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読書記録(2025年1月後半)
人間にとって働くことはどういう意味を持つのか?歴史や宗教も含めて論じられていて、新しい分野の勉強という気持ちで読んだ。労働や経済、それらに関する哲学の素養が無いので、著者の言っていることを読み解ききれなかった部分も多いと思う。欧米の世界観・価値観に基づいているので日本人とは感覚がかなり違うかもな~と思う部分も多かったが、私たちはこの現代において「働くこと」に対し一体何を求めているのか?というテーマは普遍的だし、「仕事というもので人間の欲求(自己実現やら何やら)を充たそうとしすぎている」というのはどこでも変わらないんじゃないかなと思った。
著者、「管理されること」の章で巷にあふれるビジネス書の類にめちゃくちゃキレ散らかしていて、個人的にはそれがとても面白かった。そこだけ明らかに本人の自我が露出していて、「哲学で論じられてきたテーマの上澄みを適当に並べてさも正しいことかのように語ってんじゃねえぞ」「哲学ヅラをするな」という明確な憤りを感じた。
三浦しをんは人との何気ないやり取りの描写の中から「愛情」を浮かび上がらせるのが本当に上手いよなあ、の気持ち。テンポ感も小気味良くてついつい一気に読んでしまった。
主人公の男子高校生らしい(?)アホのターンと自分の置かれた状況に抱えているモヤモヤとの対峙ターンのバランスが絶妙。
この人のこういう作品の読後は爽やかでいい。好き。