おぼろげな 月に重ねた 君のかお かすみゆくほど ひかり強まる
WiFiが 届いているのか いないのか コンビニの隅 僕たちみたい
同じ曲 きみがいるのと いないので メロディーさえも 違って聴こえる
寒い夜 一ミリの粒 散る空に まあるく光る きみの大きさ
鼻が先 見ずに見つけた 金木犀 ここにいるよと はにかみ笑う
世界一 君が幸せ だといいな 私の目には 見えないところで
一昨日も 昨日も今日も 笑い合う 夜中の幻 絶望の朝
手を繋ぐ 恋人たちに 告ぐエール いつか別れろ 死に別れろと
切りたての 髪気づかれず 数ヶ月 「だいぶ伸びたね」 そろそろ切るか
しあわせが しあわせじゃないの という君 しあわせそうに しあわせ嫌う
好きな子と 上手くいかずに 泣く君を 笑ってはげます わたしが泣きたい
アドレスも 写真も消えた 箱の中 購入履歴に きみの面影
秋の海 オレンジ光る 道ゆけば 月に照らされ 溺れて眠る
街頭と 月のあかりが 見守る夜 離れてもなお きみが大きい
もう二度と 会いに来ないで ゆいいつの 君の幸せ 願える手段
封開けぬ カップラーメン 軽やかで なにが悪いか 夜中の三時