人生初の書籍『ヒストリカル・ブランディング 脱コモディティ化の地域ブランド論』を角川新書から出版します!
突然ですが、人生初の書籍である『ヒストリカル・ブランディング 脱コモディティ化の地域ブランド論』を角川新書から出版します。2023年11月10日書店にならびますが、amazon等では予約がスタートしています。
この本は、すぐに模倣され汎用品・低価値にされる時代。高付加価値、差別化の鍵として「歴史」に着目した研究と実践を行ってきたことを「ヒストリカル・ブランディング」として理論体系化したものになります。具体的には観光と商品開発の事例を取り上げています。地域ブランド論の本ですが、経営一般、特に地域の中小企業の皆様にも参考になるものと思っています。
なお、「観光マーケティングはズレている」という強いメッセージにしたことについて一言説明させてください。
欧米圏では経営学の視点から観光に関するマーケティングが実践されてきました。(菅野・古谷地・山田、2008)これらの積み重ねの結果として観光は製造業を中心とした従来のプロダクト・マーケティングとは異なる側面があり、観光の持つ独自性を踏まえたマーケティング概念が提示されています。
その代表格はデスティネーション・マーケティングなのですが、残念ながら日本ではまだしっかりとした概念として普及されているとは言い難く、デスティネーション・マーケティングが必要な現場でもプロダクト・マーケティングの理論だけで動いていることが多いなと現場でも実感しておりました。
もちろん、プロダクト・マーケティングが完全に適応できないわけではないです。ですが、使い方によってはマイナスになってしまう場合があります。こういったデスティネーション・マーケティングを始めとした観光地経営理論の普及をさらに促進させていくこと。加えて、提言した「負けないための競争戦略」といった内容を踏まえて、あえてこのような強い表現を使わせていただきました。
詳しくは本書を読んでいただければ、私の意図は理解していただけるものと思います。その上で、当然ながら様々なご意見があると思いますので、それについては真摯に受け止めながら更に理論を進化させていきたいと思っています。
歴史学研究者から民間企業に転身し、サラリーマンを経て独立したわけですが、来年度で独立してちょうど10年となります。その節目に自らの理論をこのように書籍化できたことは感慨深く思っています。現時点ではこれ以上のものは書けない。というくらいものができました。なお、個人的には瀧本哲史さんからの宿題でもありました。詳しくは本書をお読みください。
最後に、本書を執筆できたのは今まで仕事やディベート活動を中心に様々な活動を共にしてきた仲間の存在があればこそです。本書で紹介できた事例以外にも数多くの経験がなくては書けませんでした。歴史学者になり損ねたオーバードクターの学生だった私を鍛え上げてくれた人々には感謝しかありません。本当にありがとうございました。
爆発的に売れるような本ではないと思いますが、長きにわたって現場の皆さんに活用されるような実践の本となることを著者としては願っております。
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