妻が妊娠後期に車椅子になった話
今年5月に娘が誕生しました。
この話は娘ではなく、妻について。
これまで何事もなく普通に歩けていた妻が妊娠後期(32-33週頃)に歩けなくなり、車椅子生活を余儀なくされました。
ネット上にこのような体験談が非常に少なく、とても心配しました。同じような経験をする方がひょっとしているかもしれないので、書き残しておく目的で顛末を書いておきたいと思います。
妻の体に起きたこと
もともと5月中旬が予定日だった妻は妊娠後、妊娠でよくある現象があらわれていました。つわりや全身のかゆみなど、「フルコンボだねー」などという話をしてました。
つわりがおさまり、安定期に入った1月頃には旅行にも行けるようになり、新幹線でのおでかけなどもしていました。(当然普通に歩けていました)
それまでスタスタ歩けていた妻が歩くのが遅くなったいったのが3月初旬(29週~30週頃)のこと。家を出て2人で歩いていても、「もうちょっとゆっくり」というリクエストをもらうようになっていました。
正直最初は、「お腹も大きくなってきてるからなー」くらいに思っていたのですが、だんだん症状が酷くなっていきます。それでも個人的には「妊娠後期は大変だな」くらいで深刻に捉えていませんでした。
全く歩けなくなる
3月31日に出産前最後のおでかけをしたいという妻の要望がありました。
その前日、3月30日にお出かけした際に駅の階段で何度も止まってしまったこともあり、31日はやめておいたほうがいいかなと思ったのですが、「出産前にどうしても会いたい友だちがいる」ということで、東京駅近辺に行くことになり、自分は予定がなかったのですが、ついていくことにしました。
そこで何度も階段の上り下りが発生したことで足に負担がかかったか、帰りに最寄り駅から家までで立ち止まることに・・。
そこからなんとか家に戻れたものの、一度ベッドに横になった後は全く歩けなくなってしまいました。
翌日、整形外科を受診することにしたのですが、まず整形外科に行くのに一苦労。
タクシーを呼んでもタクシーまで行けない、タクシーを降りて病院に入るまでが危険、ととても危ない状況でした。
(4月1日は雨が降っていたので尚更危険だった)
病院にいっても妊娠中なので、レントゲンが取れず症状がわからず、マッサージの仕方を教えてもらい、しばらくたてばよくなるだろうということで終わりました。
事態のやばさを理解、そして車椅子生活へ
しかし、1週間たってもよくなる気配は全くなく、焦りが出始めます。
ここにきて、事態を深刻に捉えるようになりました。
まずは日常生活です。ベッド・ダイニング・トイレの往復するだけの生活になりましたが、それぞれの移動がかなりきついので、キャスター付きの椅子を購入しました。
僕の介助と椅子に座ったままの移動で家の中の移動はなんとかできるようになりました。
検診のため、外出をする必要もあったのですが、外出をどうするか迷いました。まずは松葉杖をAmazonで買ったのですが、松葉杖程度ではダメでした。
色々調べた結果、社会福祉協議会で無料で車椅子の貸出をしてくれることがわかり、車椅子を借りることになりました。(これは助かった・・)
車椅子を使って検診を受けさせてもらえることを病院に確認し、検診へ。結果として総合病院に紹介状を書いていただき、大きな病院の整形外科を受診すことになりました。
整形外科での診察
車椅子で総合病院へ。
そこではレントゲンを取ってもらえて、診断をしてもらいました。
診断は「寛骨臼形成不全」。
もともと股関節のつくりが普通より浅かったらしく、それが妊娠の重みで股関節が下がり、骨盤外側の「寛骨臼」という部分が大腿骨とあたることで、激痛になっているとのことでした。
「自然分娩」に影響はなく、出産したら改善するかもしれないので様子をみましょうという結果に。
一方で、産院ではこのような状況での出産受け入れがなく、総合病院で出産したほうがよいのではないかと勧められました。
出産へ
診断結果は「自然分娩に影響なし」とのことだったのですが、妻としては「足を開くのが難しい」「そもそも分娩台に乗ることすら難しい」ということで、病院判断で帝王切開での出産となりました。
産院でも車椅子で入り、出産当日を迎えました。
出産したら歩けるようになるのでは?という期待を持っていたのですが、産後すぐは歩けませんでした。
このとき、個人的には「妻はもう歩けなくなるのでは?子どもの世話と妻の介助のダブルケアになるのでは?」という不安?が高まっていました。
出産数日経っても歩けるようになる気配なく、病院内を車椅子移動する日々。産院の方には色々とご配慮いただきました。
ついに退院となってもまだ車椅子が必要な状態は変わらず・・。
退院時も車椅子で移動することになりました。自分で子どもと妻を両方ケアしながら車の運転はできないので、義母の助けを借りることに。。
再び歩けるように
家に戻ってからも歩けない状態が続き、基本的なお世話は自分がする状態に。
しかし、退院1週間頃からダイニングと子どもの間の数歩だけ歩いたり、ものに捕まったら立てるようになってきました。
そして、退院してから2週間と数日、ついにぎこちないながらに歩けるようになっていました。
後から振り返ると出産によって体重が10キロほど軽くなり、それによって負荷が減った模様。
月が変わり、6月頃には歩くことができるようになっていきました。
6月に総合病院を受診することになっていたのですが、そこも歩いて受診。結果も問題なしということで整形外科にリハビリに通うようになりました。
現在は、定期的にリハビリに通っているものの、普通に歩ける状態に戻りました。一人で外出もできる、日常生活に不自由ないレベルまで回復しました。
最後に
今回不安だったことの1つに「ネットに似たような体験談が見当たらなかった」ことでした。それによってなにが起きるか予測できず不安があったので、これから先に似たような経験をする人がいた場合に備えて体験談を書き残しておきました。
もちろん人によって症状は違うので、必ず同じようになるかはわかりませんが、一つの記録として見ていただければと思います。