パラレルワールドの実家に来た夢
ここは実家っぽいけれど、どこか少し様子が違う場所みたい。
建物自体が少し変わっている。現実世界にある実家をカスタムパーツでデカくして(増築とも言う)派手な電飾でデコられていた。
自分の実家のはずなのに、「だたいま」と言って中に入れる雰囲気ではないので、恐る恐る中へ入る。
ここは実家ではなく、寮になっていた。
実家の面影は残っていて、使っていた家具なんかもちゃんとある。
この建物の一室に私の父の部屋があったので訪ねてみたけれど、誰もいなかい。
勝手に父の部屋に入って、中を見回していると、普段開けたことのない戸棚が目についたので開けてみる。
中には、黒地に赤いドクロの模様がついた布のペンケース。ペンケースの中には、桃色や水色といった淡い色の筆ペンが入っていた。
それから、ステッカーが置いてあった。このステッカーはカメのイラストに“あの時助けてもらったカメです”と書かれたもの。夢の世界ではポピュラーなものらしく、特別驚いてはいなかったのだけど、現実世界の私はこんなステッカーを知らない。
戸棚の中にはさらに、小さなビニール製の首から下げられるストラップ付きコインケースが置いてある。ファスナー部分が赤くて、本体部には油性ペンでデカデカと父の名前が書かれている。
「入院していた時に使っていたものかな」「これを使っていた時はまだ生きていたんだな」
この世界は夏だった気がする。
窓の外から救急車のサイレンが響いていた。