好きの重さ
高校生の時自宅の電話に知らない男の人から電話がかかってきた。多分知らない人。
男「由香さんいますか?」
私「はい。私です。」
男「好きです。」
私「………。あの、どちら様ですか?」
名前を聞いてから判断したかった。
バスケ部の憧れの先輩だったらいいなという甘い考え。
男「ねぇ、今何処の高校に行ってるの?ねぇ、何処でバイトしてるの?ねぇ、教えて。」
男のねぇ攻撃が止まらない。
私「………。」
話し聞いているこの人?
男「由香…ねぇ、キスしたい。それから由香の/@aに@p.wgdtat23して♪¥$%%+挿れてハァハァ…」
あ、この人のスキ重たいや。すごい変態だわ。
ガチャッと電話を切る。
それから毎日ねぇ男から電話がかかってくる。
男「由香?ねぇ、〇〇高校に行っているんでしょ!」
私「………。」
うわ…当たってる。怖ーッ。
電話を切っても何度もねぇ男からのラブコールが止まらない。
男「ねぇ、由香はガストでバイトしているんだよね♡」
私「………。」
何で知った⁇最初は教えてって言ってたのに…。
だんだんと私の情報量が増え元気になってくるねぇ男。
それに対してだんだん恐怖で弱っていく私。
男「ねぇ、制服ちょうだい。」
私「…………。」
あげるわけがないでしょ!
それからもねぇ男は諦めず半年間毎日電話をかけてきた。
慣れって怖い。
恐怖で怯えていた私だったが
男「ねぇ…由 」
ガチャツ。ねぇ男の声を覚えてしまった。
はいはいー!
今日も懲りずにかけてくるね〜と日に日に気持ちが強くなり瞬時に電話を切る事が出来るまで成長していた。
男「ねぇ、制服…売って。」
わ!!!ちょうだいが売ってに変わった!
私「え……⁈」
思わず声が出てしまう。あ!いけない!と思い慌てて電話を切る。
気付いたらねぇ男からの電話は来なくなった。
もし、これが違ったアプローチの仕方だったらこんな終わりにならなかったかもしれない。
ねぇ男のスタートの好きが耐えられない重さだった。
キミの事好きなのかも…このくらいの軽さだったらちゃんと対応してたかもしれない。
制服言い値でも買ってくれたのかなあ。
今、ワンピース欲しいんだよね。
私は今こんなに図太い神経に成長しました。