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【有志企画イベント】 プレ ・ ビブリオバトル開催!

服部国際奨学財団では、毎年、研修旅行をはじめとした多彩な公式行事のほか、奨学生同士の交流と学習を目的とした様々なイベントが開催されています。さらに、2023年度から、奨学生有志によるイベント班が発足し、学生による企画・運営も進行中です。今回は「ビブリオバトル班」の活動をピックアップ。本開催に向けたプレ企画の様子をご紹介します。

「ビブリオバトル」 って?

ビブリオバトルは、読んだ本の面白さをプレゼンして競い合う「知的書評合戦」ゲームです。異なる背景や感性を持った人々と、読書を通じて活発なコミュニケーションを取ることができ、小中学校の授業から大学のゼミ講義まで、教育現場でも幅広く取り入れられています。

ルールはごく簡単!

  • 読んで「面白い!」と感じた本をそれぞれ持ち寄る

  • 順番に1人5分間で、持ち寄った本を紹介する

  • それぞれの発表の後、全員で2〜3分間ディスカッションを行う

  • 全ての発表が終了した後、「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を、参加者全員の1人1票制で行う。ここで最多票を集めた本を「チャンプ本」とする

大学の発表で使うようなスライドやレジュメの類も、基本的に不要。いかに口頭で面白さを伝えるかが勝負の肝です。選ぶ本そのもの以上に、プレゼン力が試されます。しかし、もちろん勝敗がすべてではありません。大切なことは、本を通じて他者とふれあい、理解しあうこと詳しいルールについては、公式サイトをご参照くださいね。

「ビブリオバトル班」 結成へ

そんなビブリオバトルを、服部財団のなかでも是非やってみたい!という思いから、3名の服部奨学生が集まり、有志企画を立ち上げてくれました。

ひとりは、以前【オンライン哲学講座】の記事を書いてくれた、第15期服部奨学生の竹下琴里さん(静岡大学教育学研究科修士2年)。もうひとりは、第13期服部奨学生の西本圭那さん(三重大学医学部医学科3年)。そして、同じく第13期服部奨学生の水野萌香さん(名古屋工業大学工学部生命・応用化学科4年)です。

どうして有志イベントでビブリオバトルを開催したいと思ったのか、水野さんに尋ねてみたところ「ビブリオバトルは、様々な専門分野とバックグラウンドをもった奨学生が集まる、という服部財団の特色が活きるイベントだからです」と、笑顔で語ってくれました。西本さんも、竹下さんも、本を通じて多くの奨学生と交流することを楽しみにしているそうです。

服部財団 「プレ ・ ビブリオバトル」 開催!

本格的なビブリオバトルの開催に先立って、企画班3人による「プレ・ビブリオバトル」が開催されました。

実施スタイルの可能性を探るべく、今回はオンラインで開催されました。
次回は対面での開催を予定しているとのことです。

水野さんが紹介したのは、1937年に吉野源三郎が著した『君たちはどう生きるか』。つい先日、スタジオ・ジブリから同名の映画が発表されたことで注目を集めています。

この本の主人公、本田潤一くんは中学2年生。あだ名はコペル君です。どうしてコペル君と呼ばれるようになったのか...?そこから物語は始まります。気になった方は、ぜひ本書の中を探してみてくださいね!

 コペル君が学校生活を送る中で、何気ない日常や友人との触れ合いを通じて考えたことを叔父さんに話します。それに対して、博学な叔父さんがコペル君へのアドバイスをノートに記していき、交換日記のような形で物語は進んでいきます。

 二人のやり取りの中には、現代まで通ずる普遍的なメッセージがつまっています。貧困、いじめ、勇気、学問。今も昔も変わらないテーマに、人間としてどう向き合うべきか。人間として生きる指南が記されています。

 一度手に取って、一度人生を見つめ直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか?そして、「君たちはどう生きるか」というタイトルに対する、自分なりの答えを見つけてみてください♪

水野さんの作品紹介文

西本さんは『レインツリーの国』を紹介。図書館戦争シリーズで知られる作家・有川浩の恋愛小説です。

ふと思い立って、かつて読んだ忘れられない小説の感想を検索した伸行はブログ「レインツリーの国」に辿り着く。思わず送ったメールからブログの管理人「ひとみ」との交流が始まった。メールでやり取りするうちに互いに惹かれ合う2人。直接会って話したい。しかし、ひとみには会えない理由があった…
それぞれの思いや悩み、それに向き合い成長していく2人の恋愛模様が描かれている物語です。

西本さんの作品紹介文

竹下さんが紹介したのは『お探し物は図書館まで』。柔らかであたたかな筆致で知られる、青山美智子の作品です。

各章の主人公が、悩みや夢を抱きながら町の図書室へ導かれていきます。そこには羊毛フェルトをチクチクと編む、ちょっと不思議な司書の小町さんが、レファレンスカウンターで待っています。

年代も性別も仕事も、バラバラな主人公たちの運命が、小町さんお手製の羊毛フェルトの”付録”と紹介された本を通して、少しずつ変化して行くという物語です。

竹下さんの作品紹介文

ビブリオバトルを終えた3人から寄せられた活動報告メッセージも、楽しさと気づきに満ちていました。最後にあわせてご紹介します。

「今まで自分では手に取ったことのなかったジャンルの本に出会うことができ、とても面白かったです。また、発表者として本の魅力を最大限伝えられるように改めて読み返してみると、初めて読んだ時の気持ちを思い出したり、当時は気づかなかった発見がありました」

水野さん

「紹介された本に興味を持つだけではなく、読んだ人の気になった箇所や、言葉にも惹かれました」

竹下さん

「バトルとついていますが、紹介するのも、おすすめ本の紹介をきくのもとても楽しかったです!好きなものを共有できることは良いなぁと改めて思いました♪」

西本さん

今後の活動 : 本開催に向けて

「ビブリオバトル班」では、より規模を広げたビブリオバトルの開催に向けて、日々準備が進められています。ただ本を読むだけではなく、その魅力について誰かと語り合う。ビブリオバトルは、あなたの読書体験をもっとアクティブに、より開けたものに変えてくれるでしょう。

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