日本史用授業テキストの話
久しぶりの投稿です。
私は、日本史の授業において、オリジナルで作成したテキストを使っています。
その名も『日本史ビジュアルノート』。
授業プリントをまとめて業者に製本してもらったという代物です。
中身はこんな感じです。
なぜ作ったのか?
日本史学習の目標は、
体系的理解に基づいて歴史的思考力を養うこと
だと考えています。
高校の歴史教育においては、知識を整理し、体系的な理解を前提とした上で、あらゆる考察を行っていく必要があると考えています。そこで、いかに効率的に知識の整理と体系的な理解ができるかということを考え、作成したのが、ビジュアルノートになります。
・プリントを毎時間印刷する手間を省く
・保管をしやすくする(プリントだとなくす生徒が結構いる)
・すべての情報を一つにまとめるノートがほしい
・自分の授業の切り口で作成したい
・単元のまとまりや出来事の順序がわかりやすいレイアウト
・基本的な語句の定着を図るための穴埋め
このあたりを考えて作成したのですが、授業をしていく中で改訂したい気持ちが高まってきました。
そこで、今年度、この休校期間を利用し、一気に大改訂を図ったのです。
バージョン1の問題点
①穴埋めをする時間が無駄
結局、基本的な語句を授業中に書く時間がもったいないのではないかと感じてきました。結局、それで説明する時間が削られていきます。私が話した内容をメモしたり、生徒が思考したり理解したりする時間を、語句を書く時間に邪魔されてしまうのです。これは非常に効率が悪い。
②1ページあたりの情報量が少ない
見開きの状態で、なるべく多くの情報がまとまって書かれていた方が知識の整理はしやすいと考えています。どうしてもページが変わると全く違う単元・テーマだと思い込んでしまうことがあると思います。「体系的に」理解するためには、1ページの情報量を多くした方がいいと思います。
③図が少ない
例えば、荘園公領制や下地中分などの土地制度史を解説する際は、模式図があると便利です。結局、それらの図を一から描いていると、これもまた時間がもったいない。効果的な模式図を載せておくことで、効率的に理解が進んでいくと考えています。
④背景や意義についての記述がない
知識の整理はできますが、出来事の背景や、時代の特徴、歴史事項の意義なども記載する必要があると考えました。学習指導要領や共通テスト試行調査を見ても、これからは特にそういう部分の重要性が高まっていることが明らかです。
バージョン2
現在、バージョン2の昭和初期頃まで完成しています。
上記の問題点から、
・穴埋めをしない
・1ページあたりの情報量を増やし、コンパクトにまとめる
・図を挿入する
・意義や背景に関する説明を加える
というポイントで、今回の改訂を行いました。
バージョン1
バージョン2
こんな感じです。
もうすぐ通史版は完成。これから忙しくなりますが、テーマ史編も作成したいと考えているので、今年度中にそこまで完成させたいと思っています。