歴史系高等遊民

某大学国史学科 日本中世史、物館学、日本近代文学特に芥川龍之介や病跡学を勉強中 難しく思われるものをわかりやすく、親しみやすく発信する予定です

歴史系高等遊民

某大学国史学科 日本中世史、物館学、日本近代文学特に芥川龍之介や病跡学を勉強中 難しく思われるものをわかりやすく、親しみやすく発信する予定です

最近の記事

日本のいじめに対する一考察

はじめに お久しぶりの投稿になります。 なぜ、今回このような記事を書こうかと思ったのは、札幌いじめ自殺事件や他にもいじめによる自殺のニュースを聞くようになり、自分も過去にいじめを受けた時がありそれについて、素人ながらも私の知りうる限りでお話したいと思ったからです。 被害者に対する処置 日本では、いじめの被害者に対してのメンタルヘルス的な処置であったり、もしくはその学校から転向するなどが多く行われているように感じます。確かに被害者の方というのは、一番精神的・肉体的に疲弊してい

    • 日本中世宗教〜戦乱が生んだ二人の豪傑〜

      1、はじめに お久しぶりです。歴史魂です。長らく更新が途絶えていたのですが、久しぶりに記事を書いてみたいと思います。 今回は、室町時代に活躍した二人の宗教家吉田兼倶と蓮如について話をしたいと思います。 2、吉田兼倶と蓮如とは? もしかしたら、高校日本史を勉強された方は一度は耳にしたことがあるかもしれない二人ですね。 吉田兼倶という人物は、室町時代後期に活躍した神道家であります。彼は、元々は卜部の神道体系を基にしつつ独自の神道の体系(吉田神道)を作り上げ、その後も彼の築いた

      • フィールドワーク 北畠史跡

        私の大学では、3年生になるとそれぞれのゼミ別にゼミ旅行が行われます。本来ならば、私達の中世ゼミⅡは今年のゼミ史料として使われている出雲大社を訪れるはずだったのですが、残念ながらコロナウイルスの影響で延期になってしまいました。また、秋ごろにはフィールドワークとして学年別に三重県の色々な場所を訪れるのですが今年は残念ながらこちらも延期になってしましました。 そこで、私が現在調べている伊勢国司北畠氏の本拠地ともいえる一志郡多芸(現在の美杉町)をフィールドワークすることにしました!

        • 中世の三重県①

          権門体制論 権門体制とはみなさんは、権門体制という言葉はご存知だろうか。たぶん多くの方は、ご存知ではないだろうが、歴史に興味の有る方ならもしかしたら知っているかもしれない。 以下に説明を引用させてもらう。 権門体制論 黒田俊雄氏が提唱。中世国家の特徴として、武家・公家・寺社の諸権門が封建領主として、相互に権限を分掌し、補完しあっていたおり、荘園公領制を通じて農民を支配していた。       『新版 日本史辞典』(角川書店) 少し小難しく感じるかもしれないが、簡単に言うと 中世

          生涯学習  学びを続ける

          最近は、博物館での展示がコロナの影響によって中止になってしまったりして博物館に足を運ぶ機会が遠のいているこの頃です。 みなさんは、生涯学習という言葉をご存知ですか?意味はそのとおりなのですが、これは非常に博物館と関係が深いものなので今回紹介したいと思います。 写真は大英博物館です。この博物館で、書物を読み漁り知識を蓄え大成した偉人たちはたくさんいます。日本人なら、南方熊楠・野口英世、それ以外ならカール・マルクスなんかが有名ですね。 博物館と生涯学習の関係  学芸員課程でもっ

          生涯学習  学びを続ける

          ディストピアへの誘い

          最近、またnoteを書き出してたのしくなってきたので私の好きな小説の分野の一つであるディストピア小説を紹介したいと思います。 ディストピア小説とは? みなさんは、ユートピアという言葉はご存知であると思います。日本語で訳すと理想郷ですね。これとは、まさに真反対な物がディストピアです。これ又、和訳すると暗黒郷です。よくSF小説で使われるものですが、中には現実を考えさせてくれるものもあるので、非常に面白いです。 私の好きなディストピア小説 新世界より 貴志祐介 講談社 ハーモニ

          ディストピアへの誘い

          文化財保護教育の重要性

          みなさんは、奈良県河合町で起こったたけのこ掘りをしていた少年たちが偶然発見した破損した埴輪を持ち帰り自分たちで修繕を行い元の場所の戻したと云うニュースをご存知だろうか? 知識のない人からすれば、なんだ埴輪をいじくっただけかと思われるかもしれないが、これは文化財保護の観点から見ればとてつもない事件である。 文化財保護とは? 多くの方にとって、文化財保護とは離れた場所にあるように感じるかもしれないがこれは、人類の歴史を研究し、後世に残していくことにとって非常に重要なことです。日

          文化財保護教育の重要性

          芥川龍之介と病跡学(パトグラフィー)

          病跡学とは みなさんは、芥川龍之介をご存知だろうか? 多くの方は、高校の現代文で羅生門を習った事や文学史などで新思潮派であることなどを暗記させられた方であろう。また、少し詳しい人であるなら彼が最後に大量の睡眠薬(ヴェロナール)を飲み自殺をしたというのを知っている人もいるかもしれない。 私もこれに似た状態であったが、近代文学を学ぶ内にひとつの消えかえた学問「病跡学」に出会った。私は、作品よりも芥川自身を知ろうとした。そして、彼が非常に深い闇を抱えている事に気づいた。そして、それ

          芥川龍之介と病跡学(パトグラフィー)

          御師という存在

          お久しぶりです、歴魂です。前回は、私が卒業論文で扱おうとした中世武家官位についてふれさせていただきましたが、今回は最近私が読んで本ですこし興味をもって調べて御師について書かせていただきたいと思います。 そもそも御師とは?そもそも御師とは、御祈祷師を略したものとなります。彼らは、特定の寺院に所属し、その神社の参拝を促したり、御札を売るなどをする宗教者になります。その中でも熊野御師や伊勢神宮の恩師が有名であります。発音については、伊勢神宮所属の御師は「おんし」、それ以外は「おし

          御師という存在

          [中世武家官位①]

          こんにちは、歴魂です。今回は、私が今一番強い関心を寄せている物の一つである中世武家官位について書きたいと思います。しかし、まだ私の中でまとまりきってい物なのでシリーズ的な書き方をしていきたいと思います。 出会い私がこの中世武家官位に興味を持つようになったのは、皇學館大学で特任教授をされておられた上野秀治先生の退任講演において松平姓の賜下について述べられていたのを聞いたのが、始まりです。これは、直接中世武家官位に関係するものではないのですが、講演を聞いている私の脳裏に中世武家

          [中世武家官位①]

          文学作品の楽しみ方

          こんにちは、歴魂です。これまでの投稿では、歴史に関係するものにふれてきたのですが、私は歴史だけでなく日本文学にも興味を持っています。特に近代文学であり、その中でも芥川龍之介を特に好んでいます。 私は、文学部史学科に所属していますので日本文学部の授業も選択をすることが出来ます。それらの授業から学んだ事や、自分なりの楽しみ方を今回は書いていきたいと思います。 [授業で学んだこと]私が、近代文学講読という授業の中で学んだ幾つかのことを紹介していきます。 ①色の持つ意味 数々

          文学作品の楽しみ方

          [受験生へ向けて]史学科を志す人達へ

          こんにちは、歴魂です。今回は、ちょうどこの大学受験本番を迎えている受験生がたくさんいる季節なのでこの記事を書いてみます。 史学科ってどんな感じ?これは、みなさんがよく思うことだと思います。私は、日本史専攻なので詳しくわかるのは日本史についてだけなのですが、はっきり言いますと高校までの日本史とは全く違います。 恥ずかしながら私は、高校時代はあまり日本史に興味がなく世界史を選択していたので友人伝えの話になってしまいますが、高校での日本史は丸暗記科目です。たしかに大学での日本史

          [受験生へ向けて]史学科を志す人達へ

          [歴史学に興味ある方へ]歴史学と語学のつながり

          こんにちは、歴魂です。只今、くずし字の学習会に参加して苦労真っ最中の学部生です。 [日本史編] 私は、日本中世史を専攻しているのでくずし字というものは避けるに通ることはできません。これは、日本史研究をする上では現代史以外どの時代でもくずし字は避けては通れません。 しかし、今歴史学部を目指されている方の中でくずし字が必須であるということを知っている高校生はいったい何割いるのでしょうか。 近年では、史学科に通う学生であっても自分の興味に関係なく、くずし字を読まなくて良いと

          [歴史学に興味ある方へ]歴史学と語学のつながり

          中世との出会い

          私が中世史に興味を抱いた時 私が、中世史に強く惹かれるきっかけとなったのは私の学科の必修科目のなっている日本史の概説の授業の中世史分野の講義を受けた事がきっかけでした。それまで私は日本史が好きという認識はありましたがこれといった物はなかったのですがこの授業に於いて中世は「自力救済社会」である事を習い、非常に興味を抱くようになりました。そして、自分から中世史を学ぶという経緯をたどり中世史を専攻するようになりました。 中世史の魅力 みなさんは、日本の中世についてどのような認

          中世との出会い