可愛い。最初から最後まで萌えっぱなし。」(exodus8888さん)


……まさに。
どれもすごくよくわかります(笑)



私にとって大好きなノベルゲーム作品の一つになりました。


【特に優れていると感じた点】

雰囲気

読んでいるときはこの作品の醸し出す雰囲気にずっと癒されていました。

相性が良すぎたせいか狂ってしまう……
(プレイ中の私のコメント)

……そうです。
良い雰囲気を作り出しているのが主に以下の三つ。

文学的文章(テキスト)
説明的文章が増えている現代において貴重で愛おしい文章。
主人公視点での心理描写や行動描写、情景描写が丁寧。
(あまりにも好きすぎる……笑↑)
キャラの魅力の半分は文章によるもの。

音楽
本作品一番のウリ。
この存在だけでやる価値がある。
メロディアスな楽曲で、初めて聴いたときからでも心地よさを感じられるような神BGM。
音楽の評価が高い作品のBGMが平均80点だとすると、本作のBGMは平均95点です(私的には)。

ボイスなし
「”文章”と”音楽”に集中でき世界観に浸れる」
「文章の良さも相まってキャラの一つひとつの行動・細かい仕草がはっきりと目に浮かんできたり、自分がイメージしているキャラの声がそのまま脳内再生される」

……といった感じに、本作品ではボイスなしが大きく+に働いている。



良質なシナリオ

明らかなマイナス点(話における無駄)や大きな不快要素が無いのが高評価ポイント。
解釈の幅が広く、考察しがいのある作品。
(一方で物語の表面だけしか見えてないと、内容が薄く感じられてしまう)

とはいえ、期待はしすぎない方が良いです。
賛否両論で、好き嫌いが分かれますし。
考えすぎるな、感じろ! と、まぁ
雰囲気を楽しむつもりでプレイするが吉


私としては……

めちゃくちゃ面白くて……

最高でしたっっ……!



【惜しかった点】

システムが不便
・セーブデータ数40+クイックセーブ5
・次の選択肢へ直接スキップができない
・バックログは見れるが、シーンジャンプが不可能  など

そのため、攻略情報を見ながら読み進めた方が良いです。
オススメ→ さくらむすび攻略 (ribbon.to)
推奨攻略順は可憐→桜→紅葉です。
推奨というか絶対にこの順番が良い(!?)


尺不足感が否めない
欲を言うと。あえていうならば。
あるヒロインの話だけすごく短くて残念だった。
個人的にはもっと見たかった……。

しかも。
謎を残したまま(体感的には)さらっと終わるのですっきりしない。
本作を全て読んでも謎に対する明確な答えの描写が無い。と思う。
どういうことかわからず・・・???となる人も少なくでしょう。


良くも悪くも、
読者の想像力に委ねられている作品です。




どんな人にオススメ?


この絵が好きな人
昔っぽい絵ですが(そんなことない?)、
古臭いというわけでもなく。
柔らかくて優しい雰囲気作りに大きく貢献しています。

萌え&ロリっぽい絵柄。可愛い。


ピアノ(アコースティックな)曲が好きな人
ピアノメインで、時にヴァイオリンやチェロなどの弦楽器と共に奏でられる暖かくて優しい旋律は、つい文章を読む手が止まり聴き入ってしまうほどに美しい。
さくらむすびのBGMは感情の機微までをも見事に表現していて、心が突き動かされる。

デモバージョンを含めて全20曲。
すべての曲が素晴らしい。


ひんぬーが好きな人
全員見た目がほぼロリ
(これでも年齢的には高校生くらいのはず)

左から、妹、幼馴染、後輩
そういう属性に惹かれる方もぜひ!!




注意点

・DL版はなく、パッケージ版のみ販売されています

・プレイ時は修正パッチ(プログラム)があるので最初にあてること
 

・OS動作環境に関して
Windows7までは動作可。
(「管理者として実行」、もしくはインストールフォルダの起動プログラムのプロパティで「互換性」の「互換モードでこのプログラムを実行する」と「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れて起動)

では、それ以降のOSだと本作をプレイできないのか。
結論を言うと、”正式な”やり方では無理です。残念ながら。

詳しくはこちらを参考に。非常に簡単です。
ちゃんと起動できるので安心してください(Windows11まで〇)。



最後に

良さそう、面白そう、好きそうだなと少しでも感じた方には刺さる可能性あり!
強くオススメします!!!
作中の季節は秋~春(3月)なので、その時期にやるとより良いかも?
共に、古き良き”さくらむすび”の世界に浸りましょう。

プレイ中に心が満たされていくのを感じました。
この先何度でも再走したい。
……ネタバレありの感想もいつか書きたいな。


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